【2026年度改定】在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の算定要件をわかりやすく解説
在宅医療の現場では、医療用麻薬持続注射療法を行う患者への対応が増えており、薬剤師にはより高度な薬学的管理が求められています。
こうした患者に対する薬剤師の取り組みを評価する算定項目が、「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算」です。
本記事では、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の算定要件や薬歴への記載内容、施設基準・届出等についてわかりやすく解説します。
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算とは
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算とは、在宅で医療用麻薬持続注射療法が行われている患者に対して、注入ポンプによる麻薬の使用など、在宅での療養の状況に応じた薬学的管理及び指導を行った場合に算定できる項目です。
医療用麻薬持続注射療法を実施している患者への薬学的管理としては、処方提案や特定保険医療材料・医療機器の使用説明に加えて、疼痛状況の確認、配合変化の確認、カテーテル感染症防止対策など、特別な在宅薬学管理が必要となります。
そのため、薬剤師が適切な管理を行うことを評価するために、2022年度(令和4年度)に「在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算」が新設されました。
参照:令和4年度調剤報酬改定の概要(調剤) /厚生労働省
参照:中央社会保健医療協議会 総会(第500回)資料 調剤(その3) /厚生労働省
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の算定要件
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の主な算定要件は以下の通りです。
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険薬局において、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、その投与および保管の状況、副作用の有無等について患者またはその家族等に確認し、必要な指導等を行った場合は、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算として、1回につき250点を所定点数に加算する。
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算は、以下の算定項目に対する加算です。
- 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料
- 在宅患者緊急時等共同指導料
なお、麻薬管理指導加算との併算定はできません。
参照:別表第三 調剤報酬点数表 /厚生労働省
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の算定に必要な実施事項
ここからは在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するために、実施するべきことを確認していきましょう。
在宅において医療用麻薬持続注射療法を行っている患者またはその家族等に対して、薬剤師は患家訪問時に以下のことを確認し、必要な薬学的管理および指導を実施する必要があります。
【患者や家族等への確認事項】
- 麻薬の投与状況
- 残液の状況
- 保管状況
- 残液の適切な取扱方法も含めた保管取扱い上の注意
- 麻薬による鎮痛等の効果
- 服薬中の体調変化(副作用が疑われる症状など)の有無
上記の確認・指導等を行なった訪問結果に関して、処方医に対して情報提供を行います。
また処方医以外の医療関係職種に対しても、必要に応じて情報提供をしましょう。
また、麻薬の投与に使用している高度管理医療機器について、保健衛生上の危害の発生の防止に必要な措置を講ずることも求められています。
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定時の薬歴への記載事項
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、所定の内容を薬歴へ記載します。
通常の記載事項に加え、以下の内容についても記載が必要です。
① 訪問に際して実施した麻薬に係る薬学的管理指導の内容
- 麻薬の保管管理状況
- 投与状況
- 残液の状況
- 併用薬剤、疼痛緩和等の状況
- 麻薬の継続または増量投与による患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
② 訪問に際して行った患者またはその家族等への指導の要点(麻薬に係る服薬指導、残液の適切な取扱方法も含めた保管管理の指導等)
③ 処方医に対して提供した訪問結果に関する情報の要点
- 麻薬の投与状況
- 疼痛緩和及び患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)等の状況、
- 服薬指導の要点
④患者またはその家族等から返納された麻薬の廃棄に関する事項(都道府県知事に届け出た麻薬廃棄届の写しを薬剤服用歴等に添付することで差し支えない。)
参照:調剤報酬点数表に関する事項 /厚生労働省
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の施設基準と届出
在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算を算定するためには、以下に示す厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届出をする必要があります。
【在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算の施設基準】
(1)麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定による麻薬小売業者の免許を取得し、必要な指導を行うことができること。
(2)医薬品医療機器等法第39条第1項の規定による高度管理医療機器の販売業の許可を受けていること。
届出は別添2の様式89 を用いて行います。
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第8号) /厚生労働省
在宅患者が算定する他の麻薬関連の項目
在宅患者が算定する麻薬に関する算定項目は、在宅患者医療用麻薬持続注射療法加算以外にも麻薬管理指導加算や医療用麻薬持続注射療法加算があります。
それぞれの主な算定要件や違いは以下のとおりです。
