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調剤薬局薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年3月2日 薬剤師コラム編集部

調剤薬局は昇給が無い・少ないと言われる理由2つ、年収アップ方法も解説

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薬剤師として働くうえで、月々の給与や年収は重要な関心ごとですが、昇給の機会や昇給率も気になりますよね。
昇給の機会が少なければ、年収も一定金額のまま頭打ちになってしまいかねません。
この記事では、薬剤師の年代ごとの年収の推移を見ていきながら、調剤薬局に勤務する薬剤師の昇給チャンスや年収アップの方法について解説します。

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調剤薬局薬剤師の平均年収

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調剤薬局薬剤師の平均年収はどれくらいなのでしょうか。
薬キャリエージェント調べによると、調剤薬局薬剤師の平均年収は517万円でした。

正社員
(年収)
病院 474万円
ドラッグストア(OTCのみ) 500万円
調剤 517万円
ドラッグストア(調剤併設) 528万円

※薬キャリエージェント調べ

ドラッグストアや病院などの他業種の平均年収と比較してみたところ、調剤併設型のドラッグストアが528万円ともっとも高く、次に調剤薬局の517万円、OTCのみのドラッグストアの500万円、病院の474万円と続きます。

調剤薬局薬剤師の年収は、他業種の薬剤師と比べて決して低くはなく、比較的高水準であることがわかります。

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薬剤師の年齢別の年収

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薬剤師の年収は、年齢によってどのように推移しているのかを見てみましょう。
下の表は、厚生労働省のデータをもとに、年齢別の平均年収を出したものです。

男女計
20~24歳 381 406 372
25~29歳 465 501 442
30~34歳 564 573 551
35~39歳 608 680 512
40~44歳 630 726 577
45~49歳 641 719 608
50~54歳 666 738 613
55~59歳 717 856 609
60~64歳 582 589 566
65~69歳 517 496 588
70歳~ 558 544 585

※平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」

表を見ると、男性の年収は30代後半から600万円を超え、50代で年収のピークを迎えます。
年齢が上がるにつれ確実に年収が増えているのは、勤続年数に応じた昇給や、昇進による役職手当等が付与されるためと考えられます。

その後、60歳で定年を迎えると、平均年収はピーク時の年収の6〜7割にまで下がってしまいます。再雇用に伴い定年前の役職を外れ、新たに嘱託として契約を結びなおすことが影響していると思われます。

一方で女性の場合、30代後半で平均年収がやや下がり、その後50代で年収のピークを迎えるとはいえ、男性ほどの大きな伸び率は見られません。
これは、30代で産休や育休を取得する女性が一定数いるため、男性に比べて女性の勤務日数が少なくなることや、出産後に勤務形態をパートやアルバイトに切り替える女性もいるため、全体として女性の労働時間が減少することが一因と思われます。

ただし、育児等が落ち着いたタイミングでキャリアの再構築を始める女性も多く、50代の年収は600万円超という高水準になります。
女性の場合は、60歳で定年を迎えた後も、平均年収はゆるやかな減少にとどまっているのが特徴です。男性に比べてピーク時の年収がやや低いということもありますが、高待遇のパート勤務等を効率的にこなしている様子が伺えます。

このように男女で多少の違いがあるとはいえ、全体としては薬剤師の年収は年齢が上がるごとに増えていき、50代でピークを迎えていることがわかります。

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薬剤師の年収 3年間の推移

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次に、過去3年間の薬剤師の年収の推移を見てみましょう。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のデータによると、薬剤師の平均年収は次のように推移しています。

2022年(令和4年) 2021年(令和3年) 2020年(令和2年)
男女計 男女計 男女計
平均年収 583万円 581万円 565万円

※薬剤師の平均年収は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」の、「きまって支給する現金給与額」12か月分に、「年間賞与その他特別給与額」を足した金額を平均年収として算出
※参照:厚生労働省「賃金構造基本統計調査/ 令和4年賃金構造基本統計調査」

2020年の薬剤師の平均年収は565万円でしたが、2021年は581万円、2022年は583万円と毎年上昇していることがわかります。
薬剤師の需要は高く、地域によっては深刻な薬剤師不足に悩んでいるところもあります。
薬剤師の給与が年々上がっているのは、このような人材不足を補うためという面もあります。

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調剤薬局薬剤師の昇給の特徴

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ここからは、調剤薬局における昇給の特徴について見ていきましょう。
昇給するための具体的な方法として、勤続年数等に応じた定期昇給や役職への昇進が挙げられますが、調剤薬局では、昇給のチャンスはどの程度あるのでしょうか。

定期昇給は少ない傾向にある

一般的には、調剤薬局で定期昇給があるところは少ないようです。定期昇給が少ない理由については、後ほど改めて説明します。

また、昇進のチャンスについても、調剤薬局は少ないといえます。
調剤薬局の役職ポストは管理薬剤師、または薬局長になります。
管理薬剤師は特別な試験を受けてなるものではなく、主に勤続年数や経験、人柄により任命されるので、上がつかえている場合には、いつまで待っても管理薬剤師に昇進できないという事態も起こります。
そうなると、長く勤めている割には給料が上がらないということになるかもしれません。

転職により昇給する可能性が高い

それでは調剤薬局薬剤師はどのようにして年収を上げているかというと、転職によって給料アップを実現させているという面があります。
経験とスキルを十分に備えていれば、現在の職場よりも好条件で雇用してもらえる可能性は高いです。
条件さえ合えば、管理薬剤師として雇用してもらえるチャンスもあり、大幅な年収アップが実現できる場合もあります。

