第106回薬剤師国試問題
< 問31 >
胃腸障害が少ない非ステロイド性抗炎症薬はどれか
シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と比較してCOX-2に対する選択性が高く、胃腸障害が少ない非ステロイド性抗炎症薬はどれか。1つ選べ。
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エトドラク
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ジクロフェナク
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ロキソプロフェン
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スリンダク
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オキサプロジン
回答・解説
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シクロオキシゲナーゼ(COX)には、全身組織に分布する構成型(COX-1)及び炎症部位に発現する誘導型(COX-2)がある。COX-1は、胃・腎・血小板などで生理的に働くプロスタグランジン(PG)を産生するため、COX-1の阻害は、胃腸障害、腎障害、出血傾向などの副作用の発現に関与する。
1 正。エトドラクは、COX-1と比較してCOX-2に対する阻害作用が強いため、抗炎症作用を示すとともに、胃腸障害は少ないとされている。
2 誤。ジクロフェナクは、非選択的なCOX阻害薬であり、PGの産生を阻害することにより、抗炎症作用を示す。
3 誤。ロキソプロフェンは、非選択的なCOX阻害薬であり、PGの産生を阻害することにより、抗炎症作用を示す。なお、本剤は、胃腸障害の軽減を目的としたプロドラッグであり、胃腸管には主に不活性型が接触するため、胃腸障害は少ないとされている。
4 誤。スリンダクは、非選択的なCOX阻害薬であり、PGの産生を阻害することにより、抗炎症作用を示す。なお、本剤は、胃腸障害の軽減を目的としたプロドラッグである。
5 誤。オキサプロジンは、非選択的なCOX阻害薬であり、PGの産生を阻害することにより、抗炎症作用を示す。本剤は、消化管からの吸収が良好であるとともに、血中半減期が長いという特徴を有する。
※本クイズの内容は2021年10月作成時点のものであり,ご覧いただいた時点で最新情報ではない可能性がございます。