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調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2025年6月1日 薬剤師コラム編集部

【2024年度改定版】在宅中心静脈栄養法加算の算定要件や改定内容をわかりやすく解説

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医療の進歩が患者さんの生活を支える新しい選択肢を生み出しています。中でも在宅中心静脈栄養法によって、患者さんが自宅での治療を選ぶことができるようになりました。患者さんの生活の質を向上させるため、薬剤師が栄養管理を支援することもますます重要といえるでしょう。

今回は2022年に新設された在宅中心静脈栄養法加算について、算定要件や施設基準、必要な届出、薬剤服用歴への記載内容などを解説していきます。

在宅中心静脈栄養法加算とは

在宅中心静脈栄養法加算とは、薬学管理料の中の『在宅患者訪問薬剤管理指導料』『在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料』『在宅患者緊急時等共同指導料』に算定できる加算であり、2022年の診療報酬改定で新設されました。

在宅中心静脈栄養法を行っている患者さんに対して必要な薬学的管理指導を行った場合に150点が加算できます。

ただし、在宅患者オンライン薬剤管理指導料、在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料を算定する場合には加算できません。

また、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算や、薬剤調製料の中の無菌製剤処理加算との併算定も可能です。

2024年度の介護報酬改定では、在宅中心静脈栄養法を行っている利用者さんに対して、その投与及び管理の状況、配合変化の有無について確認し、必要な薬学的管理指導を行うことで1回につき150単位を居宅療養管理指導に加算できることになりました。

中心静脈栄養法とは

中心静脈栄養法(TPN)とは、心臓に近い太い血管(中心静脈)にカテーテルを留置して、高カロリーの栄養輸液を投与する方法です。高カロリー輸液は、末梢から投与する輸液に比べて高濃度であるため、末梢静脈から投与すると血管痛や静脈炎を起こしてやがて血管が閉塞してしまいます。心臓に近い中心静脈は太くて血流が多く、高濃度の高カロリー輸液を投与しても瞬時に多量の血液で薄められ、血管や血球に対する影響が少なくなります。

口から食事が摂れない患者さんや体力の低下を防ぐ必要のある患者さんに有効な治療法であり、通常の腕の細い血管の点滴とは違い、太い静脈からのため、苦痛なく必要な栄養分を補えます。

在宅中心静脈栄養法加算の算定要件と点数

在宅中心静脈栄養法加算は要件を満たすことで1回につき150点を加算できます。

算定要件は以下の通り

1)患者宅を訪問し、必要事項の確認
2)必要な薬学的管理指導の実施
3)処方医を含む他職種に対しての情報提供

ひとつずつ確認していきましょう。

1)患者宅を訪問し、必要事項の確認

在宅中心静脈栄養法加算は、患者宅に訪問することが必須となっております。そのため、オンラインでの指導の場合は算定できません。

患者宅を訪問し、患者さんの状態、投与環境、その他必要な事項等の確認を行うことが算定要件となります。

2)必要な薬学的管理指導の実施

患者さん又はその家族に対して、保管方法、配合変化防止に係る対応方法等の必要な薬学的管理指導を行う必要もあります。

3)処方医を含む他職種に対しての情報提供

当該患者さんに対し2種類以上の注射薬が同時に投与される場合には、中心静脈栄養法に使用する薬剤の配合変化に注意しましょう。必要に応じて、処方医以外の医療関係職種に対しても、当該患者さんが使用する注射剤に係る配合変化に関する留意点、輸液バックの遮光の必要性等について情報提供することも算定要件となっております。

参照元:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省

薬剤服用歴への必要な記載事項

在宅中心静脈栄養法加算を算定するためには、薬剤服用歴への必要事項の記載が求められています。

服薬管理指導料および在宅患者訪問薬剤管理指導料等を算定時の記載事項に加えて、少なくとも、以下のことについて記録に残す必要があります。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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