高血圧薬の選び方とは?薬剤師のための高血圧薬のキホン②
前回の記事では、高血圧の種類 についてお伝えしました。
しかし「数ある高血圧薬の中で、どのように薬が選ばれるのかわからない」「食事や運動について医師からの指導があった患者さんに、どのように伝えるべきなのだろうか」と悩む薬剤師も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は高血圧薬の選び方や生活指導のポイントを解説します。
高血圧薬を選ぶのは主に医師です。ただし、薬剤師もどのように高血圧薬が選ばれるのかを把握して、普段の業務に役立ててください。
高血圧薬・降圧剤を使用する数値基準
通常、薬物治療の開始時期は高血圧治療ガイドライン20191)で提示されている降圧目標を参考に、個人の病態に合わせて決めます。
初診時に薬物治療を開始する血圧数値の目安1)は下記の通りです。
血圧数値 | 低・中程度リスク | 高リスク |
≧130~139/80~89mmHg | 3ヵ月経過観察をし、改善がなければ薬物治療開始 | 1ヵ月経過観察をし、改善がなければ薬物治療開始 |
≧140/90mmHg | 1ヵ月経過観察をし、改善がなければ薬物治療開始 | ただちに薬物治療開始 |
※高リスク患者は、糖尿病などの合併症、75歳以上の高齢者などが該当
一般的に、軽度の場合は初めに食事・運動の生活指導を行います。しかし、血圧の数値が高い場合は、生活習慣の改善と並行して直ちに薬物治療を開始する場合もあります。
高血圧薬を選ぶときのポイントと注意点
高血圧薬は年齢や重症度、腎障害や妊娠の有無など個人の病態を考慮して選択されます。
特にガイドライン上では、積極的適応や禁忌に該当する場合はそれを考慮した薬剤を選ぶように明記されています。
●積極的適応1)