【2026年度改定版】居宅療養管理指導とは?算定要件をわかりやすく解説
日本では高齢者の割合が約30%となり、在宅医療の重要性は年々高まっています。
実際に在宅業務を経験したことがある薬剤師も多いのではないでしょうか。
しかし、居宅療養管理指導の算定要件や、ゼロから在宅を始める際の手順について、不安を感じることもあるかもしれません。
この記事では、算定要件だけではなく、居宅療養管理指導の一連の流れをわかりやすく解説していきます。
居宅療養管理指導とは
居宅療養管理指導とは、定期的な通院が困難な患者に対し、薬剤師が自宅や高齢者介護施設などを訪問し、必要な薬学的管理や指導を行うことです。
介護保険を利用したサービスであり、患者の療養環境や症状にあわせた服薬の支援を行っていくことで、適切かつ安全に治療を継続することを目指しています。
地域医療全体で患者の生活や健康をサポートする取り組みであり、医師やケアマネージャー、訪問看護師といった他職種との連携も重要です。
居宅療養管理指導の対象患者
居宅療養管理指導は介護保険を利用したサービスであり、以下の患者が対象となります。
- 要介護1~5の認定を受けている65歳以上の高齢者
- 40~64歳で、16種類の特定疾病のいずれかにより要介護認定を受けている方
特定疾病とは
介護保険は基本的に65歳以上の高齢者が対象となるものですが、以下に示す特定疾病により、要介護状態または要支援状態と認められた40歳以上65歳未満の患者も介護保険の対象です。
特定疾病は、次のように定義されています。
- 65歳以上の高齢者に多く発生しているが、40歳以上65歳未満の年齢層においても発生が認められるなど、罹患率や有病率(類似の指標を含む)等について加齢との関係が認められる疾病であって、その医学的概念を明確に定義できるもの。
- 3〜6ヶ月以上継続して要介護状態または要支援状態となる割合が高いと考えられる疾患。
参照:特定疾病の選定基準の考え方 /厚生労働省
【特定疾病に該当するもの】
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
参照:特定疾病の選定基準の考え方 /厚生労働省
参照:介護保険法施行令 /e-Gov法令検索
居宅療養管理指導費の算定要件と単位数
居宅療養管理指導では主に以下の条件を実施することが求められています。
- 医師または歯科医師から居宅療養管理指導の指示を受ける
- 薬学的管理指導計画に基づいて定期的に患者宅へ訪問、必要な薬学的管理・指導を行う
- 医師やケアマネージャーに対して訪問の結果を文書で報告
算定の単位数は単一建物居住者数によって異なります。また、薬局薬剤師か病院薬剤師かによっても算定単位や月の実施回数も変わってきますので確認が必要です。
| 単一建物居住者数 | オンライン 服薬指導 |
算定上限回数 | |||
| 1人 | 2〜9人 | 10人以上 | |||
| 薬局薬剤師 | 518単位 | 379単位 | 342単位 | 46単位 | 4回/月 |
| 病院薬剤師 | 566単位 | 417単位 | 380単位 | なし | 2回/月 |
訪問の頻度は、通常6日以上の間隔をあける必要がありますが、以下の患者に関しては週2回かつ8回まで算定が可能です。
- 末期の悪性腫瘍患者
- 中心静脈栄養法の患者
- 注射による麻薬の投与を受けている患者
なお、2026年度の調剤報酬改定において、「在宅患者訪問薬剤管理指導料」の訪問頻度が「中6日以上」から「週1回」に変更されました。こちらは、現時点では医療保険による在宅の場合のみの変更となっているので、混同しないように注意しましょう。
参照:居宅療養管理指導 /厚生労働省
参照:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示(令和6年厚生労働省告示第86号)令和6年3月15日 /厚生労働省
単一建物居住者とは
「単一建物診療患者数」とは「同じ建物に住んでいる人のうち、当該薬局が居宅療養管理指導を実施している患者の人数」のことです。建物ごとに何人居宅療養管理指導を行っているかによって算定できる単位が変わります。
居宅療養管理指導の算定要件についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
居宅療養管理指導費の加算項目
居宅療養管理指導にかかる加算項目は以下の通りです。
| 加算項目 | 算定要件 | 単位数 |
| 麻薬管理指導加算 | 麻薬を調剤されている患者に対し、服用に関して必要な指導等を実施した場合 | 100単位 |
| 医療用麻薬持続注射療法加算 | 在宅で医療用麻薬の持続注射療法を受けている患者が対象 麻薬の投薬状況や保管・取り扱いについての指導、副作用 等の確認 | 250単位/回 |
| 在宅中心静脈栄養加算 | 在宅で中心静脈栄養法を行っている患者が対象 患者の状態、輸液製剤の投与や保管方法、 配合変化の防止に関する指導 | 150単位/回 |
| 特別地域加算 | 厚生労働大臣が定める地域に所属する事業所の薬剤師が 居宅療養管理指導を行った場合に算定 | 所定単位数の15% |
| 中山間地域等における 小規模事業所加算 | 厚生労働大臣が定める地域に所在 1月あたりの延べ訪問回数が50回以下 | 所定単位数の10% |
| 中山間地域等に居住する ものへのサービス提供加算 | 厚生労働大臣が定める地域に居住する利用者に対し、 通常の事業の実施地域を超えて実施 | 所定単位数の5% |
参照:社会保障審議会介護給付費分科会(第220回)資料5 居宅療養管理指導 /厚生労働省
参照:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 平成12年2月10日 厚生省告示第19号 /厚生労働省
参照:厚生労働大臣が定める施設基準 4の3ハ 厚生労働省告示第96号 平成27年3月23日 /厚生労働省
参照:指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 平成12年2月10日 厚生省告示第19号 /厚生労働省
