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薬剤師業界が変わる!2018年度調剤報酬改定

更新日: 2018年4月8日

第2回 ずばり「薬剤交付後のフォロー」に加点。地域医療、対人業務へのシフトが鮮明に

第2回 ずばり「薬剤交付後のフォロー」に加点。地域医療、対人業務へのシフトが鮮明にの画像

連載第2回目は加算のポイントとなる2018年度調剤報酬改定点の対人業務に関して、一般社団法人 次世代薬局研究会2025代表の藤田道男氏に解説いただきます。


2018年度調剤報酬改定は、「地域医療への貢献」「対人業務の充実」「他職種との連携」を強調する内容となりました。地域包括ケアシステムへの薬局・薬剤師の関与、医薬分業を通じた薬物療法の適正化と医療安全の確保など、薬局・薬剤師が果たすべき本来の役割を明確にした点が特徴です。

16年度改定でもその方向は打ち出されていましたが、18年度改定でより鮮明になりました。薬局・薬剤師は今回の調剤報酬改定に込められた意図を理解し、調剤業務の質的な深化を図る必要があるでしょう。

地域支援体制加算では薬局に求められる機能を評価

従来の基準調剤加算を廃止して、「地域支援体制加算」を新設しました。関係者によると、基準調剤加算は薬局に焦点を当てた向けた印象が強かったことから、加算の目的を明確にするために「地域支援」の文言に変更したようです。

同加算は、「かかりつけ薬剤師による薬学的管理」、「あらゆる処方箋に対する調剤体制」、「安全性向上に資する事例の共有も含めた地域支援等への貢献」―などこれからの薬局に求められる機能を備えている薬局を評価するものです。

点数も基準調剤加算の32点から35点にアップしており、外枠も含めマイナス改定となった調剤報酬改定にあって、同加算は薬局機能の充実だけでなく、収益上もポイントとなりそうです。

表1 地域支援体制加算関係 施設基準

調剤基本料1以外の薬局向け項目
地域医療に貢献する相当の実績(※基本料1の薬局は⑫を適用)
詳細は表2:基本料1以外の薬局が行う「地域医療に貢献する実績」を参照
全薬局共通項目
患者ごとの薬歴管理と服薬指導
患者の求めに応じた薬剤情報提供
一定時間以上の開局
十分な医薬品を備蓄
適切な薬学的管理、指導体制と在宅体制の情報提供
当該薬局又は他の薬局との連携による24時間調剤、在宅体制
在宅療養支援のための連携体制
他の保健医療サービス、福祉サービスとの連携体制
医薬品の医療安全に資する情報の共有体制と実績
特定医療機関の処方箋集中率85%超の薬局は後発品の変更割合5割以上
調剤基本料1の薬局向け項目
基本料1の薬局は下記の要件を満たす(①は適用しない)
1)麻薬小売免許取得 2)在宅患者に対する薬帷幄的管理・指導の実績  3)かかりつけ薬剤師指導料、同管理料の届出

表2 基本料1以外の薬局が行う「地域医療に貢献する実績」

(常勤薬剤師1人あたり次のすべての実績を有する)
休日夜間等の対応400回以上
麻薬管理指導加算10回以上(※)
重複投薬・相互作用等防止加算40回以上(※)
かかりつけ薬剤師指導料40回以上
外来服薬支援料12回以上(※)
服用薬剤調整支援料1回以上(※)
単一建物の在宅薬剤管理12回以上
服薬情報提供料60回以上(※)
 ※かかりつけ薬剤師指導料、同管理料を算定している患者に対しこれに相当する業務を実施した場合も含む。施設基準は、調剤基本料1を算定する薬局とそれ以外の薬局とを区分しました。基本料1を算定する薬局は表1内全薬局共通項目②~⑪のほか、⑫の「麻薬小売免許取得」「在宅患者薬剤管理の実績」「かかりつけ薬剤師指導料の届出」で算定可能です。

