ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査

更新日: 2021年8月23日 薬剤師コラム編集部

「医薬分業」どう見直すべき?

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調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。

m3.com薬剤師会員へ現在の医薬分業のあり方について、どのように考えているのかうかがったところ「見直しの必要がある」74%と回答。また医薬分業を見直す方向性として、適切だと考えている理由として「門前薬局への規制を強化し、かかりつけ薬局としての機能を進める」44%、「薬局の服薬指導などの対人業務を強化」41%という結果が得られました。その他、医薬分業に関して現状の問題点や改善策、オンライン服薬指導について貴重なコメントが寄せられています。

Q1:現在の医薬分業のあり方について、どう考えますか?

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ベン:
見直しが必要だと感じている方が多いことが分かったね。

Q2:医薬分業を見直す方向性として適切だと考えられることをお選びください。

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ゼン:
新しい形での医薬分業が気になるぜ。

Q3:医薬分業に関して、現状の問題点や改善策、オンライン服薬指導についての意見があればお聞かせください。

医薬分業の制度・経営

  • 制度の綻びを再度検証する必要がある
  • 他の医療機関との連携が必要と思われる
  • 設備投資にお金がかかる
  • 大手調剤チェーン店の規制強化
  • 製薬メーカーが薬局を経営することへの規制(自社製医薬品を自社の店舗に優先)
  • 法律において医薬分業がきちんとなされていない点が問題だと思う
  • 薬局経営のあり方には厳しいメスが必要
  • オンラインは必要だが、はたして高齢の患者さんにどこまで普及するか疑問。配達時指導のハードルをさげて点数化してほしい。在宅指導まで持って行くのはなかなか大変
  • 薬物療法を評価し、内容についてしっかり検討出来る薬局を残して行くべき
  • 大病院などの専門性の高い、また高額な医療「抗がん剤、麻薬、免疫抑制剤など」となる
  • 医薬品を扱う疾患などは敷地内薬局を選ぶ方が、利便性が高いと考えられる
  • 薬局でアクセスできる患者情報に制限がありすぎる
  • 患者負担を増やさないで基金から直接得られる点数を用意すべき
  • 現状の薬局に、かかりつけ機能などの役割を果たすだけの体力はない

医薬分業に関する意見

  • 元々対人業務に重点をおいている薬局にとっては、対人業務部分での負担金を患者さんから頂くのに躊躇する。当然薬局のやるべき事なので基本料に含まれているという認識、分けるのはおかしい
    大型門前薬局の支払側の締付は歓迎しますが、患者負担金は高くなる様にしないと流れは中々変わらないと思う
  • かかりつけ薬局においてはポリファーマシー「無駄な薬は削減」の提案が必要不可欠で門前では無い方が良いのではないか
  • 薬剤師などによる相談機能を強化し、地域を支えるファーストアクセスの拠点機能を明確にし、オンラインの活用についても薬局と患者の信頼関係を基礎とすべき
  • 薬剤師のできることを増やす。たとえば残薬調整などは、現状は一度病医院に疑義照会しないといけないが、事後報告にするなど薬剤師の判断でできることを増やす。
    また病医院が周辺に調剤薬局を希望する場合、公平公正に入札できるようなシステム・機構が必要
  • 大学病院等の大きい病院は、FAXをしてからの電話連絡となり、薬剤部や外来をたらい回しにされて30分以上も疑義照会に時間がかかることが多い。その時間を短縮できるなら、調剤薬局の業務がどれだけはかどることかと感じている
  • 地方では移動手段からかかりつけ薬局を持つことが難しいということをもっと知った上で議論してもらいたい。地方でもしかかりつけ薬局で一元化するのであれば、医療機関も一元化し複数の診療科を一か所にまとめなければ実際的ではないと思う
  • 病院の処方箋を全て一般名にしてほしい。メーカー名が入っていることが多く、疑義で時間がかかってしまう

患者さん側の現状とメリット・デメリット

  • 多診療科を受診している患者さんの場合、各々の門前薬局で何人もの「かかりつけ薬剤師」を契約している
  • 病院で話した内容を薬局でもう一度最初から話さないといけないため、「さっき話したのに」と面倒になる。そのため処方箋だけでなく検査値やカルテ(の一部)など、医療側で先に共有する等したうえで服薬指導をすることが望ましい
  • 足の悪い高齢の患者さんは、門前薬局を利用する傾向がある。例えば地域の薬局から薬が届きオンラインで話せるようになれば、かかりつけ薬局の方が便利になる

同じ薬剤師に対する提案

  • お薬手帳があるのに、薬の重複や禁忌薬が貼られている事がある。制度も大事だが、薬剤師自身の問題もある
  • 処方チェックによる不要・無駄な医薬品の削減が出来ていない。対象医療機関はかかりつけ薬局を推進し患者さんの薬をしっかり管理する必要がある。
    薬局で管理しているはずなのに、入院してくると、何を飲んでいるのかわからない事がほとんど。この現状で、服薬状況を管理していると言えるのだろうか?

院内調剤に対する意見

  • 院内で調剤した方が疑義照会をする手間が省ける。また、患者さんの待ち時間が減るし、併用薬を医師が把握できるようにシステム構築しやすい
  • さっさと院内に戻してほしい
  • 「門前ビジネス」と言われるほど、病院の目の前に薬局が多い。その割には地方など地域に密着した薬局は少なく、ただ処方せんの通りに調剤して渡すだけの存在にしかなっていない。
    これでは医薬分業をしているとは言えないので、いわゆる「かかりつけ薬剤師」としての機能が発揮できるような体制にしていくべき。現状のままであるのなら院内調剤に戻した方が患者さんのためになる
  • 院内と調剤薬局では値段がかなり違うため、院内で貰える病院に行った方がいいと思われる。ドラッグストア等のポイントがつくところの方がいいと思われるので、薬局の間でも不平等感がある

まとめ
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ベン:
現状のまま、もしくは院内調剤に対する意見もあったね。

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ゼン:
現場の声は貴重だぜ。

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カン:
患者さんにとって利用しやすい環境が整うといいね。

ベンゼン三兄弟の画像

ベンゼン三兄弟

ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪

ベン画像

《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。

ゼンの画像

《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。

カンの画像

《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。

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薬剤師コラム編集部

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