ベンゼン三兄弟がレポート!薬剤師実態調査

更新日: 2022年9月5日 薬剤師コラム編集部

モルヌピラビルの薬価、どう思う?

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調剤室で生まれた「ベン」「ゼン」「カン」の三兄弟。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘するベンゼン三兄弟が、薬剤師に聞いた実態調査をレポートします。

モルヌピラビルは、2021年12月24日に国内で初めて特例承認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口抗ウイルス剤。承認時点では一般流通を行わず、日本政府が流通や投与対象者に制限をかけていましたが、今後は一般流通が開始となります。

一般流通後には、医療機関や薬局において登録作業などの負担が軽減されるため、必要な数量のモルヌピラビルを確保でき、医師が適切と判断する患者に対し処方が可能です。

薬価は1カプセル2357.80円となり、通常モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間投与するため1日の薬価は1万8862.40円。
添付文書によると「臨床試験における主な投与経験を踏まえ、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者」に使用できるとしています。

m3.com薬剤師会員の皆さんに、モルヌピラビルの薬価についてうかがったところ「高すぎる」76%と回答。モルヌピラビルの処方については「新型コロナ治療に関わっており、モルヌピラビルを処方したことがある」21%という結果が得られました。
一方、コロナ治療の患者自己負担によって処方を敬遠する患者が出ることも想定されています。その他、アンケート調査では、モルヌピラビルだけでなく新型コロナウイルス感染症の治療薬の薬価について、さまざまな意見が寄せられています。

Q1:1日薬価は1万8862.40ですが、これについてどうお考えですか?

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ベン:
価格が妥当なのか意見が分かれるところだね

Q2:これまで、モルヌピラビルを処方したことがありますか?

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ゼン:
処方となる機会が少しずつ増えそうだぜ

Q3:コロナ治療の患者自己負担(1~3割)が生じるようになったら、処方を敬遠する患者が出ると思いますか?

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カン:
薬を必要としている患者さんに使用できるといいね

Q4:モルヌピラビルや他の新型コロナウイルス感染症の治療薬の薬価について、どうお考えですか?

モルヌピラビルの薬価は高い

  • 新型コロナウイルスが5類相当になれば薬価再算定が必要ではないでしょうか
  • レムデシビルと比較すると高額な印象を受ける
  • あまりにも高すぎて、処方を拒否する患者が出てくる
  • インフルエンザ治療薬の発売当初の価格に抑えるべき
  • せめてタミフルレベルにしてほしい

モルヌピラビルの薬価は妥当

  • 薬価は高くても仕方ないが、助成が必要だと思う
  • 数少ない新型コロナウイルス感染症の治療薬であるため、高いが妥当ではないか
  • 開発に莫大な予算がつぎ込んであるので仕方ない
  • 日本は薬価を引き下げ過ぎなので問題ない。全て公費を続けたら、国民皆保険制度の崩壊を早めるだけ
  • 民間企業が開発している以上、開発費が薬価に影響することはやむを得ない。生命・健康だけは特別だ、などという主張は通らない

モルヌピラビルの薬価を見直すべき

  • インフルエンザと同様の5類に分類するのであれば、薬価も検討して欲しい
  • 開発費の回収が終わったら適切な薬価を再検討していただく必要がある
  • 今後の新型コロナウイルス感染症の位置付けにもよるが、インフルエンザと同様な扱いになりうると考えるなら予防を含め薬価や薬の形状についても検討が必要なのではと思う
  • せめてインフルエンザのタミフル(先発品)に近い薬価であってほしい。それより高くても、1,000円以内が望ましい

他の新型コロナウイルス感染症の治療薬の薬価

  • 他薬もそれ並みに高くなると思う
  • 新型コロナの治療に関わらず、薬価は適切に設定してほしい。安くしすぎて製薬メーカーが窮地に立たされるのは間違っている。公費負担も制限して患者にも医療費がかかることを説明すべき
  • 現在、承認されたコロナ治療薬は全て海外のメガファーマが開発した薬で薬価が異常に高い。医療費抑制する為にも国内の製薬企業の薬を承認してはどうか

その他の意見

  • 費用対効果を明らかにすべき
  • コロナの治療は国費でないと多くの国民は払えない
  • 廃棄のリスクを考えると薬局に在庫できない
  • 本当に有効なのかわからない薬剤を患者には勧めない
  • 基本的にはパキロビットの方を優先して処方することが多く、モルヌピラビルの出番はとても限られているような印象を受ける
  • 薬価はともかく、症状があれば保険診療、予防は自費診療(インフルエンザと同じ)にすべき
  • 老健施設では医療費が施設負担となるため、モルヌピラビルの処方が不可能

まとめ
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ベン:
薬価について、いろんな意見を聞くことができたね

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ゼン:
費用対効果が気になるぜ

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カン:
患者さんの負担も含めて今後の動向が気になるところね

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ベンゼン三兄弟

ベン・ゼン・カンの三兄弟。調剤室で生まれ、日々がんばる薬剤師を見て育ってきた。薬剤師に元気を届けながら、自分たちもいつか薬剤師になる日を夢見ている。薬剤師がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい!と奮闘中♪

ベン画像

《 ベン 》
正義感の強い三兄弟のリーダー。勉強熱心でいろいろなことに興味津々。
熱中するとまわりが見えなくなりがち。

ゼンの画像

《 ゼン 》
明るくてポジティブな三兄弟のムードメーカー。
調子にのりやすく失敗もするが、立ち直りも早い。

カンの画像

《 カン 》
優しくて気配りのできる三兄弟の癒やし系。控えめだけど実はしっかり者。
なぜかゼンへのツッコミは厳しい。

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