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企業薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年3月30日 薬剤師コラム編集部

MRに転職したい薬剤師が知っておくべきこと。資格は必要?年収はいくら?

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MRは製薬会社の営業職です。以前、MRが主人公のドラマが放送されていたこともあり、一般の方にもMRという職種が広く認識されるようになりました。
薬剤師資格を生かしながら一般企業で働きたいと、薬剤師からMRへの転職を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、MRの仕事内容や薬剤師との違い、転職の実情について紹介します。

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MRの仕事内容は?

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同じ医薬品関係の仕事といっても、調剤薬局や病院での仕事とMRの業務内容はまったく違います。
まず、MRはどんな仕事をしているのか、その内容について紹介します。

製薬会社の営業担当者

MR(Medical Representative)は製薬会社の営業職です。医師や看護師、薬剤師などに自社の医薬品を紹介し、採用してもらうことが中心となる業務です。
そのために、自社製品に関する情報を提供し、信頼を獲得することが重要となります。

営業活動として、病院などの医療機関への訪問、自社製品の説明会(プレゼン)などを行います。
また、直接的な営業ではありませんが、広く製品をアピールするために、医療にかかわる講演会の企画・運営、学会の運営を行うこともあります。

このように、MRから医師への情報提供をすることもあれば、医師同士の情報共有のサポートをすることもあるのです。

また、医療現場で生じた治療上の疑問や薬剤に関する悩みを会社のスタッフに伝え、製品開発の参考にしてもらうという役割もあります。

たとえば、「高齢者が飲みやすいサイズ・剤形が求められている」という要望を会社に伝え、その要望をもとに新しい剤形の薬が開発されるといったことです。

また、患者会や勉強会などを通じて、患者さんやその家族から治療薬に関する意見を収集する役割もあります。たとえば、患者さんの「薬の副作用によって生活に支障をきたしている」という声を届けることで、会社により負担の少ない薬への改善を促すこともできます。

このように、MRは単なる営業職にとどまらず、医療現場を陰ながら支える存在です。

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薬剤師の仕事との違い

病院や調剤薬局で働く薬剤師は、調剤と服薬指導、薬の管理などが仕事の中心です。
MRは、医薬品を医療現場の医師や薬剤師などに紹介したり、さまざまな情報提供をしたりする仕事です。
どちらも医薬品に携わる職種ですが、その役割や業務内容、職場環境においては大きな違いがあります。

MRは患者さんと接する機会はほとんどありませんが、医師や薬剤師、看護師へ情報提供をすることによって、必要とする患者さんに適切な医薬品が使われるようにサポートしています。

医療従事者にとって医薬品の有効性や副作用に関する正確な情報は治療の選択に影響する非常に重要な情報です。
たとえば、新しい抗がん剤が登場した際、その効果や副作用、他の治療法との併用の注意点などについてMRが情報を提供することで、医師は治療方針を考えやすくなります。抗がん剤の選択や副作用予防の処置が患者のQOL(生活の質)にも大きく影響します。

病院や調剤薬局で働く薬剤師は、直接患者さんに薬を提供して、患者さんの健康に貢献しています。日々の仕事のなかで、患者さん自身から「ありがとう」のことばをもらうことができます。
MRはそのように直接患者さんと接することはありません。しかし、MRの存在は患者さんにとって間接的ですが、非常に重要だと言えます。

また、薬剤師は働く場所にもよりますが、あまり自分の職場の売上のことを考えることはないといえます。売上を考えるよりも患者さんの健康を考えるほうが優先されるでしょう。

一方で、MRは売上という数字で評価される職業です。売上が上がればまわりから評価され、給与も上がります。売上が上がらなければ、どんなに話がうまくても、医師に好かれたとしても評価には結びつきません。
その点は他の薬剤師の仕事との大きな違いだと言えます。

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MRに必要な資格は?

