ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査

更新日: 2020年7月13日 薬剤師コラム編集部

「困った!」糖尿病患者への服薬指導

ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査のメイン画像

調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。

関連記事
【ファーマスタイル】専門医+エキスパートに聞くよりよい服薬指導のための基礎知識
糖尿病患者の服薬指導

糖尿病患者への服薬指導についてm3薬剤師会員にアンケートを実施したところ、4割以上の薬剤師が「困った経験がある」と回答しました。具体的には、「薬物療法だけで改善できると勘違いしている患者さん」や、「インスリンの手技を習得できない高齢患者さん」、「患者の自覚症状が乏しいため、薬物治療の意欲がない患者さん」への対応が挙げられました。また、「薬剤師としてアドバイスができるようシックデイについて取り上げてほしい」といった意見や、「糖尿病におけるアドヒアランス向上について知りたい」など、糖尿病に関する記事のトピックについてもさまざまなリクエストが届きました。

糖尿病患者への服薬指導で「困った経験」はありますか?

糖尿病患者への服薬指導で「困った経験」はありますか?の画像
「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像1

ベン:
半数近くの薬剤師が服薬指導において困った経験があるという結果になったよ。

具体的にその事例を教えてください。どのようなシーンでどのような質問・依頼に困ったな、と感じましたか?

シックデイ対策

  • インスリンのシックデイ対策。主治医が休みだとどうにもならない。あと、患者さんのモチベーションの保ち方。
  • 低血糖の対処、シックデイの対処に対する医師の支持が不明確なとき。

患者からの情報共有

  • 検査値などの情報を薬剤師側に教えてくれず、状態の把握が困難な患者。
  • 薬も飲んでいるし、食事も気を付けて運動もしているのに検査値が全然下がらない。どうすればいいのか、と言われたとき、答えられなかった。

インスリン注射の手技

  • 高齢でインスリンの手技が習得できない。
  • インスリン注射時の針の交換を毎回していない。指導しても今までそれでいけているから代えなくてもいい、針代金もったいないと言われて、毎回の交換を拒否される。

自覚症状・モチベーション

  • 患者の自覚症状が乏しいため、薬物治療の意欲がないので治療の継続の必要性を自覚してもらえない。
  • 病気に対する理解が乏しい。薬を飲んで、数値が安定していると治ったと思いこんでいる。
  • 本人に改善したいというモチベーションがない。数値が少し改善すると、以前と同じ習慣に戻ってしまう。

食事・生活の管理

  • 糖尿病の治療の基礎は薬ではなく食事・運動であると何度話しても「薬を飲めば下がるからいいんだよ!」と答える方が多い。
  • インスリンを使用している患者さんにおいて、体調変化に伴い食事量が減り、血糖値も下がってきている状態でした。処方医は糖尿病専門医でないため、具体的な指示は何も出てない状態で、薬剤師として低血糖への注意指示しか行えなかった。もう少し積極的な治療アプローチをしたいと思いました。
  • 薬物治療は継続できても、そもそもの生活・食事改善ができない。
「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像2

ゼン:
患者の自覚症状が薄いとき、薬剤師としてはどのような服薬指導をしたらいいんだろう?

糖尿病患者へよりよい服薬指導を行うため、薬剤師に何が必要だと考えますか?

糖尿病患者へよりよい服薬指導を行うため、薬剤師に何が必要だと考えますか?の画像
「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像3

カン:
糖尿病という病全般の知識とともに、血糖コントロールと食事療法に関する知識が必要と考えているようね。糖尿病は合併症も怖いから、その危機感を患者さんへ持ってもらう努力も必要ね。

シリーズ「糖尿病の豆知識」ではさまざまな角度から「薬剤師として糖尿病患者にできること」をお伝えしています。取り上げてほしいテーマなどがあればぜひお聞かせください。

  • 「シックデイ」について取り上げて欲しい。糖尿病患者さんが他の病気になった時に薬剤師としてアドバイスがしてあげられたら良いと思う。
  • インスリン使用患者の心理面。薬に頼る患者の食事指導。乱暴な患者(いうことを全く聞かない患者)の指導方法。
  • 患者が医療者から言われて何を一番あきらめていくのか、どんな言葉をかけてしまうのがいけないのかNGワードが知りたい。
  • 糖尿病の治療の歴史
  • 糖尿病がたどる経過や、アドヒアランスに及ぼす精神的要素に関する研究などをお伝えいただき、成功事例を上げていただきたいと思います。
  • 糖尿病患者とコロナウイルス感染のリスクについて知りたい
  • ソモジー効果と暁現象。それぞれの対応の仕方
  • 炭水化物の摂取量が先生により異なる場合があるが基準量は?

まとめ
「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像4

ベン:
血糖コントロールは、なかなか成果が出ないと患者さんとしては心が折れてしまう場合もあるよね。

「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像5

ゼン:
そんな時は薬剤師の出番だぜ!薬だけじゃなくて食事制限や生活改善もしていかなくちゃならないから、患者さんとしては心の拠り所が欲しいもん。

「困った!」糖尿病患者への服薬指導の画像6

カン:
そうよね。糖尿病患者さんへ薬剤師ができることって一緒に治療の経過を共にするトレーナーのような役割かもしれないわね。

ベンゼン三兄弟の画像

ベンゼン三兄弟

ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪

ベン画像

《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。

ゼンの画像

《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。

カンの画像

《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。

スタンプ購入はこちら
ベンゼン三兄弟のLINEスタンプ販売中の画像

ベンゼン三兄弟のLINEスタンプ販売中

ベンゼン三兄弟のLINEスタンプ販売中

スタンプ購入はこちら

すべてのコラムを読むにはm3.com に会員登録(無料)が必要です

こちらもおすすめ

薬剤師コラム編集部の画像

薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
m3.com薬剤師会員への意識調査まとめや、日本・世界で活躍する薬剤師へのインタビュー、地域医療に取り組む医療機関紹介など、薬剤師の仕事やキャリアに役立つ情報をお届けしています。

キーワード一覧

ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査

この記事の関連記事

この記事に関連するクイズ

アクセス数ランキング

新着一覧

26万人以上の薬剤師が登録する日本最大級の医療従事者専用サイト。会員登録は【無料】です。

薬剤師がm3.comに登録するメリットの画像

m3.com会員としてログインする

m3.comすべてのサービス・機能をご利用いただくには、m3.com会員登録が必要です。

注目のキーワード

キャリア 医薬品情報・DI 調剤報酬改定 服薬指導 疑義照会 業界動向 医薬品不足 ライフ・雑学 年収・待遇 薬剤師に聞きました