薬剤師数についてどう考える?
調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。
m3.com薬剤師会員へ、薬剤師数についてうかがったところ、薬局の薬剤師数については「過剰」38%と回答。さらに病院の薬剤師について同様の質問を行ったところ、「不足」と感じている方が多く62%という結果でした。またその他の自由回答では、薬剤師の需要や養成数に関する内容だけでなく、さまざまな多くの意見が寄せられ、今後の薬剤師業界の動向について関心が高いことがわかりました。
Q1:薬局の薬剤師数についてどう考えますか?
ベン:
薬剤師不足に悩んでいるところもあるね。
Q2:病院の薬剤師数についてどう考えますか?
ゼン:
不足している理由が知りたいぜ。
Q3:その他、薬剤師の需要や養成数などについて、お考えをお寄せください。
病院薬剤師の現状
- 病院では入院患者の内服薬剤の管理を看護師にも手伝ってもらうのが現状で、根本的に薬剤師が足らない
- 病棟薬剤業務など、病院薬剤師活躍の場は増えてきていると感じるが、地方の病院ほど薬剤師の確保に四苦八苦している
- 病院薬剤師は医師のタスクシフトで仕事量が増える一方、薬剤師数は増えないことから業務のさらなる逼迫が想定される
- 病棟配置、チーム医療などで人が取られるが、外来調剤、入院調剤をする薬剤師がいない
- 病院薬剤師の待遇向上、地位向上に努める必要あり
- 病院薬剤師はコロナもあり、業務量の割に薬剤師数が足りていないように思われるが、人件費のこともあるため簡単には増やせない
- 優秀な人は企業に流れ傾向にあるため、もっと病院薬剤師の地位と給料を上げるべき
給与・待遇に関する課題
- 病院薬剤師の報酬を、増やすべき
- 地方と都会で過不足の度合いは全く異なるため、一定期間の地方への配属義務やへき地勤務者への補助金など、不足地域への充足を検討してほしい
- 薬局の方が待遇面で優れており、奨学金制度を利用した新卒は薬局への就職が多くなってきている印象
薬剤師資格
- 薬剤師の職域を細分化すべき
- 調剤薬局事業の成長サイクルで言えば現在は、成熟期から衰退期で、本当に強い者だけが生き残る時代になっている。そのため、薬学生にもそういった業界の情報も教えてあげるべきだと思う
- 薬剤師も、さらに医療連携に加われるようにしてほしい
薬剤師の教育制度
- 薬学部人員は国の規制がないので、将来は過剰になるのではないでしょうか
- 5年程の免許更新制を導入し、学校での更新プログラム研修も視野に入れるべきだ
- 医師養成と同様に公的教育機関の充実が望まれる
- いま薬剤師がやっている役割は代替が可能。飲み合わせや重複はオンライン紹介でカバーでき、副作用や状態の確認は本来医師や看護師が時間をとってしっかりやれば薬剤師でなくても良い
- 調剤は自動もしくは教育を受けたパートで良い。世の中も変わってきているので従来の薬剤師教育は必要ない。教育にも国家試験等にも時間とコストがかかりすぎる。ほとんどの一般の方々も薬剤師の必要性を感じていないと思う
- 大学が乱立し過剰になっているため、毎回国試合格率が30%の大学はもう要らないと思う
- 勉強というより倫理観の足りない薬剤師が多い傾向にあると感じる。6年制になったにも関わらず質が上がらないのには理由があるはず
- なりたくても、向いていない人もいると感じるので、適正を見極めての教育も必要ではないでしょうか。実習は実習。大切なカリキュラムだと思ったが、学部卒業後、資格をとってからの実習、研修を徹底的にした方がよいような気がする。薬剤師としての資格をどのように活かすかを選べるのではないか?
