抗原検査キットの薬局購入、どう思う？

調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい！と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。

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医療用の抗原定性検査キットを薬局等で購入できるようにすべき？
行動制限の緩和に、検査キットの活用を検討すべき？
SNSで薬局購入規制緩和について意見をききました
まとめ

m3.com薬剤師会員の皆さんに、医療用の抗原定性検査キットが薬局等で購入可能となることについて意見をうかがったところ「賛成」72％と回答。また行動制限の緩和の際に、検査キットの結果を活用することに対しては「一定の条件をつけて活用するべき」51％という結果が得られました。さらに「ワクチン・検査パッケージ」のツールとして議論が進められている経済活動の再開や検査キットの導入について、さまざまな意見が寄せられています。

Q1：医療用の抗原定性検査キットを薬局等で購入できるようにすべき？

ベン:
反対している理由から課題が見つかるかもしれないね

Q2：行動制限の緩和に、検査キットの活用を検討すべき？

ゼン:
賛成派のなかでも意見が分かれているぜ

Q3：SNSで薬局購入規制緩和について意見をききました

2021年9月15日に調査したアンケート結果

賛成

妊娠検査薬がOKで、コロナ検査薬が不可にされるなら理屈が立たない。菅総理の方針が「自助、共助、公助」※であるなら、国民が自己防衛のために使用するのは許可されるべき。※個人的には自助が一番前に来るのは、国家の在り様として疑問に思う
検査のファーストアクセスとして、薬局を活用することは非常に重要
陽性、陰性に関わらず追跡出来るようにする。陽性の場合は、強制的に病院などで再検査をする。この事が担保出来るのであれば良いと思う
虚偽の申告をした人の罰則規定を作るなどしないと、すぐにクラスタ－の要因になると思う。検査キットの販売は、感染しているか自分で調べられて良い
検査キットをデイケア等で使用しています。発熱等があった時にとりあえず検査して感染を広げないようにしている
経済を回す為にイベントやコンサート、田舎への帰省などの前にすると良いと思う

反対

症状が出ていてもキットでは陰性判定、検査で陽性となり治療した患者さんをみた。キットの精度に疑問があるので、それを指標とするのはどうかと思う
検査陰性でも検査実施翌日に新型コロナウイルスにかかる可能性があり、検査したから安全とは限らない
抗原検査キットの精度がどのくらいかがわかれば、参考程度にしかならないことがわかるはずだ
検査技師でも誤った使い方をする場合もあるので、一般の人が正しくキットを使用できたはずと考えるのは難しい。本人の不安を取り除く程度のものだと思った方がいい。このキットで陽性が出るころには感染性が出て数日たっていたはずでは？
抗原検査で抗原が無いことが確認できたからといっても、その時点で抗原を保有していないだけであって行動の自由を担保できるものではないと思われる
変異頻度が高い現状において抗原検査に何の意味が？　価値を推せないものを売ることはできない
薬局は利益重視なので、「売り上げが上がれば何でもいい」という姿勢になりやすい。抗原検査の適切な活用に繋がらないのではと思う
経済活動に利用するには、検査キットなどの精度の違いや粗悪品などの問題もあり責任持てない。医療人として精度の安定性の担保なしで販売するのはいかがか？

どちらでもない

個人レベルでの検査キットはあくまで個人に限定すべき。検査精度が確立しない、方法が本当に誰でもできる、など条件が整わない限り、難しいと考える
若者がわざわざ買ってまでやらないと思うので、あまり効果は上がらないと思われる
検査結果が陰性だとしても、それはその時点状況。来週も陰性では無い。つまり毎日陰性でないと意味が無い
経済余裕のない方や高齢者では、普及は難しいのでは？
検査キットの供給体制が十分にできるか疑問がある
参考程度して欲しいし義務化しないで欲しい
検査結果を過信されることが心配
手軽でよいと思うし、コロナは無くなることはないので、共存の道を探す方がよい

検査方法について

事前に感染を確認することが大切なので、定期的にすれば効果はあるかもしれない
基本的に年配者が多い調剤薬局に、陽性の可能性がある方がキットの購入の為にいらっしゃると、感染を広げてしまう可能性が示唆されると思います。自動販売機での購入など、室内でない場所での購入の仕方が妥当ではないでしょうか

その他の意見

感染症対策に積極的に薬剤師が関与すべきであると考える
症状があるときに抗原キットで陰性だったからと言って陰性とは言えないため、PCR検査を受けるように指導が必要。陽性ならば、陽性者として、保健所へ連絡するように指導が必要
コロナ感染防止のため帰省等を控えている方の帰省や、県外への出張等をせざるを得ない場合等に抗原定性検査キットを適正に利用することは良いと思う。そのためには購入が容易で、抗原定性検査キットを正しく使用する事が必要であり、薬局等による適正な使用方法の説明が必要と思う
コロナ感染の可能性のある患者を炙り出すのは良いが、その後の事は逼迫している病院に丸投げになり販売するのはどうかと思っている
ウイルスの根絶が不可能である以上は、ある程度のリスクは許容し、経済を直ちに再開すべき。感染による病死のリスクと経済活性化、リスクとベネフィットのバランスをどう考えるかだと思う
そもそも指定２類相当をまず見直すべきと思う
検査キットを薬局で購入できるようになれば、薬剤師が検査の扱い方について科学的に説明する機会を得られるので、今回のコロナウイルス対策だけではなく将来的な可能性を多く秘めていると思う
ワクチンを打てない人もいることと、ワクチンの効果もどれぐらいの期間有効なのか不明なのもあるため、ワクチンパスポートよりも検査キットは長期的に経済活用の再開に役立てられると思う
発熱など感染疑いのある方が、受診しようと思えば、診療所での感染拡大のリスクから感染対策されている「発熱外来」を標榜しているところにしか受診できないのに、薬局にはフリーアクセスで買いに来るのか？ゾーニングできる薬局なんてほとんどないし、オンライン服薬指導のようにクレジット払いの配送にすれば可能かもしれない
陽性を隠す人も現れると思う。今よりも状態把握が困難になる

行動制限の緩和

薬局で検査キットが売れる様になったとしても、１つの選択肢であって、それが即、行動緩和に繋がる訳では無いだろう
一般病院で治療が行われるようになるまでは、行動は制限されるべきだと思う
一般の方が自分で検査するキットは正確性に欠くので、その結果だけで行動制限の緩和をするのは難しいと思う
皆が検査キットでその都度検査するとは思えない。行動制限の緩和はもう少し様子を見たほうがよいのでは
購入して自分で検査をするのではなく、研修を受けて認定を受けた薬剤師が検査を行うなど、客観的に評価できる制度が望ましい。客観的に陰性であれば、感染が広がることもないので、経済活動に制限はいらない
正しく検査出来るキットと人がどのくらいいるのかはあるが、インフルエンザと同じように、かかっているけど大丈夫〜！で世の中動きだすと思う
正確性及び精度の観点からこの結果を100％として利用することはできない。あくまで参考程度とするならば可能。故に販売者の理解力及び説明が確実であるならば良いと思う
現状人数制限等の措置は避けられないと思いますが様々なイベント開催など行動緩和出来ると思います
ワクチン接種が終わっていない人は行動制限が必要
一から十まで全て政府あるいは御用機関の言いなりではなく、考える国民になるためにも自分の意思で行動できる範囲があっても良いと思う