第1回 意識改革、必須!薬剤師を取り巻く環境変化

「調剤報酬の改定」「地域包括ケアシステム」など、薬剤師を取り巻く環境が劇的に変化しています。これから先、薬剤師の将来はどうなっていくのか?生き残りをかけ必要なスキル、知識は何なのか?医薬ジャーナリストであり、『次世代薬局研究会2025』代表の藤田道男氏に、今後10年の薬剤師業界の動向をお伺いしました。正念場を迎える薬局・薬剤師にエールを送る連載コラムです。
正念場を迎えた薬局・薬剤師
2016年は薬局・薬剤師にとって極めて重要な課題が提起された年となりました。ここ数年の調剤報酬改定や行政動向からある程度の方向性は見えていましたが、具体的に動き出したことで到達点が明らかになりました。
薬局・薬剤師が地域生活者の医療や健康に貢献し、確固たる存在意義を示すことができるかどうか、正念場を迎えたといえます。従来の業務の延長線上ではなく、どのような薬局を目指していくのか、どのような地域貢献を果たすのかという明確なビジョンのもとで具体的な行動に移すことが求められます。
すべての施策は地域包括ケアシステムへ
日本は総人口の減少と少子化・高齢化が並行して進行しています。こうした人口構造の変化は、経済活力や社会資本の維持に大きな影響をもたらします。中でも、社会保障制度の持続可能性が最大の焦点です。社会保障費は国家予算の3分の1を占めています。高齢化の進行とともに急速な増加が見込まれる医療・介護ニーズに対する政策課題が山積しています。
13年8月、社会保障制度改革国民会議は今後の社会保障制度改革の道筋を示した最終報告書をまとめました。
その内容は、
(1) 社会保障制度を1970年代モデルから2025年モデルへ
(2)「病院完結型医療」から「地域完結型医療」へ
(3) 健康の維持・増進、疾病予防の充実
(4) 医療機能の分化と連携、地域包括ケアシステム構築
でした。この方向は、その後の日本再興戦略や骨…