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藤田氏が解説!2020年度調剤報酬改定のポイント・まとめ

更新日: 2020年8月14日

2020年の地域支援体制加算の評価・算定要件変更について分かりやすく解説

調剤基本料の加算である「地域支援体制加算」。2018年度調剤報酬改定でそれまでの「基準調剤加算」が廃止され、新たに「地域支援体制加算」として新設された経緯があります。2020年度改定では点数が35点から38点に増額され、併せて実績要件も見直されました。ここでは地域支援体制加算の評価、算定要件、改定後の実績について見ていきます。

体制よりも実績を評価―地域支援体制加算の概要

2018年度改定で新設された地域支援体制加算は、かかりつけ薬剤師による適切な薬学的管理の提供をはじめ、在宅医療などあらゆる処方箋に対応する調剤サービス、安全性向上に対する取り組みなど、文字通り、地域医療に貢献する薬局を実績に基づいて評価する点数です。それまでの基準調剤加算は主として薬局の体制整備を評価する項目であったことに比べ、体制よりも実績を重視する項目であることがわかります。
この狙いについて、厚労省の担当者は、「地域医療にしっかり貢献しているという加算を取るのであれば、しっかりとした実績を示すべきというのが2018年度改定の趣旨。2020年度改定でもそこを踏襲した」述べており、実績主義を貫く姿勢を示しています。

地域支援体制加算の変更点

20年度改定では、調剤基本料1の薬局で地域支援体制加算の要件を一部厳格化する一方、基本料1以外の薬局は若干緩和されました。(詳しくは「改定の全体像と「調剤基本料」「調剤料」のポイント3」 をご覧ください)
基本料1の従来の要件は、いずれも薬局単位で、

  • 麻薬小売業者の免許取得
  • 直近1年間に在宅実績がある
  • かかりつけ薬剤師指導料・かかりつけ薬剤師包括管理料の届け出

の全てを満たすことが要件でしたが、20年度改定では、②の在宅実績を「12回以上」に増やして厳格化しました。また、①~③に加え、年間で「服薬情報等の文書での提供12回以上」「薬剤師研修認定制度等の研修を修了した薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席」のいずれかを満たすことが新たな要件としました。
ただし、猶予期間があり、2021年4月から適用となり、同年3月末までは従来通りの扱いです。
一方、基本料1以外の薬局では、従来の8要件のうち、「麻薬指導管理加算10回以上」の要件を「調剤料の麻薬加算10回以上」に見直しました。麻薬指導管理加算は、電話等により定期的に、麻薬の服用状況や残薬の状況及び保管状況について確認し、必要な指導を行う、など算定要件が厳しかったこと、期間中に患者が亡くなるなどの状況がある点に配慮し、調剤料の麻薬加算に置き換えたものです。
基本料1の薬局と同様に新たに盛り込んだ薬剤師の多職種連携会議の出席要件は、基本料1の薬局では「1回以上」ですが、基本料1以外の薬局では「5回以上」と差をつけています。新設を含む9要件のうち8項目を満たしていることが、新たな実績要件となりました。多職種連携会議の出席は薬局単位ですが、他は常勤薬剤師1人当たりの年間件数です。

地域医療に貢献する体制を有する実績(赤字は20年度改定で新設)
調剤基本料1の薬局
(①~③は必須、④、⑤のいずれか)
調剤基本料1以外の薬局
(9項目中8項目以上)
① 麻薬小売業者の免許取得
② 在宅患者薬剤管理の実績12回以上
③ かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出
④ 服薬情報等提供料の実績12回以上
⑤ 研修認定薬剤師が地域の多職種連携の会議に出席1回以上


【経過措置:実績要件は2021年4月1日より適用。
2021年3月31日までの間は現在の規定を適用】
① 夜間・休日等の対応実績400回以上
② 麻薬の調剤実績10回以上
③ 重複投薬・相互作用等防止加算等の実績40回以上
④ かかりつけ薬剤師指導料等の実績40回以上
⑤ 外来服薬支援料の実績12回以上
⑥ 服用薬剤調整支援料の実績1回以上
⑦ 単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績12回以上
⑧ 服薬情報等提供料の実績60回以上
⑨ 研修認定薬剤師が地域の多職種連携の会議に5回以上出席

地域支援体制加算の算定状況

地域支援体制加算について、大手調剤薬局で構成する日本保険薬局協会(NphA)が会員社の管理薬剤師を対象としたアンケート(回答数:3881薬局)では、地域支援体制加算の算定要件の達成見込みについて、基本料1の薬局では、「可能」が47.2%であったのに対し、「困難」「極めて困難」を合わせ、52.7%でした。
2018年度改定を受けた2019年4月1日時点の地域支援体制加算届出数は、地方厚生局への届出状況によると、1万6286薬局(全保険薬局の27.9%)となっていました。これと比較すれば2020年度改定を受けた届出件数はある程度増加するものと見られます。
一方、上記アンケートで「地域支援体制加算の算定要件達成」が「困難」とした理由は、

  • 地域の多職種連携への参加1回以上(62.6%)
  • 服薬情報等提供料の実績12回以上(55.6%)
  • 在宅実績12回以上(41.0%)
  • かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出(12.7%)
  • 麻薬小売免許の取得(1.2%)

となっており、多職種連携や服薬情報提供料をクリアすることが難しいと考えていることがわかりました。とくに多職種連携会議(地域ケア会議)については、「ない」「ほとんどない」「予定もない」を合わせて8割にも上り、この点がネックになっています。

対応策-薬局からの働きかけ

近年の調剤報酬改定は、服用薬に対する薬局・薬剤師の役割の明確化、地域包括ケアシステムを睨んだ他職種連携など、地域医療への貢献が重視されています。外来患者に対して薬剤を交付するだけの調剤特化型のスタイルは通用しない時代に入ったといえます。その象徴が地域支援体制加算であり、今回新設された「特定薬剤管理指導加算2」「調剤後薬剤管理指導加算」「服薬調整支援料2」などです。
いずれも多職種連携が基本になっており、他職種からのアプローチを待つのではなく、薬局側から積極的に働きかけることがポイントとなります。そのためには病院であれば、まず薬剤部と連携して信頼を醸成し、退院時カンファレンスに呼んでもらうなどの働きかけが必要です。医療機関や介護施設に薬局ができることを知らないケースがほとんどであり、そうであれば薬局側からのアプローチは不可欠です。

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藤田 道男
ふじた みちお

中央大学法学部卒。医薬関係の出版社、(株)じほう編集局に勤務し、各種媒体の編集長を歴任。退職後フリーの医薬ジャーナリストとして取材・執筆、講演活動を行う。
2010年、薬局薬剤師の教育研修のために一般社団法人「次世代薬局研究会2025」を立ち上げ、代表を務める。
主な著書は『2025年の薬局・薬剤師 未来を拓く20の提言』『かかりつけ薬局50選』『残る薬剤師 消える薬剤師』など多数。
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