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調剤薬局薬剤師の昇給が少ない理由2つ

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調剤薬局薬剤師は、なぜ昇給機会が少ないのでしょうか。主な原因とみられる2つの点について解説します。

調剤薬局は大幅に売上アップするのが難しい

調剤薬局の売り上げは、その大部分が調剤報酬から成り立っています。
調剤報酬とは処方箋1枚あたりの単価に受け入れた処方箋枚数をかけたものですが、これは法律で決められているため、調剤薬局が独自で売上げを増やすことは難しいのです。

たとえばドラッグストアであれば、調剤に限らずOTC医薬品や健康食品、化粧品など、独自の戦略に基づいてさまざまな商品を仕入れて販売し、売り上げを伸ばすことが可能です。
収益が上がれば、その分を社員の給与に反映させることもできるでしょう。

しかし調剤薬局の場合は、収入のほとんどを調剤報酬に依存している構造上、薬剤師の給与を定期的に上げていくことはどうしても難しい状況です。
調剤薬局の多くが定期昇給が少ない理由はここにあります。

管理職のポストが少ない

前にも説明した通り、調剤薬局は管理職のポストの数が限られています。
調剤薬局の役職ポストは管理薬剤師、または薬局長ぐらいで、一般の企業等に比べると、役職のポストが非常に少ないのが特徴です。

職場の環境にもよりますが、多くは長く勤めてもなかなか管理職の順番が回ってこないというのが実情でしょう。
このように、管理職のポストが少ないことも、調剤薬局における昇給機会の少なさの原因といえます。

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調剤薬局薬剤師の年収アップ方法

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昇給のチャンスが少ないといわれる調剤薬局薬剤師ですが、年収をアップさせる方法はいくつかあります。
具体的な3つの方法について解説します。

昇進する

年収をアップさせるもっとも効果的な方法は、やはり管理職ポストに就くことです。
調剤薬局の管理職は、管理薬剤師や薬局長になります。
参考までに、管理薬剤師の平均年収を見てみると、下の表のように700万~900万円と非常に高水準となっています。

管理薬剤師 男女平均 最大年収
保険薬局 開設者別 法人の場合 7,348,725 7,363,108 (法人)
保険薬局 店舗数別 個人薬局の場合 7,348,725 9,331,192 (1店舗のみ)

厚生労働省/中央社会保険医療協議会「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)令和5年実施」 より

管理職に就くためには、まずは自分自身のスキルを磨くことを心がけましょう。
薬剤の知識を深めるために勉強し、研修などにも積極的に参加して、スキルの研鑽に努めましょう。

管理職に求められる能力として、人材育成やマネジメントの力も必要です。周囲のスタッフと良好な関係を築き、薬局全体を効率良く管理運営していく方法などについて、折に触れ学んでおくことをおすすめします。

役職手当はいくら加算されるのかということも、事前に調べておくとよいでしょう。
薬局によって手当の額は違います。納得できる金額かどうか早めに調べておいてから、今後のキャリアプランを立てるようにしましょう。

資格を取得する

資格の取得により、年収アップの可能性が出てきます。
薬剤師が取得する主な資格は認定薬剤師と専門薬剤師になります。どちらも一定期間以上の講習を受け、実地研修などを経て取得します。
資格手当の額は勤務先にもよりますが、一般的には月々数千円の加算となるところが多いようです。

資格を持つと、他の薬剤師との差別化にもなり、転職などの際にも有利に働きます。
また、その後の昇進においても大きなポイントになります。
ただし、どの薬局でも資格手当が支給されるとは限りません。
今の職場が資格手当を支給してくれるかどうかは事前に必ずチェックしておきましょう。

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転職する

今の職場では昇進の可能性が低く、資格手当も支給されないというような場合には、転職による年収アップを検討してみてもいいでしょう。
ドラッグストアなどの他業種へ転職をする方法もありますし、同じ調剤薬局でも、今より好条件の薬局を探して転職することもできます。

勤務地にこだわりがないなら、薬剤師が不足している地方を視野に入れてみるのもいいかもしれません。
地方は薬剤師不足を補うため、首都圏や大都市よりも高い年収を条件にしているところが多くあります。

転職を検討する際は、年収や労働条件だけではなく、昇給率についても調べてみてください。キャリアアップがしやすい職場かどうかで、その後の年収の上がり方も違ってきます。

ただ、給与についての情報はわかりにくいものです。詳細な情報を事前に入手するために、転職エージェントも利用してみましょう。
転職エージェントに登録すると、自分の希望に合った転職先をピックアップしてくれるだけではなく、その後のキャリアアップに最適な職場について、的確なアドバイスがもらえます。

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まとめ

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調剤薬局薬剤師は定期昇給が少なく、昇進のチャンスも少ない場合が多いですが、年収アップのためにできることはいくつかあります。
具体的には昇進に備えての自己研鑽や資格の取得があげられるでしょう。
コミュニケーション能力を磨くことも大事です。

薬剤師業界のなかで、調剤薬局薬剤師の年収は決して低い方ではありませんが、現在の職場で今以上の昇給が望めそうにない場合は、より好条件の職場への転職も視野に入れるといいでしょう。
転職を検討する際は、転職エージェントを上手に利用して、年収アップを実現させましょう。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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