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薬剤師のための【中医学の基礎】漢方服薬指導に自信がつく!

更新日: 2019年12月25日

身体の構成成分「気・血・津液」が中医学の第一歩

薬剤師のための中医学の基礎、第3回は、身体を構成する重要な成分、「気」「血」「津液」について解説します。中医学では、これらに変調をきたすと、病気になるという考えが基本となっています。

中医学での重要要素「気」「血」「津液」

中医学の考え方で、病が慢性化すると身体を構成する「気」「血」「津液」に変調をきたし、その状態を弁証(どのような状態かを紐解くこと)することを気血痰弁証といいます。「気」「血」「津液」は五臓の働きをつなぐ役割を果たし、これらがそれぞれ身体の構成成分として重要な役割を担っています。

この「気」「血」「津液」、漢方の世界ではたびたび登場する言葉ですが、それらがなにを示すかというと説明しにくいのではないでしょうか。誤解を承知でわかりやすくいうと「気」は生命力となるエネルギーです。「血」は現代医学でいうところの血液に近いものだとイメージしてください。そして、「津液(水)」は体液をイメージするととらえやすいと思います。

この「気」「血」「津液」に加えて熱の状態がわかると五臓の状態を把握しやすく、体の状態、体質などを理解しやすくなります。

気には5つの作用と4つの種類があります

では、この「気」「血」「津液」を詳しく見ていくことにしましょう。
「気」は人体の構成と生命活動を維持するための基本的な物質です。しかし、目に見えるものではなく、体の中を流動する精微物質と考えられています。

その作用は①推動作用、②温煦(おんく)作用、③防御作用、④固摂(こせつ)作用、⑤気化作用の5つに分けられます。①推動作用というのは人体の成長や発育や経絡などの生理機能を促す作用で、臓器や血液の流れなどをよくします。②温煦作用とはエネルギー代謝や循環機能により体温を維持調節する作用のことを言います。③防御作用とは肌膚(皮膚)を守り、外邪の体内への侵入を防いだり、侵入してきた外邪と戦い、外に追い出す作用です。現代医学の免疫防御作用にあたります。④固摂作用とは血液や汗、尿などの排泄が過多にならないように統制する作用です。⑤気化作用とは気の機能によって体内の物質の転化とエネルギー代謝を維持するために働く作用です。

また、「気」の種類は「元気」、「宗気」、「衛気(えき)」、「営気」に分けられます(分類の仕方はさまざまな説がありますが、ここではこの4種類の分類にします)。

このうち「元気」は人体の最も根本的な気で、人体の生命活動の原動力であるといわれる重要な気です。元気は父母の生殖の精からもらった先天の精と、それに後天の水穀の精気により補充されます。

その機能は大きくふたつあり、ひとつは人体の生長発育と生殖機能を推動し、調節する機能です。もうひとつは各臓腑、経絡などの生理機能を正常に働かせる機能です。 「宗気」は脾胃から得られた水穀の気(栄養物)と肺から吸入した大気が結合し宗気となります。その機能は大きく3つにわけられます。ひとつは肺の呼吸を安定させる機能、次に心が血液を運行するのを促す機能です。最後に父母からもらった先天の精を補助するという機能です。
「衛気」は経脈や体表を動き、外邪から体を防衛します。臓腑や筋肉、皮毛などの組織を温め、汗の排出をコントロールすることで体温を一定に保つ機能を持ちます。その巡るスピードは速くなめらかです。

「営気」とは脈管内を巡る気のことをいい、血を生成し全身に栄養を与えます。4つの気は基本的にバランスを取りながら併存しています。どれかの気が不足するとその気が本来あるべき箇所の病証としてあらわれてきます。後述する<気の病変>でその時の状態を紹介します。

血と津液についても知っておきたい

「血」は「気」よりも物質性の高い液体で、現代医学の「血液」に近いものですが、まったくイコールではないので注意してください。

中医学において「血」は血液と同じように脈中を循環し、全身に栄養分を行きわたらせる作用を持ちます。ですが、血液とは異なり、精神のバランスにも深く関わっていて、精神の安定を保つ働きも持つのです。そのため、「血」が不足すると、不眠、不安、うつ、健忘などの症状があらわれてしまうことがあります。

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