第4回 乾燥肌はなぜ起こる?乾燥の原因と対策

10月に入り肌寒く感じる日が増えてきましたね。秋は肌の乾燥を感じ始める方が増える時期です。乾燥する冬に向けて乾燥対策を行いたいと考える方も多いのではないでしょうか。今回は乾燥肌の対策として、乾燥の原因と対策についてご説明します。
肌が乾燥する原因
肌が乾燥に至る大きな原因として挙げられるのが「バリア機能の低下」です。バリア機能とは外部刺激から肌を守ったり、肌の潤いを蓄える働きのことをいい、肌表面にある0.02mm程度の薄い角質層がこの役割を果たしています。肌が乾燥する主な原因は、このバリア機能が低下してしまうことにあります。
バリア機能が低下する原因
バリア機能の低下を防ぐためには、バリア機能が低下する原因を知る必要があるでしょう。原因はいくつかありますが、例えば下記のような事柄が原因に挙げられます。
- 紫外線
- 空気の乾燥
- 間違ったお手入れ
- 生活習慣の乱れ
- 加齢
原因別対策方法
上で示したように原因はいくつか挙げられます。これらの原因を防ぐことが乾燥肌対策に繋がるため、対策方法を知っておくと良いでしょう。
紫外線
紫外線を浴びると肌内部で活性酸素が発生します。この活性酸素が細胞にダメージを与えるため、肌のバリア機能の低下に繋がり乾燥を引き起こします。そのため、季節を問わずしっかり紫外線対策を行うことが大切です。冬は夏に比べると紫外線量が減りますが紫外線が降り注いでいることを忘れないようにしましょう。
空気の乾燥
空気の乾燥は季節やエアコンの使用が関係しています。冬は夏より湿度が低く肌の水分が蒸発しやすい傾向にありますし、暖房を使用することで室内の温度が上がり湿度が下がります。これらの理由により空気の乾燥が起こり、肌のバリア機能も低下しやすくなります。そのため、空気の乾燥が起こらないように加湿器を利用して湿度を50%前後に保つと良いでしょう。
間違ったお手入れ
クレンジングや洗顔時など、擦りすぎや洗い過ぎは肌のバリア機能の低下に繋がります。クレンジングや洗顔時、入浴の際のお湯が高温(大体42度以上)の場合も肌から必要な脂質を奪うため、バリア機能の低下に繋がります。クレンジングや洗顔を行う場合はメイクの濃さに合った洗浄力のものを選ぶようにし、ぬるま湯(32度程度)を使用しましょう。入入浴の際のお湯の温度は38~40℃程度にしましょう。また、タオルで顔や身体をふくときはやさしく、肌についた水分を吸い取るように扱うことが大切です。
生活習慣の乱れ
睡眠不足、喫煙、不規則な食事や過度なダイエットは、肌にも悪影響を及ぼします。睡眠不足は肌のターンオーバーの乱れを引き起こし、喫煙は肌に必要なビタミンの破壊や活性酸素を発生させ細胞にダメージを与えます。不規則な食事や過度なダイエットは栄養バランスの乱れを引き起こし、肌へ十分な栄養が運べなくなったり、ターンオーバーの乱れを引き起こします。そのため、睡眠は6時間以上とることを心がけ、喫煙は控える、栄養バランスの摂れた食事を3食摂るようにすることが大切です。必要に合わせてサプリメントを利用するのも良いでしょう。
加齢
年を取るにつれ、肌の水分量、細胞間脂質(セラミドなど)、天然保湿因子(NMF)は減少していく傾向にあります。個人差があるため、年齢だけでは判断出来ない部分もありますが、加齢により乾燥が起こりやすくなるのは致し方ないでしょう。そのため、セラミドやヒアルロン酸など不足しがちな保湿成分をスキンケアで補うことも良いでしょう。スキンケアは1度行えば良いというものではなく、日頃から継続的に行うことが大切です。
以上のように乾燥を引き起こす原因はいくつかあります。ご自身の生活や乾燥に悩む患者さんの生活スタイルから原因を見つけることで乾燥肌を避けることに繋がるでしょう。
ひとつひとつは細かいことですが積み重ねていくことが大切です。