まずは第一歩!患者さんは「ここ!」を見ている
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せっかく豊富な知識や経験があるのに「コミュニケーション」が苦手で、なかなかうまく患者さんに接することができない、地域医療に貢献することができない・・・そんな悩みを抱えている薬剤師は多いと思います。話し方や接し方が上手で、多くの患者さんの心を掴む薬剤師、医師や看護師からも頼られる薬剤師、地域イベントで人気の薬剤師と、いったい何が違うのでしょうか。
そこには、”埋めることができないほどの大きな溝”はありません。実は、ほんのちょっとの心がけ、ほんのちょっとの工夫で、相手に与える印象は大きく変えることができるのです。
そこで本連載では、様々な職種の「接客の達人」に、薬剤師にこそ取り組んでほしい接客のコツを色々と語っていただきます。コミュニケーションに苦手意識を抱いている人は、ぜひ真似できるところから業務に取り入れていただければと思います。
スタイリストの髙野さんに聞く、薬剤師の「外見力」
「コミュニケーション」と「外見」はあまり関係ないようにも思えますが、実はそうでもありません。
ここで極端な例ですが、①ネクタイをせず、白衣もズボンもブカブカで、襟や袖周りが汚れている薬剤師と、②着丈にあった服装で清潔感のある格好をしている薬剤師が、服薬指導で全く同じことを言っていたとします。どちらの服薬指導に、より説得力を感じるでしょうか。
「意外と見られているのが”薬剤師の身だしなみ”」
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恐らく、多くの人が②後者の服薬指導と答えるでしょう。
いくら豊富な知識があって、丁寧な話し方ができていたとしても、「外見」が整っていないと、その良さを十分に活かし切れないことになってしまう…ということです。そういった意味で、自分が相手からどんな風に見られているのか、接客の際の自らの「外見」を意識することはとても重要と言えます。
そこで今回は、アパレル業界に16年携わり、現在南麻布でスタイリストとして活躍されている髙野大輝さんに、薬剤師という医療職が意識したい接客の”コツ”や”心構え”を、服装の観点から伺いました。
自分の着ている服のケアを始めることが重要
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チームとして統一感をもたせる
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濃紺が最強?-服装の基本を知る-
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薬剤師の白衣は、作業着であると同時に、患者さんと接する際の応接用の服装でもあります。清潔感だけでなく、シルエットや色使いも意識できると良いですね。
白衣がメインとは言え、全身が真っ白なのはやや圧迫感を与えてしまう可能性もあります。「濃紺」をうまく使って、落ち着いた印象を与えられる服装を考えたいところです。
目立たない落ち着きがある服装が、説得力の底上げに
今回は、薬剤師でも考えたい「外見」について、服装という観点からスタイリスト髙野大輝さんにお話をお伺いしました。
コミュニケーションを苦手に感じている薬剤師が、いきなりコミュニケーションの上達を目指すのはなかなか難しいことです。そんな時は、患者さんへの接し方を「外見」という別の角度から一度考えてみるのは、良いアプローチになると思います。
日々の業務や薬の勉強に忙しい薬剤師にとって、服装まで気を回す余裕はあまりないかもしれませんが、まずは「洋服のケア」・・・普段から使っている白衣やスーツのケアを心がけ、自分の服装が相手にどのような印象を与えているかを意識することから始めてみてはいかがでしょうか。何か1つ自分に自信を持てるようになると、きっと相手に与える印象は大きく変わってくるはずです。
次回は、これらの服装の基本に加えて、さらに詳細な「外見」について解説していただきます。