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藤田氏が解説!2020年度調剤報酬改定のポイント・まとめ

更新日: 2020年8月15日

一包化加算のメリット・デメリット・算定時の注意点を紹介

調剤報酬における一包化加算とは

医薬分業で薬剤師が関与することによる調剤技術料は、調剤基本料、調剤料、薬学管理料、および各種加算で構成されています。加算は、調剤基本料、調剤料、薬学管理料にそれぞれ設定されていますが、固定ではなく、加算点数の元となっている点数に一定の要件を満たした場合にのみ算定できます
加算は「後発医薬品調剤体制加算」のように、「数量割合80%以上」などと、加算が掲げる目標が達成された暁には削除されることも想定しておきましょう。ここでは調剤料の加算である「一包化加算」について解説します。
なお、2019年10月1日から実施された消費税増税に伴い、調剤報酬のうち、調剤基本料、一包化加算、無菌製剤処理加算、かかりつけ薬剤師包括管理料が改定されており、本稿でも消費税対応後の点数で記述しています。

一包化加算とは

調剤料の一包化加算の項には、「2剤以上の内服薬、または1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する」とあります。
一包化とは、「服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤、または1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。 なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである」とされています。
上記の定義を補足すると、2種類以上の内服薬固形剤で、朝食後と夕食後のように服用時点が重複しない場合は算定できません。朝食後と朝夕食後のような場合のみ一包化が可能です。
内服用固形剤とは、錠剤やカプセルだけでなく散剤も該当します。
ここで注意しなければならないのは同用法の散剤が3種類以上出ていた場合は、一包化加算ではなく計量混合加算を算定することです。散剤2種と錠剤1種を混ぜて一包化する場合は一包化加算を算定します。

一包化のメリット、要件

一包化のメリットは、多種類の薬剤が投与されている患者にしばしばみられる、薬剤の飲み忘れや誤服用などを防止すること、また心身の特性により(例えばリウマチ、パーキンソン病)、被包から直接錠剤などを取り出して服用することが困難な患者に配慮することにあります。
厚労省が平成22年(2010)に発出した課長通知では、「PTP包装シート誤飲防止対策について「高齢者、誤飲の可能性のある患者及び自ら医薬品の管理が困難と思われる患者については、必要に応じて一包化による処方を検討すること。なお、薬局においても一包化による調剤の対象となるかどうかを検討し、必要に応じて処方医に照会の上、一包化による調剤を実施すること」と注意喚起及び周知徹底を求めています。
一包化の要件には、「医師の指示」が不可欠となっており、薬剤師が一包化の必要性を認めた場合でも医師の指示を仰ぐ必要があります。薬剤師の独断や患者の希望のみでは一包化加算を算定することはできず、医師の指示が得られた場合、薬歴と調剤録に医師の指示内容とともに一包化の必要性を記載する必要があります。
なお、光や湿度に対する安定性の問題で一包化に適さない薬剤も存在します。添付文書にはある程度記載がありますが、詳しい情報はインタビューフォームやメーカーに直接聞かないとわからないこともあります。薬局現場としてはこの点にも留意する必要があります。

資料1.別添:調剤報酬点数表に関する事項(厚労省) 

一包化加算の取扱いは、以下のとおりとすること。

  1. 一包化加算は、処方箋の受付1回につき1回算定できるものであり、投与日数が42 日分以下の場合には、一包化を行った投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算した点数を、投与日数が43 日分以上の場合には、投与日数にかかわらず240点を所定点数に加算する。
  2. 一包化とは、服用時点の異なる2種類以上の内服用固形剤又は1剤であっても3種類以上の内服用固形剤が処方されているとき、その種類にかかわらず服用時点ごとに一包として患者に投与することをいう。なお、一包化に当たっては、錠剤等は直接の被包から取り出した後行うものである。
  3. 一包化は、多種類の薬剤が投与されている患者においてしばしばみられる薬剤の飲み忘れ、飲み誤りを防止すること又は心身の特性により錠剤等を直接の被包から取り出して服用することが困難な患者に配慮することを目的とし、治療上の必要性が認められる場合に、医師の了解を得た上で行うものである。
  4. 薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨及び一包化の理由を調剤録等に記載する。
  5. 患者の服薬及び服用する薬剤の識別を容易にすること等の観点から、錠剤と散剤を別々に一包化した場合、臨時の投薬に係る内服用固形剤とそれ以外の内服用固形剤を別々に一包化した場合等も算定できるが、処方箋の受付1回につき1回に限り算定する。
  6. 同一薬局で同一処方箋に係る分割調剤(「区分番号00」の調剤基本料の「注7」又は「注8」に係る分割調剤に限る。)をした上で、2回目以降の調剤について一包化を行った場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数を所定点数に加算する。
  7. 一包化加算を算定した範囲の薬剤については、自家製剤加算(「区分番号01」の「注6」に規定する加算をいう。以下同じ。)及び計量混合調剤加算(「区分番号01」の「注7」に規定する加算をいう。以下同じ。)は算定できない。

