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調剤報酬改定の算定項目をわかりやすく解説

更新日: 2025年6月1日 薬剤師コラム編集部

【2024年度改定版】計量混合調剤加算の算定要件や改定内容をわかりやすく解説

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2種類以上の混合調剤業務は、薬局における主要なものの一つであり、計量混合調剤加算の算定頻度は高いと言えます。さらに2024年度の調剤報酬改定では、その算定範囲が拡大されました。

自家製剤加算との違いがわかりにくいと感じている薬剤師さんもいるかと思いますので、今回は計量混合調剤加算について詳しく解説し、その違いを明確に判断できるようにしていきたいと思います。

計量混合調剤加算とは

計量混合調剤加算とは、2種類以上の医薬品を計量・混合して、内服薬や屯服薬・外用薬を調剤した場合に加算できる項目です。投薬量や投薬日数に関係なく、計量して混合するという1調剤行為に対して算定できます。

「1調剤行為に対して算定」とは、混合するごとに算定できるという意味で、『Rp.1:A剤10g+B剤20g』と『Rp.2:A剤20g+B剤20g』を調剤した場合はそれぞれに算定可能で、2回調剤行為を行なったとみなされます。

参考:疑義解釈資料の送付について(その2) /厚生労働省

計量混合調剤加算の算定要件と点数

先程記載したとおり、2種類以上の医薬品を計量・混合して、内服薬や屯服薬・外用薬を調剤した場合に計量混合調剤加算を算定することができます。さらに、2024年度診療報酬改定では入手困難な薬への対応でも算定が可能になりました。以下原文になります。

「ただし、当該医薬品が薬価基準に収載されている場合であっても、供給上の問題により当該医薬品が入手困難であり、調剤を行う際に必要な数量を確保できない場合は除く。なお、医薬品の供給上の問題により当該加算を算定する場合には、調剤報酬明細書の摘要欄に調剤に必要な数量が確保できなかった薬剤名とともに確保できなかったやむを得ない事情を記載すること。」

引用元:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省

ただし、以下の場合は算定できないので注意してください。

算定できないケース

  • 液剤、散剤、顆粒剤、軟・硬膏剤について自家製剤加算を算定した場合
  • 薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形及び同一規格を有する薬剤を調剤した場合

ドライシロップ剤を液剤と混合した場合は、計量混合調剤加算として算定してください。
また、処方された医薬品が微量のため、乳幼児に対してそのままでは調剤又は服用が困難でな場合があります。こういった処方において、医師が必要性を認めた上で賦形剤・矯味矯臭剤等を混合することによっても、計量混合調剤加算を算定することが可能です。

計量混合調剤は、医薬品の特性を十分理解し、薬学的に問題ないと判断される場合に限り行ってください。

計量混合調剤加算の点数は以下のとおりです。

区分 点数
液剤 35点
散剤・顆粒剤 45点
軟・硬膏剤 80点

参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省

計量混合加算の算定要件について、図解を交えて理解を深めたい方は以下の記事もご覧ください。

計量混合調剤加算の算定例

計量混合調剤加算として算定できる具体例を4つ紹介していきます。

1. 液剤-液剤の混合

計量混合調剤加算の要件は『液剤や散剤(または顆粒剤)を内服薬または頓服薬として調剤した場合』算定可能なので、液剤と液剤を混合した場合は計量混合調剤加算を35点算定することができます。

ただし、薬価基準に収載されている薬剤と同一剤形、同一規格の薬剤を調剤した場合は算定できないので注意してください。

2. 散剤-顆粒剤の混合

粉薬の粒の大きさが異なる散剤と顆粒剤ですが、計量混合調剤加算の要件は『液剤と散剤(または顆粒剤)を内服薬または頓服薬として調剤した場合』算定可能なので、散剤と顆粒剤を混合した場合、計量混合調剤加算を45点算定することが可能です。

ただし、分包品を使用して混合した場合は算定することはできないので注意してください。

3. ドライシロップ-液剤の混合

ドライシロップをシロップと混合して液剤として調合する場合は、計量混合調剤加算を35点算定することができます。

ドライシロップは見た目は粉薬ですが、液体に溶かすとシロップ状になるため、散剤とみなす場合と、液剤とみなす場合のどちらもあります。
そのため、以下の場合はどちらも計量混合調剤加算を算定することが可能です。

  • ドライシロップ-散剤
  • ドライシロップ-液剤

通常は散剤と液剤を混合する場合は自家製剤加算を算定しますが、ドライシロップの場合は例外で計量混合調剤加算となるため覚えておきましょう。

自家製剤加算との違いについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

4. 軟膏-クリームの混合

軟膏とクリームを混合した場合は、計量混合調剤加算を80点算定することができます。

軟膏とクリームの違いは以下の表で確認してください。

区分 特徴
軟膏 ・水を含まず油性基剤がベース
・白ワセリンなどの保湿力が高く皮膚を保護する効果がある
・ベタつきが強い
クリーム ・油性成分に加えて水分が含まれている
・軟膏に比べて刺激が強い
・水で簡単に洗い流せてベタつきにくい

計量混合調剤加算の算定ができない場合

計量混合調剤を行う際に加算できないケースは4つあります。

加算できないケース

  1. 同一剤形・同一規格の医薬品が薬価収載されている場合
  2. 自家製剤加算・外来服薬支援料2を算定している場合
  3. 分包品をそのまま使用した場合
  4. 配合変化等の理由で混合ができない薬剤の場合

具体的にどのようなケースで算定不可なのか詳しく解説します。

同一剤形・同一規格の医薬品が薬価収載されている場合

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薬剤師コラム編集部

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