腎機能障害患者が急性前立腺炎に!レボフロキサシンをどう使う?
[目次]
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腎機能障害患者への抗菌薬投与設計に迷うことはありませんか?本記事ではPK/PDに基づき、時間依存性と濃度依存性の薬剤ごとに最適な投与計画と、治療効果を最大化する鉄則である「初回投与量は減量しない」理由も詳述します。
本日の患者背景:レボフロキサシン感性の大腸菌による急性前立腺炎を発症した高齢男性
85歳男性。糖尿病性腎症がありクレアチニンクリアランスが15ml/minと低下していた。
レボフロキサシン感性の大腸菌による急性前立腺炎を発症し、レボフロキサシン内服で治療することになった。
クイズ:どの抗菌薬を処方するのが正しい?
本日の患者さんに処方する抗菌薬として適切なものを、①~③から選んでください。
- レボフロキサシン 500mg 1日1回 24時間毎に内服
- レボフロキサシン 250mg 1日1回 48時間毎に内服
- レボフロキサシン 500mg 1回内服後2回目以降250mgを1日1回 48時間毎に内服
山口医師解説!急性前立腺炎の高齢患者になぜこの抗菌薬が処方された?
正解:
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ポイント①腎機能障害がもたらすPK(薬物動態)の変動1)
腎機能が低下すると、薬物の吸収・分布・代謝・排泄のうち、特に分布と排泄に影響を及ぼします。
- 腎クリアランスの低下:腎排泄型の抗菌薬では、腎クリアランスの低下が総クリアランスの減少に直結し、血中半減期が延長します。
- 分布容積とタンパク結合率の変化:腎機能障害では、体液貯留によって分布容積が増大することがあります。また、尿毒症性物質の蓄積や低アルブミン血症を合併によって、薬物のタンパク結合率が低下し、薬理活性を示す非結合型の薬物濃度が上昇します。
このようなPK(薬物動態)パラメータの変化を考慮せずに通常量の抗菌薬を投与すると、特に非結合型薬物の血中濃度が過度に上昇し、有害事象の発現リスクが増大します。