一包化のデメリット、注意点

一包化にはメリットのほかにデメリットもあります。
具体的には次の5つで特に①~③が重要です。
①いわゆるバラした錠剤の準備やPTPシートから錠剤を取り出す作業、および一包ごとの調剤薬鑑査が必要となるために調剤時間が長くなる
②医薬品数が多い場合は調剤業務や鑑査業務が複雑となり、間違えるリスクが高くなる
③シートから取り出された錠剤が誤っていた場合、一包化調剤後には薬剤師や患者が誤った薬剤を同定することが容易ではなく、そのまま薬が交付され患者が服用する可能性がある
④シートから取り出された状態で薬剤を交付するため、患者が薬剤を服用するまで、交付した薬剤が光や湿度に対して安定であることも考慮して調剤し、安定性など処方内容に問題がある場合は処方医に疑義照会を行う必要がある
⑤患者に正しい保管方法を指導する必要がある
患者に薬剤を交付する前、および交付後の薬剤の状態まで注意して患者に説明する必要があることが挙げられます。

一包化加算の算定方法

一包化加算の算定は「2剤以上の内服薬又は1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、次に掲げる点数を所定点数に加算する」―とあり、以下のように設定されています。


資料2.一包化加算
  1. 42日分以下の場合投与日数が7又はその端数を増すごとに34点を加算して得た点数
  2. 43日分以上の場合240点

資料3.一包化加算の算定点数
1週以内 1~7日  34点
2週以内 8~14日  68点
3週以内 15~21日  102点
4週以内 22~28日  136点
5週以内 29~35日  170点
6週以内 36~42日  204点
6週以上 43日以上  240点
2019年10月消費税増税を反映

具体的に算定方法を考えてみます。以下の処方例1.では服用時点が朝食後と朝夕食後であり、「2剤」。朝食後で服用時点が重なっており、算定要件を満たしています。投与日数が28日であり、34×4=136点を算定することができます。
一方、処方例2.は服用時点が同じで「1剤」ですが3種類あるので34点の算定が可能です。 処方例3.では服用時点に重複はありませんが、1つの飲み方に3種類あり、算定できます。要は、「2種類の飲み方をまとめる」もしくは「1種類の飲み方で3種類以上の薬剤をまとめる」のどちらかの条件を満たしていれば算定できることになります。

処方例1.
  1. Aカプセル 1カプセル 朝食後 28日分
  2. B錠 1錠 朝食後 28日分
  3. C錠 2錠 朝夕食後 28日分

処方例2.
  1. A錠 1錠 夕食後 7日分
  2. B錠 1錠 夕食後 7日分
  3. C錠 2錠 夕食後 7日分

処方例3.
  1. A錠 5錠 朝食後 7日分
  2. B錠 5錠 朝食後 7日分
  3. C錠 5錠 朝食後 7日分
  4. D錠 1錠 夕食後 7日分

一包化加算、算定上の注意

前述の厚労省の別添資料「調剤報酬点数表に関する事項」には「自家製剤加算及び計量混合調剤加算は算定できない」とあります。例えば 錠剤が3種類出ており、2種類は毎食後1錠、1種類が毎食後0.5錠の場合、3種類なので一包化の算定は可能です。ただし、0.5錠は半錠にするため、一包化にすると、自家製剤加算は算定できません。
計量混合加算との関係では、錠剤が毎食後2種類、散剤が朝食後2種類出ている場合、服用時点が重なるため、一包化加算は算定できますが、計量混合加算は算定できません。この場合、一包化加算を算定しなければ計量混合加算の算定は可能です。どちらで算定するかの優先順位はないので、どちらで算定するかは薬局の判断になります。

※参考 一包化加算に関する厚労省の疑義解釈資料

【一包化加算】平成27年2月3日
(問1)処方された薬剤を一包化する際に、吸湿性が強い等の理由で直接の被包(PTPシート)から取り出すことができない薬剤をPTPシートで交付するなど一包化とは別にした場合であっても、その薬剤を除いて一包化した部分が算定要件を満たしていれば一包化加算を算定できるか。
(答)算定して差し支えない。この場合、一包化をしなかった薬剤及びその理由を調剤録等に記録しておくことが望ましい。

(問2)一包化加算の算定に当たっては、同一銘柄の同一剤形で規格のみが異なる薬剤が同時に調剤された場合(例えば0.5mg錠と1mg錠)は1種類として取り扱うことでよいか。
(答)貴見のとおり。

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藤田 道男
ふじた みちお

中央大学法学部卒。医薬関係の出版社、(株)じほう編集局に勤務し、各種媒体の編集長を歴任。退職後フリーの医薬ジャーナリストとして取材・執筆、講演活動を行う。
2010年、薬局薬剤師の教育研修のために一般社団法人「次世代薬局研究会2025」を立ち上げ、代表を務める。
主な著書は『2025年の薬局・薬剤師 未来を拓く20の提言』『かかりつけ薬局50選』『残る薬剤師 消える薬剤師』など多数。
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