理系人間の学習サイクルを読書に応用しよう
医療従事者は人々の生命を左右する仕事を担っている。ゆえに、最新情報・知識に通じている必要がある。それらを身に付けるのにベストな方法が読書であることは、多くの実例から明らかである。『理系読書――読書効率を最大化する超合理化サイクル』(犬塚壮志著、ダイヤモンド社)は、この意味で必読の一冊である。
理系人間の学習サイクルを読書に応用する
『理系読書――読書効率を最大化する超合理化サイクル』
(犬塚壮志著、ダイヤモンド社)
本書は、理系人間の学習サイクル――問題を発見し、仮説を立てて、検証実験する――を読書に応用しようと呼びかけている。「この読書スキルを自分のモノにすることで、本を速く、大量に読めるようになり、自分をスピーディーに成長させられる」と、著者が述べている。
理系読書で得られる力は、5つある。①問題発見力、②抽象化力、③仮説思考力、④行動デザイン力、⑤評価重視力。
読み方には3段階ある
では、どうすれば、このスキルが身に付くのか。著者は、本の読み方を「読む」、「やってみる」、「確かめる」の3段階に分けて対応せよ、と強調している。
読書の目的は、娯楽を除けば、究極的には「問題解決」に尽きる。「したがって、たとえ読んでいる途中でも、解決策にたどり着ける情報を抽出できたなら、それでその本の役割は終了」だというのだ。
具体的には、①目次や前書きなどを見て、必要だと思われる箇所のみを抽出する、②そのページを読んで問題解決に繋がる方法を発見する、③抽出した情報を生かして、すぐに問題解決に取り組んでみる。
その読書が正解だったか否かは、現実世界における自分の変化量で分かる。「読書の効率(コスパ)=得られる効果÷投じたコスト」という式が示されている。「できるだけ投じるコストを減らして成果を出すには、まず自分の穴(自分にとって欠けていること、ニーズ)を知ること。そして、読書で得られた情報を使ってその穴をどんどん埋めていけばいい」と、具体的である。
さあ、理系読書術を身に付けて、あなたの夢を実現しよう!