基本料1以外の薬局は①「地域医療に貢献する相当の実績」で8項目(表2ア~ク)、さらに②~⑪をクリアする必要があります。

従来の基準調剤加算から継続されている施設基準としては、⑤「1200品目以上の医薬品の備蓄」⑦「単独あるいは近隣薬局との連携による24時間調剤・在宅体制」があります。連携薬局数はこれまで通り最大で3つまで。開局時間は平日は1日8時間以上で、土曜または日曜日のいずれかの曜日に一定時間以上開局し、週45時間以上。管理薬剤師の要件では、「保険薬剤師として5年以上の薬局勤務経験」「当該薬局に週32時間以上勤務」「当該薬局に1年以上在籍」の3件を全て満たすことが求められます。

共通項目で新たに設けられた⑩「医療安全につなげる情報共有のための体制整備と実績」に関しては、次のように示しました。(表3)

表3 ⑩「医療安全につなげる情報共有のための体制整備と実績」

・前年1年間に疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や 医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った実績を有し、住民に知らせる都道府県の薬局機能情報提供制度の新たな報告事項として追加される「プレアボイド事例の把握・収集に関する取り組みの有無」について、「有」としていること。(2019年4月以降適用)

・副作用報告に関する手順書を作成し、報告を実施する体制を有していること。

(2018年10月以降適用)

プレアボイド事例の把握・収集」事業に関しては2017年10月に公布され、2019年1月から施行される薬局機能情報提供制度の改正で新たに設けられたことに対応するものです。また副作用報告書の手順書に関しては日本薬剤師会が近々「ひな型」を作成することになっています。

一方、調剤基本料1以外の薬局は表2「地域医療に貢献する相当の実績」としてア~クの8項目を満たす必要があり、多少ハードルが高くなっています。ます。ただし イ「麻薬指導管理加算」ウ「重複服薬・相互作用防止等加算」オ「外来服薬支援料」カ「服用薬剤調整支援料」ク「服薬情報等提供料」の5項目については、「かかりつけ薬剤師指導料を算定している患者に対して実施した場合も含む」とされています。

服用薬剤調整支援料は薬剤師によるポリファーマシー対策

算定が難しいとの懸念があった、服用薬剤調整支援料については薬局からの処方医への働きかけによって算定できる見込みです。

服用薬剤調整支援料(調整支援料)は、患者の服薬アドヒアランス及び副作用の可能性等を検討したうえで、処方医に減薬の提案を行い、その結果処方される内服薬が減少した場合に算定できます。

具体的には、 6種類以上の内服薬を4週間以上服用している患者について、薬剤師が処方医に文書で減薬を提案し、調剤する薬剤が2種類以上減少した状態が4週間以上継続した場合に、月1回125点を算定できることになっています。

2月の答申では、薬局が調整支援料を算定するには、「薬剤総合評価調整管理料」(調整管理料)を算定する医療機関と連携することが明記されていましたが、3月の告示と関係通知には見当たらず、薬局関係者に戸惑いが広がっていました。

厚生労働省によると、薬局が調整管理料の算定実績がない医療機関と連携しても、調整支援料の算定は可能との見方を示しています。 薬局が調整支援料の算定要件を満たせば、必然的に連携先の医療機関も調整管理料を算定できる仕組みであるためとしています。

調整支援料は「2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続」と、実績を評価するのに対し、調整管理料は「2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合」と、見込みの時点で算定できます。

同様の項目は「重複服薬・相互作用等防止加算」にもありますが、こちらは処方箋受付時に処方内容と薬歴等を照合して薬剤師からの疑義照会を通じて処方変更が行われる場合に該当します。この場合、処方医は疑義照会内容を即時に判断して処方内容を変更するかどうかを決定しますが、同支援料の場合は処方箋受付時以外に、薬を減らしたいという患者の意向を尊重し、一定期間服用している薬について処方医に提案する点が異なります。(表4)

表4 疑義照会と多剤投薬の適正化に係る提案の違い

重複投薬・相互作用等防止加算(40点又は30点)

  • 薬の受け渡し時における処方内容に係る照会
  • 処方医はその場で即時に判断して処方を変更
  • 薬剤服用歴に基づき重複投薬・相互作用の防止等の目的で処方箋を交付した保険医に対し、照会を行い処方箋に変更が行われた場合に加算

