【2024年度改定版】薬剤業務向上加算の算定要件や改定内容をわかりやすく解説

薬剤業務向上加算は、2024年の診療報酬改定で病院薬剤師の研修体制の整備などを目的として新設されました。
具体的には病院薬剤師の充実した研修体制を実施した場合に算定できる加算になります。
この記事では加算の点数や算定要件、施設基準、疑義解釈について詳しく解説します。
薬剤業務向上加算とは
薬剤業務向上加算とは、「病棟薬剤業務実施加算1」に対する加算です。
この加算は薬剤師の養成強化をおこなうことで、チーム医療の発展、薬物を用いた治療の向上を目指して研修体制を整えた医療機関を評価した点数になります。
病棟薬剤業務実施加算1とは
病棟薬剤業務実施加算1とは算定要件を満たすことで週一回に限り120点を入院基本料または特定入院料に加算できる点数です。
全ての病棟が対象になりますが、精神病棟や療養病棟は入院してから起算して8週間を限度としての加算になります。
主な算定要件は以下のとおりになりますので参考にしてください。
【主な算定要件】
- 入院基本料を算定している(基本料の種類によっては加算2に該当するので要確認)
- 薬剤師による病棟薬剤業務の実施
- 医師や他の職種への情報提供
- 2種以上の薬物に対する相互作用や持参薬などの管理
その他にも、チーム医療推進のため医師の負担軽減を目的とした業務も可能な限り実施するよう勧められています。
参照元:医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について/医政発0430第1号平成22年4月30日 /厚生労働省
【主な施設基準】
- 常勤薬剤師2人以上の配置(週3日以上、所定労働時間は週に22時間以上)
- 病棟薬剤業務をおこなう専任の薬剤師を各病棟に配置
- 直近1ヶ月において週に20時間以上の病棟薬剤業務時間の確保
- 医薬品情報管理室の整備
- 病棟専任薬剤師と医薬品情報管理室の薬剤師が必要に応じてカンファレンスをおこなう
- 業務手順書に従った必要な措置がされている
- 区分番号「B008」薬剤管理指導料の届出をおこなっている
- 病棟専任薬剤師の氏名が病棟内に掲示されている
参照元:別表第一 医科診療報酬点数表 /厚生労働省
薬剤業務向上加算の算定要件と点数
薬剤業務向上加算は、施設基準を満たした医療機関が算定基準を揃えることで週1回に限り100点を病棟薬剤業務実施加算1に加算することができます。
主な算定要件は以下のとおりになりますので参考にしてください。
【薬剤業務向上加算の主な算定要件】
- 施設基準を満たしていて届出をおこなっている
- 薬剤師が定められた薬剤業務をおこなっている
定められた薬剤業務とは患者さんの副作用歴の把握や、医薬品・医療機器の情報収集などです。
また緊急安全情報や安全性速報の医師への情報提供、入院時の持参薬の確認や相互作用の確認も必要になります。
薬剤業務向上加算の施設基準
薬剤業務向上加算を算定するために必要な施設基準として3つご紹介します。
どれも大切な基準になりますので詳しく把握しておきましょう。