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企業薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年11月1日 薬剤師コラム編集部

企業薬剤師を目指す!CRA・CRO・CRC・MR・品質管理・新薬開発

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CRA・CRO・CRC・MR・品質管理・新薬開発といった職に就きたい、製薬会社などの企業で働きたい薬剤師の方に、企業薬剤師について解説します。気になる企業薬剤師の年収や転職のコツなどについても解説していきます。

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企業薬剤師とは

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企業薬剤師とは、調剤薬局や病院以外の一般企業で働く薬剤師のことです。
薬剤師は、医療機関以外の一般企業でも、医薬品の開発、製造、販売、品質管理など、さまざまな分野で専門知識を活かして活躍しています。

法律により医薬品を扱う場所では薬剤師の設置が義務づけられているので、薬剤師が働ける企業は思った以上にあるといえるでしょう。

薬剤師免許は全国どこでも高年収で働ける強い資格ですが、病院や調剤薬局、ドラッグストアは直接患者さんと接するため、人と接することが苦手な人には働きにくい面があります。普通のサラリーマンのように働きたいと考える人にとっては、企業薬剤師は魅力的な選択肢になっています。

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薬剤師が働ける企業の種類

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製薬会社だけでなく、幅広い業種で薬剤師は必要とされています。
薬剤師が働いている企業にはどのようなものがあるか、確認してみましょう。

製薬会社

医薬品を製造・販売する製薬会社では、新薬の研究開発から製造、販売まで幅広い業務に薬剤師が関わっています。研究開発以外にも、MR(医薬情報担当者)や薬事申請など、さまざまな職種があります。

医療機器メーカー

現在は調剤の現場でもさまざまな機器が使われていますが、そのような機器の開発では薬剤師としての経験や視点が必要とされています。薬事申請や品質管理、営業などの職種でも薬剤師が活躍しています。

化粧品メーカー

直接肌に触れる化粧品を製造するメーカーでは、安全性への配慮が必要とされています。
化粧品の開発では、化粧品に使用する原料の選定から、成分の配合、試作品の作成などで薬学の専門家が必要となります。薬事法の知識も不可欠です。

それ以外にも、化粧品メーカーでは、品質管理、薬事関連業務などで薬剤師の知識が求められています。

治験関連企業(CRO)

CRO(Contract Research Organization)とは、製薬会社と協力して新薬の臨床試験(治験)に関わる業務を行う企業のことです。薬剤師は、CRA(Clinical Research Associate 臨床開発モニター)として治験の管理・運営に携わります。

治験施設支援機関(SMO)

SMO(Site Management Organization)とは、治験を行う医療機関と契約して、治験業務を支援する組織です。薬剤師は、CRC(Clinical Research Coordinator 治験コーディネーター)として治験の実施をサポートする業務を行います。

医薬品卸会社

さまざまな製薬会社で製造された医薬品の流通を担うのが医薬品卸会社です。
医薬品卸会社には管理薬剤師の設置が法律で義務づけられているので、多くの薬剤師が活躍しています。薬剤師は、医薬品の品質管理や薬事関連業務を担当します。

企業内診療所

大企業の中には社員の健康管理のために社内に診療所を設けているところがあります。そこで、医師や看護師とともに薬剤師として働くこともできます。

勤務中の社員が対象の診療所のため、勤務時間や雇用条件は一般社員に準じたものになります。

官公庁

企業ではありませんが、厚生労働省や地方自治体の保健所などの官公庁で、薬事行政に携わる薬剤師もいます。官公庁で働くためには公務員試験を受ける必要があります。

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企業薬剤師の職種一覧

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次に、企業で働く薬剤師が担っている仕事の内容を詳しくみていきましょう。

MR

MRは、製薬会社で営業としてのポジションを担います。医師や看護師、薬剤師などに自社の医薬品を紹介し、採用してもらうことが中心の業務となります。

また、医療現場からの要望を自社に持ち帰り、製品開発に結びつけるという役割もあります。
営業職なのでインセンティブがあり、成績がよければ大幅に年収がアップする可能性があります。

薬事申請

人々の健康に直接関わる医薬品には高い安全性が求められ、薬機法の基準を満たすことが求められます。

薬事申請は、新薬の承認申請や製造販売後の各種届出など、薬事関連の業務を行う仕事です。新薬の開発だけでなく、製造や流通などさまざまな段階で必要とされています。

臨床開発モニター(CRA)

CRAは治験に関わる職種です。先ほど紹介したCROなどで、新薬の臨床試験(治験)の計画立案から実施、モニタリングなどを担当します。

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治験コーディネーター(CRC)

CRCも治験に関わる職種で、実際に治験を実施する位置づけになります。主な勤務場所は医療機関で、治験の実施をサポートし、被験者のケアも行います。

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品質管理

品質管理とは、製薬会社で、医薬品の製造過程で安全性が保たれているか、品質に不備がないかをチェックする仕事です。同様の仕事に、医薬品製造から製造販売後の品質保証業務までを担当する品質保証もあります。

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医薬品卸の管理薬剤師

医薬品卸会社で、医薬品の保管が適切に行われているかの管理や、薬事関連業務を担当します。管理薬剤師なので、待遇も安定していることが一般的です。

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企業内診療所薬剤師

企業の診療所で働く薬剤師です。仕事内容は一般的な調剤や服薬指導が中心ですが、社員への健康教育なども担います。処方箋の数も少なく、土日が休みであることが多いので、安定して働くことができます。

