「妊娠中・妊娠希望のうつ患者の薬剤選択と説明」について専門医が回答
処方箋や投薬に関する薬剤師の疑問のうち、疑義照会で解決しづらいものについて、m3.com医師会員<エキスパート>からの回答を掲載します。
Q. 妊娠中・妊娠希望のうつ患者の薬剤選択とリスクに関する説明
妊娠中、または妊娠を希望しているうつ病患者に対する抗うつ薬の選択はどのようにされていますか。
また、胎児への影響を患者に説明する際、リスクに関する説明にいつも迷ってしまいます。工夫されている点や、特に重視されているポイントがありましたらご教示いただけますと幸いです。
50代/病院・診療所勤務
11名の「精神科」「産婦人科」医師の回答を紹介します。
医師回答のまとめ
妊娠中・妊娠希望のうつ病患者では、各種ガイドライン等を参考にしながら、重症度や治療歴を踏まえて薬剤を選択します。服薬指導では、抗うつ薬のリスクだけでなく未治療による影響も説明し、自己判断での中止を防ぐ支援が重要です。
諌山 博之先生の回答
抗うつ剤・向精神薬については、妊婦に対する安全性のガイドラインがありますので、メリット、デメリットを本人やパートナー、家族に対してしっかり説明します。自分の意見としてでなく、あくまでも信頼できるエビデンスに基づいた説明として行うのが肝要かと思います。
60代/精神科病院/精神科
精神科先生の回答
患者さんには、抗うつ薬によるリスクだけでなく、うつ病を治療しないことによる母体・胎児への影響も含めてお話しするようにしています。多くの抗うつ薬では先天異常のリスク上昇は限定的とされますが、「絶対に安全」「絶対に危険」とは言えないことも率直に伝えます。妊娠希望や妊娠中だからと自己判断で中止するのではなく、これまでの再発歴や重症度を踏まえ、産科とも連携しながら、その方にとって最も利益の大きい治療を一緒に考える姿勢が大切なのではないでしょうか。
50代/一般病院/精神科