『まとめ抗菌薬』の山口浩樹医師が解説!わかりやすい!抗菌薬の処方意図

更新日: 2025年12月18日 山口浩樹

日本ではマクロライド耐性50%!? マイコプラズマ肺炎治療薬の最適解

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市中肺炎の主要な原因菌であるマイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)に対し、第一選択薬としてマクロライド系抗菌薬が使用されてきました。近年、耐性菌の蔓延に伴い「ドキシサイクリン(テトラサイクリン系抗菌薬)」の重要性が増しています。

本記事では、最新の疫学データと抗菌薬適正使用の観点から、ドキシサイクリンが推奨される背景を解説します。

本日の患者背景:感冒と診察された後も解熱せず、マイコプラズマ・ニューモニアと診断された男性

22歳男性。来院7日前から発熱と乾性咳嗽があり、近医で感冒として対症療法で加療された。その後も38度台の発熱と乾性咳嗽が増悪したため、来院3日前に再診し細菌性肺炎の可能性を考慮され、「アジスロマイシン内服」で加療された。

アジスロマイシンで加療後も、解熱しないため当院へ紹介された。当院来院時38.2度の発熱はあるがSpO2の低下や頻呼吸は認めない。胸部聴診上明らかなcracklesは聴取されないが、胸部X線とCT検査で右下肺野にスリガラス影と浸潤影の混在を認める。

喀痰グラム染色では多数の好中球を認めるが、明らかな細菌を認めない。咽頭ぬぐい液検体を用いたM. pneumoniae(マイコプラズマ肺炎)のPCR検査が陽性と判明した。

クイズ:「マイコプラズマ肺炎」と診断された患者にどの抗菌薬を処方するのが正しい?

本日の患者さんに処方する抗菌薬として適正使用の観点をふまえ選択すべき適切な薬剤を、①~③から選んでください。

  • セフトリアキソン点滴
  • レボフロキサシン内服
  • ドキシサイクリン内服

山口医師が処方意図を解説! マクロライド耐性マイコプラズマ肺炎になぜこの抗菌薬が処方された?

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山口浩樹
やまくちひろき

医師16年目。日本感染症学会専門医・指導医。鹿児島生協病院勤務。 フォロワー数2.1万人のXアカウント「新米ID」(@black_kghp)で感染症診療や研修医教育に関するまとめ情報を発信。著者『まとめ抗菌薬 表とリストで一覧・比較できる、特徴と使い方』(羊土社)がある。

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