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PV(安全性管理部)

PV (Pharmacovigilance)とは、製薬会社やCROで、市販後の医薬品の安全性情報を収集・分析する仕事です。

治験を経て販売された医薬品であっても、実際に広く使われるとさまざまな副作用が起こることがあります。そのような情報を収集し、副作用の情報や医薬品との因果関係などを分析し、規制当局へ報告するのが主な仕事となります。

DI(医薬品情報管理)

DI(Drag Information)とは、製薬会社で医薬品の情報を管理する業務のことです。
自社で開発した医薬品について情報を整理・管理し、社内や医療機関、一般の人からの問い合わせに対応します。

また、自社製品に関する資料を作成してMRを支援することも大切な業務です。

公務員

厚生労働省や地方自治体で、薬事行政に携わります。
国家公務員として薬剤師が働く場合は、厚生労働省に所属して薬事行政に関わる薬系技官として採用されることになります。

地方自治体では、公立病院のほか、保健所などで薬局や医薬品製造業者に対する許可・調査業務や薬物乱用防止に係る広報活動などを行います。

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IT企業で働く薬剤師

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近年、調剤薬局や病院でもIT化が進んでいます。それに伴い、IT企業でも薬剤師が必要とされています。

たとえば、電子薬歴システムの開発や、医療情報データベースの構築、オンライン服薬指導システムの開発などを行うIT企業で、薬剤師の知識や経験を活かして働く薬剤師が増えています。

また、ITスキルがあればオンライン服薬指導などの仕事をすることもできます。

これからはAIの導入などによってIT化はますます進むと考えられます。この分野での薬剤師のニーズは高まっていくでしょう。

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企業薬剤師の年収

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求人数が少ないため、わかりにくいのが企業薬剤師の年収です。製薬会社などは高年収というイメージがありますが、企業薬剤師の年収はどのくらいなのでしょうか。

薬剤師全体の平均年収

企業薬剤師の年収をみる前に、一般的な薬剤師の年収について確認しておきましょう。
2024年に厚生労働省が作成した統計によると、薬剤師全体の平均年収は599万円となっています。

薬剤師の年収については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

企業薬剤師の年収は?

企業薬剤師の年収は、職種や企業規模によって大きく異なります。
企業薬剤師の平均年収は、約450万円〜700万円です。

薬剤師は基本的に高年収のため、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師と大きな違いはありません。

個人の経験や能力、企業の業績などによって実際の年収は変動します。一般的に、大手製薬会社や研究開発職、インセンティブのあるMRの年収が高い傾向にあり、年収1000万円を超えることもあります。

企業で働く管理薬剤師の年収については、こちらの記事をご覧ください。

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企業薬剤師に転職するには

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ここまでみてきたように、企業薬剤師にはさまざまな種類があり、一般のサラリーマンと同じように働ける職場も多くなっています。
では、そのような企業薬剤師に転職するにはどうすればいいのでしょうか。

製薬会社への転職は狭き門

大手製薬会社への転職は、募集が少なく人気のため競争率が高く、狭き門と言われています。特に研究開発職は、博士号取得者や専門性の高い経験者でないと難しいでしょう。

ただ、ここまでみてきたように、薬剤師は一般的にイメージされる製薬会社以外でも必要とされています。

製薬会社にこだわらず、化粧品や医療機器メーカー、医療品卸、IT関係の企業などに候補を広げて探してみることをおすすめします。

薬剤師の転職の基本や、企業への転職を成功させるポイントについては、次の記事をご覧ください。

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転職にはしっかりした準備が必要

薬剤師として働ける企業は、調剤薬局や病院のように全国各地にあるわけではありません。
まず、自分の住んでいる地域にどのような企業があるかを確認してみましょう。

そのうえで、自分の適性や興味、希望とする働き方に合った候補を絞り込むことが重要です。
希望の職種が身近にない場合は、転居も視野に入れなければならないかもしれません。

また、職種によっては法律や医薬品に関する知識が必要となります。目指す職種に必要な専門知識やスキルを習得しておきましょう。

実際に転職活動する際には、薬剤師に特化した転職エージェントを利用することをおすすめします。

転職エージェントのコンサルタントは、一般には知られていない企業での薬剤師のニーズも把握しています。また、人気の求人は一般的な求人サイトには掲載されず、非公開求人としてピンポイントで募集されます。コンサルタントに希望を伝えておけば、そのような求人も紹介してもらえます。

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まとめ

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企業薬剤師には、薬学の知識を活かしながら安定して働けるという特徴があります。製薬会社、医療機器メーカー、CROなど、一般的に知られている以上に薬剤師として働ける場所はあります。近年は、IT企業でも薬剤師は必要とされています。

ただ、やはり企業薬剤師の求人は少なく、転職の競争率は高いので十分な準備が必要です。自身の適性や興味を見極め、必要なスキルを磨きながら、粘り強く挑戦することが大切です。

薬剤師としての経験を活かしつつ、新たな分野にチャレンジしたい方にとって、企業薬剤師は魅力的な選択肢となるでしょう。医療の発展に貢献しながら、自身のキャリアも成長させていく。そんな可能性を秘めた企業薬剤師という道を、ぜひ検討してみてください。

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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