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このように、MRは医師や現場の薬剤師に医薬品についての情報提供を行う仕事ですが、そのためにはMR自身が医療や医薬品について幅広い知識を持ち、きちんと理解しておかなければなりません。

高度なスキルが必要とされるMRですが、その仕事に就くためには何か資格が必要なのでしょうか。

MRに薬剤師免許は不要

実は、MRとして製薬会社に勤務するにあたって薬剤師免許は必須ではありません。新卒採用時においても、4年制の理系・文系の学生が応募することが可能となっています。MRになるために必須な資格というのは何もないのです。
ただ、医薬品についてまったく知識や興味のない人が応募しても採用されることは難しいでしょう。

実際には、薬剤師免許を持っていることが採用には有利に働きます。
MRは働き始めたあとも、日々進歩していく医療現場についていくための勉強が欠かせません。医師と話をする際にも、薬剤師免許を持っていることが信頼感を後押しするでしょう。また、勉強を続けることも、薬学部を卒業した薬剤師にとっては苦にならないのではないでしょうか。

MR認定試験とは

MRとしての基礎的な医療知識を保有していることを担保する資格として、「MR認定試験」があります。
この資格もMRに必須の資格ではありませんが、実際にMRに採用されて働く際には取得することが推奨される資格です。

MR認定試験はMR教育研修センターが実施する試験で、医薬品に関する知識や医療倫理に関する問題が出題されます。具体的には「医薬品情報:薬理学、薬剤学、添付文書の統合」「疾病と治療:医薬概論とPMSの統合」「MR総論」の3科目で構成されています。

薬剤師国家試験に合格している場合は指定の試験科目が免除されます。薬剤師資格を保有していれば「MR総論」のみ受験すればいいので、合格のハードルは低いと言えるでしょう。

試験に合格すると、MR認定証を得ることができます。MR認定証は5年ごとの更新が必要です。

ちなみに、MR認定制度において、MRは「企業を代表し、医薬品の適正使用並びに薬物療法の向上に貢献するために、医療関係者と面談又は、電子ツール等を用いた情報交流を通じて、医薬品の品質・有効性・安全性等に関する情報提供・収集・伝達を主な業務として行う者」と定義されており、「情報提供・収集・伝達」が主な業務となっています。

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MRの年収

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製薬会社のMRは、他の営業職と比べても高めの収入が見込める職種です。
薬剤師は一般的に高年収のため、MRの平均年収も薬剤師の平均年収とさほど変わりありません。ですが、外資系や大手製薬会社では年収1000万円を超えることもあり、能力と働き方によっては高収入を実現することもできます。

一方、中小企業や後発品会社のMRではそこまでの高収入は期待できないかもしれません。

MRは営業職のため、そのMR個人の能力で給与が決まります。売上を上げればインセンティブがつき、大幅な給与アップに結びつきます。高年収をめざす人にはやりがいがある仕事だと言えるでしょう。

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MRに向いている人

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このように、やりがいもあり高年収も期待できるMRには、医薬品に対する知識や理解と営業スキルという異なる能力が必要となります。ここでは、どのような人がMRに向いているのかを、4つのタイプに分けて解説します。

1.コミュニケーション能力が高い人

MRに向いている人の1つ目の特徴はコミュニケーション能力が高いことです。

MRは医師をはじめとしたさまざまな医療従事者に情報提供を行います。業務中の医師は患者さんの診察が仕事ですので、MRはその合間に話をすることになります。端的に必要なことをまとめて伝える力や、短時間で医師が必要としていることを読み取る力が大切になるでしょう。医師にもさまざまなタイプの人がいます。それぞれのタイプに合わせて臨機応変に対応することも必要となるでしょう。

人と接するのが好きな人、相手に合わせてさまざまな方法でアプローチできる人がMRに向いています。

2.営業能力が高い人

MRに向いている人の2つ目の特徴は営業能力が高いことです。

MRの目的は自社製品の売上を上げることです。MRと数字は切っても切れない関係にあります。MRとして評価されるためには、結果を数字で示すことが欠かせません。そのために必要なのが営業能力です。

医薬品業界は競合他社も多く、国内企業だけでなく海外の有名企業もライバルになります。そのようななかで自社の製品に興味を持ってもらい、使用するという決断をしてもらうためのアプローチを考えなければなりません。

