慢性腎臓病(CKD)ってどんな病気?薬剤師のCKD対応術
腎臓は薬物動態における主要な臓器です。一般的に、腎機能が低下すると、腎排泄型薬剤の血中濃度が上昇して副作用が出やすくなります。外来処方箋に検査値を併記する病院が増えてきており、処方鑑査時に腎機能に対する薬剤量が適切かどうか判断するスキルが求められています。
慢性腎臓病(CKD)とは?
慢性腎臓病(CKD)は腎臓の機能が段々と低下していく進行性の疾患で、病の進行を遅くすることが治療の中心となります。
薬剤の影響や疾患によってCKDの進行が速くなることもあり、これらを管理していくことも大切です。また、CKDの重症度を示すステージ分類の把握も重要です。
慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせるために必要なことは?
2024年の推計では日本の慢性腎臓病(CKD)の患者数は約2000万人(成人の5人に1人)で、2022年の透析患者は約35万人となっています。1)CKDが進行すると最終的に透析となるイメージが強いですが、CKDは心血管死や全死亡のリスクを増やし、生命を危険に晒します。それだけでなく、腎臓は体内の水分量やミネラルの調整を行う臓器ですので、心疾患・高血圧・高尿酸血症・貧血・骨粗しょう症など、さまざまな疾患にも関連しています。
CKDの進行は、食事療法・生活指導・薬物療法によって遅らせることができます。1)同じ患者さんであっても、CKDのステージが進むにつれて、食事制限や腎排泄型薬剤の減量・中止、合併症に対する薬物治療が変化していきます。
“患者さんが現在CKDステージ分類のどこにいるのか”を知ることで、副作用を回避するための薬剤管理や、CKDの重症度に合わせた食事・生活指導が行いやすくなります。