脳梗塞患者への服薬指導

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ハイリスク薬の記載方法
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
脳梗塞の患者さんへの服薬指導において「困った経験」があると回答した薬剤師は33%にのぼりました。具体的な事例として、言語障害を伴う意思疎通の難しさや身体的な麻痺による服薬の困難さが挙げられました。また、脳梗塞患者へ「より良い服薬指導を提供するために、どのような情報が必要か?」という問いに対しては「リハビリについて」という意見が66%と最も多く、続いて「治療法について」が63%、「再発防止の生活習慣について」が61%と続きました。
Q: 脳こうそくの患者さんへの服薬指導、在宅訪問で「困った経験」はありますか?


ベン:
約3分の1の薬剤師が「困った経験」があるとの回答を寄せてくれたよ。どんなことに困っているんだろう?
Q:どのようなシーンでどのような対応に困ったと感じましたか?
患者さんとコミュニケーションを取りづらい
- 失語症により意思の疎通が困難な場合がある。精神的な不安症状が強く出る症例があり、服薬アドヒアランスがよくない場合がある。
- 言語野に障害があり、運動機能も麻痺しかけているので、話す・書くができなくて、聞きたい事が聞けない。伝えたいことが伝わったかわからない状態になっている。こちらの言うことや書くことに対してうなずきのような反応はあるが、実際理解できているか不明。
- 患者様が思うように喋れない上に難聴のため、あまり自分から会話することなく、また聞こうとしてくれない。
- 言葉がすぐに出てこないことが多いので、会話がスムーズにできない。また、何らかの身体的障害が残っているので、調剤に工夫が必要になる。
服薬管理がむずかしい
- 服薬コンプライアンス改善のため一包化をしていたが、起床時、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前と用法が多岐にわたっていたため本人が混乱して正しく服薬できなかった。
- 服薬確認をしてくれる家族がいない患者さんに、コンプライアンス(お薬をこぼしてないか)などを判断できない。薬を飲んだと、言われてもゴミ箱に捨ててあったりしました。
- 本人へは指導できず、介護者に会えない場合(面会に来ない、退院でも迎えに来ないなど)。抗血小板薬or抗凝固薬等のハイリスク薬の注意事項の指導ができず、非常に怖いと思う。