またターゲットなる医師だけでなく、周囲の看護師や薬剤師に対してアプローチをすることもあります。戦略的に営業したいという営業能力の高い人にMRは向いています。

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3.勉強熱心な人

医療業界は常に情報がアップデートされていきます。MRに向いている人の3つ目の特徴は勉強熱心であることです。

一度学んだ内容でも、数か月後には情報が古くなっていることも少なくありません。アンテナを常に張り、最新情報を医師に提供していかなければなりません。自社製品だけでなく、製品に関連する疾患や他社製品に関する知識まで広く勉強することも必要です。

医療従事者からの質問に適切に素早く回答することが信頼関係の構築に繋がります。また、担当エリアや同一県内の医療情報についても情報を収集しておくことが仕事に役立つこともあります。

製品に関連することや地域医療に関することなどさまざまな側面で勉強熱心な人がMRに向いているといえます。

4.心身ともにタフな人

MRは製薬会社の営業職ですが、MRに必要なのは仕事上の能力だけではありません。MRに向いている人の最後の特徴は心身ともにタフであることです。

今までMRに向いている人の特徴として挙げた「コミュニケーション能力」「営業能力」「勉強熱心」はまた心身ともにストレスとなることです。また、営業職なので目標となる数字が設定されます。やりがいのある数字ですが、プレッシャーともなるでしょう。

そのような状況のなかでも仕事を楽しめる心身ともにタフな人がMRに向いているといえるでしょう。

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薬剤師とMR、転職は可能?

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このように、MRの仕事は通常の薬剤師の業務とはまったく違います。MRから薬剤師、あるいは薬剤師からMRへの転職は可能なのでしょうか。それぞれのケースについて具体的に確認してみましょう。

薬剤師からMRへの転職

薬剤師からMRの転職はそこまで多くありません。
MRの募集があった場合、応募するのは薬剤師だけではありません。他社のMRも応募するため、採用枠に対してライバルが多く存在します。

中途採用の場合、即戦力が求められるケースがほとんどです。そのため、業界の理解がある他社MRが採用されやすい傾向にあります。

薬剤師からMRへの転職にチャレンジする場合は、まず医薬品に関する知識に加えて、疾病に関する知識をしっかり確認しておきましょう。そのうえで、医療関係者にネットワークがあることや、コミュニケーション能力の高さをアピールしましょう。

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MRから薬剤師への転職

薬剤師免許を持つMRから薬剤師への転職は比較的ポピュラーです。MRは激務ですので、落ち着いて働きたいと考えた場合、調剤薬局や病院、ドラッグストアなどへの転職を考えることになるでしょう。

MRから薬剤師への転職にはメリットが3点あります。

1つ目は自社や他社の製品に関する知識があることです。調剤業務に入っても、取り扱う薬については問題なく理解することができるでしょう。

2つ目のメリットはコミュニケーション能力が高いことです。同僚はもちろん、患者さんとのコミュニケーションもスムーズに対応することができるでしょう。ドラッグストアの場合は、経営面でもプラスの働きができるかもしれません。

そして3点目として、病院などでは製薬会社や医薬品卸との関係構築において、元MR薬剤師は経験を生かすことができます。

このように、MRから薬剤師への転職は比較的スムーズです。自分の持っている強みを生かせる職場はどこかを考えて転職活動に入るといいでしょう。

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MRの求人事情

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MRは製薬会社がある場所でないと採用がないので、求人の出る地域が限られます。また、求人数も多くないので、MRに転職したい場合は常にアンテナを張っておくことが必要となります。

MRへの転職は、MRに強い転職エージェントを活用することをおすすめします。製薬業界に詳しいエージェントを通して情報を収集し、面接をはじめとした対策を行うことが重要です。

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まとめ

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MRは薬剤師としての知識を活かしながら製薬業界で働き、高収入が得られる可能性のある職種です。

営業職ですが、単なる契約獲得だけが業務内容ではありません。MRは医薬品の効果や副作用の情報提供、医療現場の声を反映させるフィードバック役として医師や薬剤師と製薬会社の架け橋としての役割を担っています。

薬剤師としての経験や知識を生かしながらも、医療現場に密接に関わりたいと考えている方にとって、MRはやりがいのある仕事です。キャリア選択の際には自分に合った働き方をしっかりと見極め、応募先の報酬体系や獣人条件の確認を行いましょう。

MRに興味がある方は、いろいろな面で勉強しスキルアップしながら、薬剤師としての可能性を広げてみてはいかがでしょうか。

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