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更新日: 2017年9月7日 薬剤師コラム編集部

第3回 肌質別基礎化粧品の選び方

第3回 肌質別基礎化粧品の選び方の画像

基礎化粧品を選ぶ際、何を基準に選んでいますか?基礎化粧品は乾燥肌、脂性肌など肌質に合わせて開発されていますが、選び方を間違えると逆に肌荒れを引き起こしてしまうことがあります。今回はそうならないためにも「肌質別基礎化粧品の選び方」についてご紹介します。

4種類の肌質とは

肌質とは、乾燥や脂っぽいといった肌の傾向です。お肌の水分量と皮脂の割合で肌質が分類され、大きく分けると「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」「普通肌」の4種類があります。

  • 乾燥肌…肌の水分量と皮脂量が少ない肌のことで、肌がカサカサしたり、粉がふいている肌を指します。
  • 脂性肌…肌の水分量と皮脂量が多い肌のことで、ベタつきやテカリが出やすい肌を指します。
  • 普通肌…肌の水分量と皮脂量のバランスが良い肌のことで、肌トラブルの少ない理想的な肌を指します。
  • 混合肌…顔の一部は脂っぽく、その他は乾燥しているような顔の部分によって肌質が違う肌を指します。

他にもメーカーによって「敏感肌」「超乾燥肌」「アトピー肌」等と表現されることもあります。特に敏感肌は肌に刺激を感じやすくなっている肌のことを指しますが、どの肌質でも起こる肌の状態としてイメージすると分かりやすいと思います。

肌質別基礎化粧品の選び方

では、肌質別にどのような基礎化粧品がおすすめかご紹介します。


乾燥肌…乾燥肌は水分量と皮脂量が少ないため、これらを基礎化粧品で補う必要があります。

 水分を与えるだけではなく水分を保持できるような成分が配合されたものがおすすめです。例えば、「セラミド」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」といった成分が挙げられます。また、乾燥肌の方は刺激を感じやすい敏感肌の状態になっていることが多いです。摩擦は肌を刺激となるため、洗顔を行う際は泡立ちの良い保湿成分配合の洗顔料を選び摩擦を避けるようにすると良いでしょう。他にも、刺激になりやすいアルコールが高配合の基礎化粧品は避けた方が良いでしょう。


脂性肌…脂性肌は皮脂が過剰分泌された状態です。

 テカリやべたつきが気になることから皮脂を取りすぎてしまう傾向がありますが、皮脂を取りすぎることで肌を守るためにより皮脂が分泌されてしまうことがあるので皮脂の取りすぎには注意が必要です。基礎化粧品は「余分な皮脂を取り除きベタつきが少ないもので保湿ケアを行えるもの」を選ぶことが大切です。余分な皮脂を落とす際には、洗顔料を使用した方が良いのですが、「スクラブ配合」のものはおすすめしません。スクラブはさっぱりした洗い心地が得られますが、肌を傷つける可能性があり、脂性肌の方はニキビなどの肌トラブルを起こしやすくなります。保湿ケアにはセラミドなどの保湿成分が配合されているものをおすすめしますが、しっとり感を表すために増粘剤でベタつきを出しているものは向きません。保湿成分が配合されていてもベタつかないものを選ぶと良いでしょう。


普通肌…普通肌は現状維持が出来れば問題のない肌です。

 普通肌は季節によって脂性肌や乾燥肌へ傾くことがあるため、夏は紫外線対策をしっかり行い乾燥や肌トラブルを避ける、乾燥しやすい時期は保湿を意識した基礎化粧品を選ぶ等その時のコンディションに合わせて、肌状態が悪化しないよう基礎化粧品を選ぶと良いでしょう。


混合肌…混合肌は皮脂が気になる部分と乾燥する部分が混合している状態です。

 乾燥した部分に保湿が必要なのは分かりやすいのですが、20代以上の方の皮脂の出すぎは肌の水分不足が原因で引き起こされている場合が多いです。そのため、混合肌の場合でも保湿が重要です。肌のバリア機能の回復に役立つセラミド配合の化粧水や美容液を顔全体に使用し、油分の多い乳液やクリームは乾燥する部分と皮脂が気になる部分で使用量を変えましょう。
 もしくは皮脂が気になる部分は脂性肌用のクリーム、乾燥する部分は乾燥肌用のクリームと使い分けても良いと思います。


 以上のようにどの肌質でも保湿することが大切ですが、使用する基礎化粧品により使用感が異なります。

 選ぶ際は「さっぱり」「しっとり」という文言は一つの目安として使用し、実際にどのような保湿成分が配合されているか、過去に肌荒れを起こした成分が配合されていないかなど成分にも注目しましょう。特に脂性肌や混合肌の方は皮脂の取りすぎに注意し、乾燥肌の方は肌に刺激を与えるものを避けるようにしましょう。また、肌の状態は変化しますので、肌の状態によって基礎化粧品を使い分けていく必要があるのも覚えておきましょう。

プロフィール
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花田 真理(はなだ まり)

化粧品会社の総括販売責任者・商品開発、医薬品関連会社の管理薬剤師経験を持つ美容に特化した薬剤師。
結婚を機に独立し医師薬剤師共同開発ブランドを立ち上げ、自身のブランドとして「MarryMemory」、「Doctor&Pharma」を持つ。現在化粧品開発以外に雑誌・WEB等のコラム執筆や美容記事監修を多数務める他、薬剤師等の医療系専門職を集めた団体「MedyUpLife」の代表を務めている。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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