「薬剤師になってよかった・やめたい」と思ったことは?
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調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
- 「薬剤師になってよかった」と思った瞬間はありますか。
- 「ある」とお答えの方、それは、社会人になってから何年目のことでしたか
- 「薬剤師になってよかった」と思った時のエピソードについて教えてください。
- 「薬剤師を辞めたい」と思ったことはありますか?
- 「ある」とお答えの方、そのように思われたのは何年目でしょうか。
- 実際に「薬剤師を辞めたい」と思うようになった出来事や当時の状況、その時にどのように考えたのか教えてください。
- 薬剤師のお仕事でモチベーションが上がるのはどのようなときですか。(複数選択)
- 薬剤師のお仕事でモチベーションを高めるためにやっていることや、他の方にもおすすめできることがあれば教えてください。
- 薬剤師のお仕事でモチベーションが下がるのはどのような時ですか。(複数選択)
- 薬剤師のお仕事でモチベーションを大きく下げられた出来事を具体的に教えてください。
- まとめ
m3.com薬剤師会員へ「この仕事を選んでよかった、と思った瞬間はありますか」と質問したところ「はい」85%。また社会人何年目になってから思ったのか聞いたところ「3年目以内」20%という結果でした。
反対に「仕事を辞めたいと思ったことはありますか」の質問では、「はい」76%、「3年目以内」18%と回答。どんな瞬間に、「この職業を選んでよかった・やめたい」と思うのかについて、リアルなエピソードが寄せられています。
「薬剤師になってよかった」と思った瞬間はありますか。
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「ある」とお答えの方、それは、社会人になってから何年目のことでしたか
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ベン:
仕事に慣れた時期に感じる瞬間なのかもしれないね。
「薬剤師になってよかった」と思った時のエピソードについて教えてください。
患者さんからの信頼や感謝
- 患者さんから心配事を相談された
- 患者さん、ご家族、他の医療従事者、介護従事者から感謝の言葉をいただいた
- 患者さんに「あなたのアドバイスで元気になった。ありがとう」と言われたとき
- 患者さんにアドバイスをした結果、他のスタッフから感謝されていたと報告を受けたとき
- 患者さん、ご家族、他の医療従事者、介護従事者から感謝の言葉をいただいた
- 患者さんから、かかりつけになって欲しいと言われた
- MR時代は感謝されることが少なかったが、薬局薬剤師になり「ありがとう」と言われることが増えた
- 患者さんが亡くなられた後、家族が薬局に訪れ、「良くしていただいて、ありがとうございます。あなたとは楽しそうに話していました」と言ってもらえた
職場の環境や転職
- 退職後、パートで長く働ける
- 長く務めることができ、張り合いがある
- 育休をしっかりとれ、復帰後の働き方も融通がきく
- 給料が安定している
- 育休後、パートになってからは子育てとの両立がしやすい
- 新入社員でも給料がよいこと
仕事のやりがい
- 仕事の充実感
- 研究できる場面に遭遇できた
- 医療機関の事情や疾患について、一般の方より分かる
- 食事療法や運動療法など、自作の資料を渡し、数か月後に病状が良くなったと検査データを持ってきた
- 薬の副作用であることに気づき、患者さんと医師に感謝された
- 新薬の承認がとれた
- 検査について質問があり、郵送で調べた内容を郵送したら喜ばれた
- 患者さんとの人間関係ができたことで、自覚症状をしっかり処方医師へフィードバックできた
「薬剤師を辞めたい」と思ったことはありますか?
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「ある」とお答えの方、そのように思われたのは何年目でしょうか。
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ゼン:
いろんな悩みがありそうだぜ。
実際に「薬剤師を辞めたい」と思うようになった出来事や当時の状況、その時にどのように考えたのか教えてください。
患者さんや職場での人間関係
- 上司が実力もないのに、威張っていると感じた
- 薬剤師に対して批判的な意見をする患者さんに遭遇したとき
- パワハラやモラハラ
- 理不尽なことを言われた
- チームワークがなく、仕事の押し付けや責任逃ればかりだった
- 上司のやり方や、考え方に不満があった
- 患者さんに禁忌の薬が出て疑義照会していたら病院の返信が遅れ、患者さんに心無い言葉を言われた
職場環境や待遇、ライフスタイルの変化
- 学費に対して、報酬が少なすぎる
- 給料が安く、休みもない
- 拘束時間が長く給料も少ないが、責任だけは非常に大きい
- 残業が多い
- 子育てに専念したくなった
- 勉強した資格職の割に、給料が安い
職務に対するプレッシャー、やりがい
- 脳腫瘍で亡くなっていく同年代の女性を見送ったとき
- ミスをした
- 命を扱う責任感
- 待合室が狭いため上司が調剤や投薬をせかし、書類や監査が終わっていない状態で、勝手にカウンターに患者さんを呼ばれる。服薬指導と監査、調剤録チェックを同時進行しているため、凄く不安になる
- 診療報酬改定のたびに、何のために薬剤師をしているのか疑問に思ったとき
- 雑務が多く、薬剤師としてやるべきことが出来ていないと感じたとき
薬剤師のお仕事でモチベーションが上がるのはどのようなときですか。(複数選択)
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薬剤師のお仕事でモチベーションを高めるためにやっていることや、他の方にもおすすめできることがあれば教えてください。
スキルアップ
- 異業種の方との意見交換
- 研修会の積極的な参加
- 自分の仕事の成果をデータとしてまとめる
- 新しい知見を持って勉強会に出ること
- 努力と工夫で支出と収入のバランスが改善されるように考えること
休みや楽しみも!
- しっかり休みを楽しめるようにする
- ご褒美を準備しておく
- 明日に引きずらない
- 無心になってできるスポーツをする
常にアンテナを張る
- 関係のない分野の話を聞き、他職種の仕事を知る
- 患者さんのために周到な準備をし、前向きな楽観主義で注意深く薬剤師の仕事を楽しむ
- 日常業務のほか、何か自分にできることを毎日模索している
- 誰よりも自己啓発に努める
- 幅広い知識を取得する必要がある
- モチベーションを保つために、いろんなリーダーの生き方や考え方を読書から取り入れる
- 仕事のできる人とだけ会う回数を増やす
患者さんのための行動がやる気アップに!?
- 毎日、服薬指導を振り返る
- チームでお互いの職能をいかし、一人の患者さんをフォローすることができたとき
- 患者さんの話はできるだけ聞くこと
最後の手段???
- 転職先を探す
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カン:
とても参考になる内容ね。
薬剤師のお仕事でモチベーションが下がるのはどのような時ですか。当てはまるものをお選びください。(複数選択)
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薬剤師のお仕事でモチベーションを大きく下げられた出来事を具体的に教えてください。
モチベーションを下げる出来事
- 上司に仕事を評価してもらえない
- 医療安全の対策が受け入れてもらえなかった
- 任されて準備してきた業務内容を開始とともに、ルール無視で運用された
- 自分の行動を棚にあげる上司や後輩
- 理不尽な要求をされたとき
- なかなか仕事を任せてもらえなかった
- 子どもの運動会などでも休めない
- 人を大事にせず、嫌な思いをしながら辞めていく人が続いた
- 育児に対して理解のない発言をされた
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ベン:
「この仕事を選んでよかった」と思う瞬間が増えるといいね。
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ゼン:
悩みやストレスが改善されないのはつらいぜ。
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カン:
モチベーションを高める方法、少しずつ実践してみようかな。
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ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
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《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
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《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。