元JALキャビンアテンダントに聞く、接客の極意
第3回では、「第一印象を良くすることによって、話しかけやすい雰囲気を作ること」などをテーマにお話しました。薬剤師の仕事では、服薬指導で患者さんに伝える内容やお薬の話に目がいきがちですが、服薬指導の前後の印象もまた、コミュニケーションに大きく関わることが分かりました。
第4回目の今回も、JALのキャビンアテンダントとして国内線や国際線、ファーストクラスなどで10年活躍された田中智子さんに、薬剤師という医療職が患者さんと接する際に意識したいポイントについてお伺いしました。
今回は、前回よりも具体的に、CAさんとしてどのような方法でお客さんと接していたのかを、薬剤師にも役立つ形で紹介します。そして、自分1人ではなくチームとして満足のいくサービスを提供し、どのようにリスクに備えていたのかをお伝えします。
一見、CAと薬剤師は全く違う職業のように見えますが、共通点や参考になる点が多くありました。ぜひ明日から、患者さんとのコミュニケーションの参考にしてみてください。
薬剤師にも役立つ、相手と接する際のポイント
CAさんが接客のプロとして、細かなところに気配りをしていることが伝わりました。私たち薬剤師も、患者さんと接するという意味では接客業であると言えます。『お大事に』の一言でも、パソコンを眺めながら言うのと、患者さんを見て言うのでは大きく違います。些細なことかもしれませんが、常に意識するのが重要です。
お客さんの前ではプロとして気持ちを切り替える
前回、取り上げた外見の話が自然と話題になりました。CAさんは制服を、薬剤師は白衣を着るとスイッチが入ると思います。プロとして気持ちの切り替えをすることも、コミュニケーションにとって重要です。
コミュニケーションが重要になるのはお客さんだけではない
チームとして患者さんに接しているという意識を大事にする
「外見」をテーマに取り上げた際にも、”チーム”としての見せ方”が重要になるという話がありました。今回も、チームとしてどのようにお客さんと接するかについての話を聞くことができました。
コミュニケーションを考える場合、相手と自分というように1対1のシチュエーションを想定することが多いでしょう。しかし、患者さんから見たときに、この病院にいる薬剤師、この薬局にいる薬剤師、という風に見られています。そのため、自分1人だけではなく病院全体として、薬局全体として患者さんにより良い印象を届けるという意識を持つことはとても重要であると言えます。
今回のお話にあった接客のコツをできるところから取り入れ、そして自分が所属する組織はどのように患者さんと接しているのかを考えるきっかけにしてもらえると嬉しいです。
次回は、「患者さんからうまく話を聞き出すためのコツ」を接客のプロにインタビューしてお届けします。