マクロライド長期投与の「やめどき」は?漫然投与を防ぐ中止・終了目安一覧
- クラリスロマイシン(クラリス等)
- エリスロマイシン
薬剤師コラム編集部に寄稿している薬剤師ライターから「抗菌薬に関する疑問」が多数、寄せられました。調剤の現場で判断に迷う事例を、山口浩樹医師に回答いただきます。
今回のテーマは「マクロライド系抗菌薬の『やめどき』」です。
<本日の質問>マクロライド系抗菌薬の少量長期投与における「やめどき」を教えてください。
「クラリスロマイシン」などのマクロライド系抗菌薬の少量長期投与(耳鼻咽喉科領域など)において、耐性菌発現のリスクを薬剤師としても懸念しています。
治療の有効性と耐性化リスクのバランスをどのように評価されているか、また、漫然投与を防ぐための「終了の目安(やめどき)」について医師の先生はどのように考えていらっしゃるか教えていただきたいです。
山口浩樹医師の回答&解説「薬剤師の先生方は、有効性や副作用を継続的に評価して、医師へ提案するなど積極的な介入を」
マクロライドの少量長期投与は、直接的な抗菌作用を期待して行われるわけではありません。
炎症性サイトカインの産生抑制・好中球の遊走抑制・バイオフィルム形成阻害といった「免疫調整作用」や気道粘液の分泌抑制を目的として、主に以下の疾患に対して行われます1)。
マクロライドが少量長期投与される主な対象疾患
1) びまん性汎細気管支炎(DPB)2):予後改善効果が確立されており、マクロライドの少量長期投与が第一選択の治療です。気管支拡張症、COPD、気管支喘息:標準治療を十分に行っても、頻回に急性増悪を繰り返す難治例に考慮されます1)。
2) 慢性副鼻腔炎(CRS):標準治療で改善に乏しく、好中球性(非Type2)炎症が主体と考えられる場合に考慮されます3)。一方で、以下の理由から漫然と長期投与をおこなうことは避ける必要があります。