薬剤師の卒後教育
- 六年生になっても薬剤師ファーストな自分本位が多すぎる。社会では患者さんか教科書になることがおおい。患者さんにいつも教えられています
- 大手以外には薬剤師は過剰な状態で勤務している。育成の場でもある大手へ新卒薬剤師が入社してレベルアップしてほしい
- 継続してスキルを磨いている薬剤師が少ないと感じる
- 注射ができるなど、臨床に役立つような薬剤師を育てるカリキュラムを作ってほしい
- 薬剤師は勤務先に研修要件を求める為、需給に偏りが出がち
- 薬剤師会は、組織的な研修プログラムを各地域に整備して、需給ギャップに努めるべき
- 臨床など専門知識を含めた会話ができる薬剤師が少ない。研修医の先生までいかないとしても、ある程度研修したほうがよい。先を読む力などが不足している
就職活動・奨学金
- 奨学金のせいか、給与の高めの薬局に流れる傾向がある。薬局も病院も薬剤師が必要なのに、金銭的な理由だけで病院が手薄になるのは、歯がゆい限り
- 今の薬学生は、保険調剤薬局ばかりに就職している傾向がある。給与面のみで比べられると病院薬剤師は、不利になる。薬学部の教員の方にも、その辺りを説明してもらいたい
- 病院でも、都市部の大病院には、薬学生の興味はあり就職するが、地方の中小病院には就職しません。薬剤師の偏在性が問題だと思う
- 大手チェーンばかりに人手が集まってくる気がする。福利厚生がしっかりしているからでしょうか
- 田舎の方は慢性的に薬剤師不足で、県内に薬科大学がないと募集しても集まりません
薬剤師の資質
- 人数を問題とするよりも資質を問題とすべき
- 薬局の数がコンビニよりも増加している現在。薬剤師の質が最も重要だが、その質が担保されていない気がする
- 大多数の薬剤師は、まだまだ薬物治療に対する責任を持てる実力が足りない。そのような薬剤師であれば数を増やす必要はないだろう。逆に、医師を引っ張る位のレベルの薬剤師であれば、現場で引くて数多であり、そのような薬剤師は今いくらいても足りない
薬剤師の充足
- 薬剤師の育成に関して地域や勤務形態、施設による技術習得のギャップを無くすような取り組みが必要
- 24時間365日の対応を求められている状況でありながら、人員は足りていると思われていること自体おかしいことだと思う
- 能力の低い薬剤師は仕事がなくなってきています
- これからは間違いなくAI、機械導入が活用され薬剤師は過多になる
薬剤師業務の改善
- 一包化や粉砕など煩雑な調剤、対人業務が増えて、患者さんの待ち時間を時間を考えると不足している状況
- 仕事の内容によって必要な人数は大きく変化する
- 非薬剤師が行う業務が増える一方で、薬剤師が行える仕事が奪われている。くすりの宅配など薬剤師のやるべき仕事以外が増えたにも関わらず、正社員が少なくパートの方ばかりで相対的に人手不足
- 早く、正確な対応をするためには、余裕ある人数の配置が必要
- 処方箋の縛りは廃止して良い。調剤助手の出来る作業の制限撤廃を求める
- 処方箋通りに出すだけの薬剤師ならば要らない
薬剤師数の把握と分析
- 現状では現場に立てる薬剤師数が免許数と乖離している。これを是正しないと過剰不足の無意味な論争が続く
- 薬剤師国家試験合格者数だけで、現場を判断しないでほしい。女性が多くパートが多いため時間帯によっては、人数少なくそういう事情が伝わっていないと思う
- 登録だけして実質現場に出ていない人の人数を明確に提起し、現場や実地で必要な人数を割り出して検証しないのか?
薬剤師業界の現状
- 開業医がもうけ過ぎと言って薬を院外へと導き、病院の周りには野放図に調剤薬局開設を認め、薬剤師の給与が高いと言っては登録販売員制度を導入。医療費の抑制には逆効果。ドラッグストアーの拡大で競争の拡大、非正規薬剤師ばかり
- 薬剤師不足は勤務医の新規開業、門前薬局乱立が原因。病院勤務医、薬剤師の待遇改善が必要では?
- 団塊の世代の引退や対人業務へのシフトなど、薬剤師への業務負荷は大きくなると思われる。そのため、過剰だと騒ぎすぎず、増えた薬剤師をどう使っていくかを考えていかなければならないと思う
ベン:
地域による格差があることがわかったね。
ゼン:
就職に関する情報を知ることができたぜ。
カン:
求められている薬剤師について考えるキッカケになったね。
ベンゼン三兄弟
ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪
《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。
《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。
《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。
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