服用薬剤調整支援料(125点)

  • 薬の受け渡し以外の患者の意向を尊重した薬学的観点からの処方医への提案
  • すぐその場で判断するのではなく、患者の症状や治療経過等を精査して減薬を検討
  • 6種類以上の内服薬が処方されていたものについて薬剤師が文書を用いて提案し、内服薬が2種類以上減少した場合に付き1回に限り算定
いずれにせよ、多剤投与に伴うポリファーマシー対策が課題になっている折、薬剤師からの提案で減薬を実現する項目が調剤報酬に設けられたことは画期的です。

分割調剤は服用薬の一元的・継続的管理が進むよう、取り組みが具体的に

 分割調剤については、普及に向けて医科の「分割調剤に係る処方箋」の様式を追加すると同時に、表5の通り具体的な取り扱いを明確にしました。分割の回数は3回までとし、薬剤師は患者に同じ薬局で調剤を受けるよう指導します。患者が別の薬局で調剤を受けることを申し出ている場合は、その薬局に調剤の状況や必要な情報をあらかじめ提供する必要があります。

表5 分割調剤に係る留意事項

  1. 分割指示に係る処方箋を発行する場合、分割の回数は3回までとすること。
  2. 分割指示に係る処方箋を発行した場合は、患者に対し、調剤を受ける度に、記載された回数に応じた処方箋及び別紙を保険薬局に提出するよう指導すること
  3. 保険薬局の保険薬剤師は、分割指示に係る処方箋の交付を受けた患者に対して、継続的な薬学的管理指導のため、同一の保険薬局で調剤を受けるべきである旨を説明すること。
  4. 保険薬局の保険薬剤師は、患者の次回の調剤を受ける予定を確認すること。予定される時期に患者が来局しない場合は、電話等により調剤の状況を確認すること。患者が別の保険薬局にて調剤を受けることを申し出ている場合は、当該保険薬局に調剤の状況とともに必要な情報を予め提供すること。
  5. 受付保険薬局情報において、1枚目の処方箋が処方箋の使用期間内に受け付けられたことが確認できない場合は、当該処方箋は無効とすること。
分割調剤は患者が受診の都度、医療機の近隣の薬局で薬をもらう習慣を改め、服用薬について一元的・継続的管理を行うかかりつけ薬局を選択する手法としても有効です。同時に患者は分割回数の期間中、医療機関を受診することがないため、薬局は再来局時までの服用状況や残薬の有無等についてフォローする必要があります。この点を疎かにすれば分割調剤の意義が薄れます。

分割調剤が将来のリフィル処方箋につながるかどうかは不明ですが、薬剤師が適正な薬物療法に貢献するための重要な対人業務と言えるでしょう。

薬局調剤、医薬分業の意義を示せるよう、シフトすべき

かかりつけ薬剤師指導料や前述の地域支援体制加算、服用薬剤調整支援料、分割調剤などから見えることは、「薬剤交付後のフォロー」が極めて重要になっていることです。

多くの薬局では「処方箋受付」「調剤」「服薬指導・薬剤交付」で完了していますが、長期処方箋が増え、多剤投薬によるポリファーマシー対策が課題になっている現在、服薬期間中のフォローの重要性が高まっています。人員不足などで容易ではないことは承知していますが、 薬剤師の第一義的な役割は「薬物療法における有害事象の発現防止」です。

この点を抜きにして薬局調剤の意義、ひいては医薬分業はあり得ません。昨今の薬局調剤に対する批判を覆すためにもそうした取り組みを通じて証明する必要があるでしょう。

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藤田 道男
ふじた みちお

中央大学法学部卒。医薬関係の出版社、(株)じほう編集局に勤務し、各種媒体の編集長を歴任。退職後フリーの医薬ジャーナリストとして取材・執筆、講演活動を行う。
2010年、薬局薬剤師の教育研修のために一般社団法人「次世代薬局研究会2025」を立ち上げ、代表を務める。
主な著書は『2025年の薬局・薬剤師 未来を拓く20の提言』『かかりつけ薬局50選』『残る薬剤師 消える薬剤師』など多数。
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