「抗EGFR抗体薬使用時の頭部スキンケア」を消化器科・皮膚科医が回答
処方箋や投薬に関する薬剤師の疑問のうち、疑義照会で解決しづらいものについて、m3.com医師会員<エキスパート>からの回答を掲載します。
Q. 抗EGFR抗体薬を使用中の患者に対する頭部のスキンケア方法
抗EGFR抗体薬を使用中の患者に対し、皮膚障害予防として全身の保湿指導は行うようにしていますが、頭部に対する保湿については十分に指導できていないことがあります。頭皮にはローションタイプの保湿剤を十分に使用するよう指導するのがよいでしょうか。また、シャンプーの選び方などについて参考となる指針や考え方があればご教示いただけますと幸いです。 40代/病院・診療所勤務
4名の「消化器科」「皮膚科」医師の回答を紹介します。
医師回答のまとめ
抗EGFR抗体薬による皮膚障害は頭皮にも生じるため、予防的なスキンケアが重要です。保湿剤は乾燥の程度や毛髪量に応じて剤形を選び、シャンプーは低刺激のものを使用するのがよいでしょう。皮膚障害が生じた場合は、症状に応じた治療を行い、改善しない場合は早めに皮膚科へ相談してもらうことが大切です。
岩田 朋晃先生の回答
肝臓専門医です。肝細胞癌に対して、以前から分子標的薬などを使用しておりますが、抗EGFR抗体薬使用時も「症状が出る前の予防的スキンケア」が重要であり、その旨を患者さんにお伝えしております。
市販の乳液などの保湿でも良いとは思いますが、私自身はヘパリン類似物質ローションを処方しております。頭皮に対しても使用することができるため、シャンプー後に使用するように指導しています。(製剤のタイプによって、ピリピリ感が出るものがあるので注意しています。)
シャンプー自体は、洗浄力や刺激が強いものは避けること、ゴシゴシ頭を洗いすぎないことを中心にお伝えしています。
40代/特定機能病院/消化器内科
河上 洋先生の回答
清潔環境を整えて、湿疹にはステロイド外用を使用するのが基本だと思います。
残った毛髪や帽子・ウィッグによる蒸れは増悪因子になるので、髪を短くカットすることや、室内では帽子・ウィッグを外すことをすすめます。
頭部には軟膏が塗布しにくいため、ローションタイプのステロイドをよく使用します。内服ではミノサイクリンを使用していなければ、試してみてもよいかもしれません。私見ですが、抗EGFR抗体薬使用の際には、特に回避すべき事情がなければ全例予防使用としています。
シャンプーは市販のものでは刺激の少ないもの、医薬品ではコムクロシャンプー(ステロイド含有)があります。上記の一次治療を実施した上で改善がない、または増悪する場合は、早めに皮膚科に相談してもらうことも心掛けています。
50代/特定機能病院/消化器内科