医療事故調査制度、どう思う?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
2015年10月に医療事故調査制度が開始となり、5年が経過しました。そこで医療の質を考える上で必要なこの制度について、m3.com薬剤師会員へアンケートを実施しました。
2015年10月に医療事故調査制度が開始となり、5年が経過しました。当初推定された予想報告件数は、年1300~2000件だったため、5年が経過した2020年9月までの予想報告件数は6500件~10,000件となります。しかし実際の報告件数は1847件でした。そこで医療の質を考える上で必要なこの制度について、m3.com薬剤師会員へアンケートを実施しました。
Q:報告対象となる予期せぬ死亡*があった際、滞りなく機構に報告していますか。
ベン:
50%以上の薬剤師さんが、報告しているんだね。
*予期しない死亡とは、1~3のいずれにも該当しない場合で、患者個人の臨床経過を踏まえ規定しています。
- 予期されていることを説明
- 予期されていることをカルテ等の文書に記載
- 事後の聴取で、当該医療の提供に関わる医療従事者により、予期されていると認めたもの
Q:医療事故調査制度により、医療安全へのご自身の意識は高まったと思いますか。
ゼン:
変わらない、分からないという意見が多く、制度の理解が必要不可欠だぜ。
同様のアンケートを実施した医師、歯科医師の回答と比較すると、「高まった」の回答は薬剤師が一番多く、この問題についての関心の高さがうかがえます。
Q:医療事故調査・支援センターの権限を強化すべきだと思いますか。
カン:
医療の安全や質を向上するために、いろんな議論をすることが大切なのね。
遺族の会では都道府県別に地域格差があり、明らかな事故の未報告例があると指摘しています。都道府県別のデータでは、人口当たりの報告件数が約4倍となり地域格差が生じているのが現状です。また、大規模病院ほど報告件数が多い傾向にあります。
この事実を踏まえ、医療事故調査・支援センターの権限強化を求める意見があり、制度の基本的な考え方が問われています。
制度は医療者個人の責任を追及するためのものではなく、事故の原因を分析し、医療の安全・質の向上を目的としています。
医療界での調査を実施することで、再発防止策を行うという議論があり、医療事故調査・支援センターの権限強化には否定的な意見があるなか、「権限を強めるべき」とう意見が多く集まりました。
「予期しない死亡」は、残念ながら避けることが難しい現状です。そのため制度によって強制的に調査するのでなく、自ら判断、説明、調査するシステムの構築が必要になるという意見も寄せられていました。
また制度自体を知らなかったという意見もあり、今後の課題が浮き彫りとなる、注目のアンケート結果が得られました。
ベン:
医療事故調査制度について、改めて考えさせられたよ。
ゼン:
いろいろな意見があることが、わかったぜ。
カン:
医療の安全や質を考えるのは、とても大切なことね。
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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