第2回 夏の天敵!日焼け止めの正しい選び方
暑い日が続いていますね。ドラッグストアでは目立つ場所に日焼け止めが置かれています。皆さんは紫外線対策行っていますか?
紫外線を気にする方であれば日焼け止めを毎日使用する方多いと思いますが、どのような商品を選んでいますか?日焼け止めは適切なものを選ばないと肌荒れの原因になることがあります。
今回は、お客様から相談された際に少し役立つ「日焼け止めの正しい選び方」についてご紹介します。
日焼け止めの基礎知識
日焼け止めはサンスクリーン剤ともいわれます。その名の通り、紫外線から肌を防御することを目的に作られ、紫外線防御の強さはSPFやPAで表示されています。SPFは「UVBの防御効果」、PAは「UVAの防御効果」を表しています。
SPFは「SPF50+」が最高値で、数値が大きくなるほどUVBの防止効果は高くなります。PAは「PA+~PA++++」 の4段階で表示され、+が多いほどUVAの防止効果は高くなります。また、紫外線を防御するために配合される成分は「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。
紫外線吸収剤は吸収した紫外線を熱などのエネルギーに変換して放出するという化学的な仕組みにより、紫外線から肌を守っています。一方、紫外線散乱は散乱剤成分で物理的に肌を覆うことにより、紫外線を肌の表面で反射・散乱させ紫外線から肌を守っています。
紫外線吸収剤は化学反応を起こすことで紫外線から肌を守るため、放出した熱や、化学反応によって肌に刺激を与える可能性があります。そのため化学反応が関与しない紫外線散乱剤の方が安全性が高いと考えられています。紫外線吸収剤が無配合の日焼け止めは「ノンケミカル」と呼ばれています。
日焼け止めの選び方
「日焼け止めは数値の高いものを」と考える方が多いのですが、日焼け止めはご自身の生活に合わせて使うことが大切です。SPFの数値が高い日焼け止めは紫外線吸収剤が配合されていることが多く、肌への負担が大きくなりやすいです。そのため、必要以上のSPFは肌荒れを引き起こすリスクが高まるため適切なSPFを選ぶことをおすすめします。
適切なSPFの具体例を示すと、
- ・日常の買い物や通勤がメインの方はSPF15、PA ++程度
- ・外にいる時間が長い方はSPF30、PA+++程度
- ・海水浴やプールに行くときはSPF50+、PA++++程度
を目安に選ぶと良いでしょう。
日焼け止めは塗り方も大切!
日焼け止めは、一度塗れば一日中効果を発揮するものではありません。どんな日焼け止めでも汗や摩擦などによって落ちてしまうため、2〜3時間くらいを目安にこまめに塗り直すことが必要です。また、効果を発揮するためには塗る量も大切です。
「SPF」や「PA」の値は「日焼け止めを1㎠あたり2mgまたは、液体の場合2µl」を塗って調べた結果です。この量は顔の場合0.8g程度(500円玉大)の日焼け止めを1回で使用するということです。しかし、消費者が実際に塗っている量を調べると、1㎠当たり1.3mg程度しか塗っていないといわれています。当然ながら、塗る量が少なければ期待する効果が得られません。日焼け止め止めを塗る場合は適切な量を塗ること、こまめに塗り直すことを心がけましょう。
最後に
日焼け止め効果を高める方法として、化粧品の重ね付けがあります。日焼け止めを塗った後、パウダーファンデーションやフェイスパウダー、ボディーパウダーを重ねて付けることで日焼け止めが崩れにくくなります。SPFやPAの数値がそのまま足し算されるわけではありませんが、パウダー類を重ねることで防御効果が高まり、日焼け止め効果を持続させることが出来るため重ね塗りが推奨されています。
また、パウダーファンデーションやフェイスパウダー、ボディーパウダーはSPF、PA表示がなくても日焼け止め効果を期待できるものがあります。この理由はパウダーファンデーションやフェイスパウダーは「酸化チタン」「タルク」「酸化亜鉛」といった紫外線散乱剤成分が使用されている場合が多いからです。これらの成分が全成分表示の上位に記載されている場合は日焼け止め効果がある程度期待出来るので覚えておくと良いでしょう。