「認知症へのコリンエステラーゼ阻害薬の使い分け」について専門医が回答
処方箋や投薬に関する薬剤師の疑問のうち、疑義照会で解決しづらいものについて、m3.com医師会員<エキスパート>からの回答を掲載します。
Q. 認知症にコリンエステラーゼ阻害薬はどう使い分けている?
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3剤について、実臨床ではどのような観点で使い分けをされているのでしょうか。ご教示いただければ幸いです。 30代/病院・診療所勤務
5名の「脳・神経科」医師の回答を紹介します。
医師回答のまとめ
薬剤の効果だけでなく、認知症の病型や副作用、剤形、服薬管理のしやすさなどを考慮して使い分けます。内服薬で第一選択となりやすいのはドネペジルであり、内服が難しい場合はリバスチグミン貼付剤を選択します。ガランタミンは1日2回のため、服薬アドヒアランスに注意が必要です。
神経内科先生の回答
基本的にはドネペジル内服かリバスチグミン貼付のどちらかで開始します。内服薬が増えることや副作用が生じることを考慮するとリバスチグミン貼付の方が多いです。ガランタミンも良い薬ですが、1日2回内服をしないといけない薬なので内服アドヒアランスの面からは、あまり処方しないです。
50代/一般病院/神経内科
脳神経内科先生の回答
「どれが最も効くか」というより、認知症の病型、副作用、剤形、服薬管理のしやすさを考慮して使い分けることが多いです。
ドネペジルは1日1回投与で少量から開始しやすく、アルツハイマー型認知症では第一選択として検討しやすい薬剤です。日本ではレビー小体型認知症にも適応があります。ただし、消化器症状や徐脈、失神、食欲低下などの副作用には注意が必要です。内服でのドネペジルの使用経験を活かしつつ、貼付剤にも切り替えられるのは利点だと思います。
ガランタミンは、アルツハイマー型認知症で比較的軽症から中等症の方に使いやすい印象です。ドネペジルで副作用がみられた場合や、効果が十分でない場合の変更先として検討することがあります。1日2回内服が基本のため、服薬管理ができるかどうかは確認が必要です。
リバスチグミンは貼付剤であり、内服管理が難しい方や嚥下に不安がある方、または介護者が貼付剤の方が管理しやすい場合などに選択肢となります。皮膚障害には注意が必要です。
いずれも認知症を治す薬ではなく、症状の進行を緩やかにすることを目的に使用します。副作用に注意し、患者さんの生活状況や介護者の管理能力も含めて薬剤を選択することが重要です。
40代/一般病院/脳神経内科