ミヤBM、ラックビー、ビオスリー、ビオフェルミン…小児用整腸剤5種味見
小児科の処方箋の場合、処方薬からおおよその症状を推測し、調剤している薬剤師の方が多いと思います。子どもは小さいので、咳や熱の症状だけでも辛そうですが、整腸剤に吐き止めの坐薬が一緒に処方になっていると「胃腸炎かな?待っている間にぐったりしないかな?」と、つい待合で待っている患者さんの様子を確認してしまいます。
そんな小児の整腸剤、色々な種類が販売されているけれど、それぞれどんな味がするのでしょうか?子どもたちが嫌がらず飲める味なのでしょうか?
今回は、小児に処方する機会が多い整腸剤5種を、味見してみます。味見を行うのは、以下の粉の整腸剤4種類と、OD錠1種類の合計5種類です。
味見をする小児用整腸剤
- ビオフェルミン配合散
- ビオスリー配合散
- ビオスリー配合OD錠
- ラックビー微粒N
- ミヤBM細粒
保険薬局で勤務している薬剤師さんなら、どれも手に取ったことがある製品ではないでしょうか?
小児の処方で散剤を分包した際には、どれも白い細粒だな、という印象くらいにしかない整腸剤たち。
果たして、各製品で味に違いはあるのでしょうか?
それでは味見をしていきましょう。
ビオフェルミン配合散
整腸剤といえば、市販薬も販売されているビオフェルミンを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?今回味見を行うのは、ビオフェルミン配合散です。
似たような製品で、ビオフェルミン散剤があります。ビオフェルミン配合散はラクトミンと糖化菌配合されている配合剤であり、ビオフェルミン散剤は、ビフィズス菌単独の製剤です。この2つは全く別の製品なので注意が必要です。
甘味:★★★★☆4
苦味:★★★★☆4
後味:★★★★☆4
味見をして1番最初に感じたのは、粉がほんのりと暖かかったことです(詳細は後ほど)。粉の粒子が非常に細かく口当たりが良く感じました。味はやや甘く、後味は苦くないので小児でも飲みやすいと思います。
ビオスリー配合散
ビオスリーといえば、3種類の菌を含むためその名前に“スリー”という単語が含まれている製品です。糖化菌(好気性菌)、乳酸菌(通性嫌気性菌)、酪酸菌(偏性嫌気性菌) という酸素感受性の異なる三種の活性菌を含有し、小腸から大腸まで作用するのが特徴の1つです。
甘味:★★★★☆4
苦味:★★★★☆4
後味:★★★★★5
ビオスリー配合散もほんのり暖かい服用感で、口当たりがなめらかです。味は最初から後味まで、やや甘く美味しいなと感じました。今回、味見を行った4種類の散剤の中では1番美味しいと感じました。
ビオスリー配合OD錠
ビオスリー配合OD錠は、なんと言っても整腸剤のOD錠というのが非常に珍しいですね。また、通常の製品は普通錠とOD錠がある場合には、OD錠の方が錠剤の大きさが大きいことが一般的ですが、ビオスリーに関しては、OD錠の方が小さいというのが個人的な注目ポイントだと思っています。
甘味:★★★☆☆3
苦味:★★★★☆4
後味:★★★☆☆3
唾液で溶け切るまで約4秒と非常に溶解速度の速いOD錠でした。
ビオスリー配合散と比べると甘みは少なく、ざらっと粉っぽい服用感があります。
後味に苦味はないものの、甘味が控えめなので星3つにしてみました。
錠剤が苦手なお子さんでも服用しやすいお薬だと思います。
ラックビー微粒N
ラックビーと言えば、粉の箱(分包品)が大きい印象ですね。
筆者が勤務している薬局では、処方頻度はそれほど高くないため、1g×1008包の箱単位では購入せず、多く使用している系列店舗から必要に応じて分けてもらっています。(ビオフェルミンは1g×120包、ミヤBMとビオスリーは1g×630包が分包品の最小包装です)
甘味:★★★☆☆3
苦味:★★★★☆4
後味:★★★★☆4
ビオフェルミン同様に服用した時に暖かい感じを受けました。粒子が細かく、服用感はビオフェルミンと非常に似ています。味は最初に、甘みが少ないかな?と感じたのですが、水を飲まずにそのまま味わっていくうちに、段々と甘みを感じるようになりました。また味ではないのですが、少し香ばしい風味がしました。
ミヤBM細粒
ミヤBMといえばミヤリサン製薬ですが、東京駅から東北新幹線に乗って上野駅を出発すると、左側にミヤリサン製薬の看板が見えてくるのを思い出します。
ミヤBMは、芽胞形成菌であるため、抗菌薬の有無に関係なく使用できるので、処方しやすいという医師も多いそうです。