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どうなる!? 2025年の薬局薬剤師

更新日: 2017年4月13日

薬剤師が知っておくべき2018年度診療報酬・介護報酬ダブル改定vol.4

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薬局、薬剤師を取り巻く状況を予測し、起こる可能性のある問題を提起する連載企画。今回は2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定に対する議論を取り上げます。

(参考)厚生労働省【令和2年度診療報酬改定について】 

財政状況を踏まえた2025年までの見通し

2018年度診療報酬・介護報酬同時改定に向けた議論が始まりました。18年度改定は2025年の地域包括ケアシステム構築に向けた基盤整備の意味合いがあります。25年までの同時改定は18年度と24年度の2回予定されていますが、24年度は基盤整備の総仕上げであり、実質的には18年度改定が大きな意味を持ちます。そこで同時改定に向けて薬局・薬剤師が押さえておくべきポイントを紹介しましょう。

2018年 診療報酬・介護報酬同時改定
2020年 診療報酬改定
2021年 介護報酬改定
2022年 診療報酬改定
2024年 診療報酬・介護報酬同時改定
Point
2018年度診療報酬・介護報酬同時改定では、2025年の地域包括ケアの根幹をなす改定が行われる。

トランプの金利引き上げ圧力が診療報酬に影響!?

まずは財政状況です。昨年暮れに麻生財務大臣と塩崎厚労大臣の折衝で17年度の社会保障関係費の伸びについて自然増6,400億円から1,400億円程度を削減し、5,000億円程度に収めることで合意しました。

これを実現するために70歳以上の高額療養費制度の見直し、後期高齢者の保険料軽減特例の見直し、高額薬剤(がん治療薬「オプジーボ」)の薬価引き下げ、介護納付金の総報酬割の導入などが盛り込まれました。このほか、19年度からは薬価の毎年改定も予定されています。

一方、17年度の一般会計予算は97兆4500億円ですが、そのうち歳入の35%を国債発行に依存している状況です。これらの累積国債残高は17年度で約865兆円と見込まれています。歳出面では社会保障費が32兆5000億円で全体の33%を占め、これに地方交付税、国債費 (債務償還費、利払い費)を合わせると70%を超えてしまいます。

懸念材料は米国・トランプ大統領の金利引き上げ圧力です。日本は低金利政策によって国債の利払い費が9兆円程度(17年度見込み)に収まっていますが、金利上昇によって一気に膨れ上がる可能性があり、歳出面に大きな狂いが生じかねません。

診療報酬や介護報酬は公的資金が原資ですから財政状況に大きく影響されます。本来のあるべき論以前に財政の壁が立ちはだかることを念頭に置く必要があります。

Point
17年度の社会保障関係費は1,400億円の削減。今後「70歳以上の高額療養費制度の見直し」「高額薬剤(がん治療薬「オプジーボ」)の薬価引き下げ」などが行われる予定だ。さらに米国・トランプ大統領の金利引き上げ圧力があり、財政状況の先行きは読みづらい。

4月からの新制度で薬局経営も可能に!?

上記のような状況を踏まえて、18年度改定を含む今後の見通しについて考えてみましょう。地域医療構想を達成するための「地域医療連携推進法人」制度が今年4月からスタートします。

医療機関相互の機能の分担及び業務の連携を推進し、地域医療構想を達成するための選択肢として創設されるものです。複数の医療法人とその他の非営利法人の参加で一般社団法人を創設できるようになります。

これによって、参加法人内で病床移動が容易になり、急性期から回復期に機能転換を図るなど、M&Aをしなくても過剰病床を適正化できます。また、参加法人内で資金の貸し借りや共同研修ができるなど主として医療機関の経営面でメリットが大きいとされています。

見逃がせないのは「関連事業を行う株式会社(医薬品の共同購入等)を保有できる」と明記されていることです。「共同購入等」の「等」は幅広い事業ができることを意味しており、場合によっては薬局経営も可能になります。

地域包括ケアシステムの中心的役割を果たすのは「地域包括支援センター」ですが、この法人が支援センターを作り、事業の一環として薬局を設立して薬剤部門の業務を任せることも十分考えられます。すでに4月からはいくつかの地域医療連携推進法人が登場する見込みであり、薬局はこの動向を注視する必要があります。

Point
「地域医療連携推進法人」制度が今年4月からスタート。これにより、病床移動が容易になるなど経営面に大きなメリットがうまれます。場合によっては「地域包括支援センター」が事業の一環として薬局経営をする可能性もある。

「かかりつけ医」以外受診の定額負担は見送り?

もう一つの注目点は「かかりつけ医」推進です。すでに大病院(特定機能病院、地域医療支援病院)には外来定額負担が導入されていますが、「かかりつけ医」以外を受診した際の定額負担導入の構想です。これについては、診療報酬の基本方針を協議する社会保障審議会の医療保険部会で反対が相次いだため、見送られる公算が強くなっています。「かかりつけ医の定義があいまい」などの理由によるものです。

しかし、外来の機能分化を進めるために、かかりつけ医の普及を促進することは極めて重要、との見解では一致しており、今後かかりつけ医の普及促進に関して、どのような議論が進むのかが注目されます。

関連記事:「かかりつけ医の普及と定着、日医の最大課題」、横倉会長

Point
「かかりつけ医」以外を受診したときの定額負担導入は、今回は見送られる見込みだが、将来的には普及させる方向で議論が進んでいる。今後、いかに「かかりつけ医」を普及させるかが課題。

電子お薬手帳が重要ツールに!

2018年度同時改定で、薬局に関係する重要な課題が医療のIT化です。地域包括ケアシステムでは患者情報や診療情報の共有化がポイントとなります。どのような情報を多職種で共有するか、その手法をどうするか等々が議論になりますが、薬局に関しては電子お薬手帳が重要なツールになりそうです。

電子お薬手帳は徐々に広がりを見せていますが、紙媒体だけを活用している薬局でも今から導入の準備をする必要がありそうです。

ほかに焦点となりそうな項目では「スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率の在り方」がテーマに上がっています。要はスイッチ化された成分の処方については保険で面倒を見る仕組みを改めようとするものです。財務省では財政状況からいずれは医薬品を保険償還から除外する(全額自己負担)ことも視野に入れているとされており、注視する必要があります。

調剤報酬に関しては「調剤基本料」「調剤料」「薬学管理料」「在宅関連点数」が改変される可能性がありますが、これについては、概要が明らかになり次第触れることにします。

Point
紙媒体のお薬手帳がIT化により電子になることは確実。さらにスイッチOTC化された薬は保険から除外される可能性もある。将来的には、医薬品を全額自己負担とする計画もあり、注視が必要。

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藤田 道男
ふじた みちお

中央大学法学部卒。医薬関係の出版社、(株)じほう編集局に勤務し、各種媒体の編集長を歴任。退職後フリーの医薬ジャーナリストとして取材・執筆、講演活動を行う。
2010年、薬局薬剤師の教育研修のために一般社団法人「次世代薬局研究会2025」を立ち上げ、代表を務める。
主な著書は『2025年の薬局・薬剤師 未来を拓く20の提言』『かかりつけ薬局50選』『残る薬剤師 消える薬剤師』など多数。
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