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企業薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年11月28日 薬剤師コラム編集部

企業内診療所で働く薬剤師の年収や仕事内容を解説

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薬剤師が働く職場としては病院がすぐに思い浮かびますが、企業内診療所という選択肢があることはご存知でしょうか。企業内診療所は、診察を受ける人が限られているため、あまり知られることのない存在です。自分の身近なところに企業内診療所があるかどうか、知っている人のほうがレアでしょう。

しかし、薬剤師にとっては企業と病院のいいところ取りができる職場でもあります。
ここでは、企業内診療所について、仕事内容や年収、転職難易度などを解説します。

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企業内診療所とは

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「企業内診療所」とは、その名の通り企業の中に設置されている診療所のことであり、医師が医療行為を行うことが可能な施設です。「社内診療所」と呼ばれることもあります。

主に大企業や大規模な事業所に設置されており、さまざまな診療科があるところから小規模なものまで、その規模は企業によって違います。

大企業のなかには、その企業の名前がついた総合病院を開設しているところがあります。その企業の城下町的な地域の医療を担う中心的な病院となっていることも少なくありません。

そのような病院は地域の住民も広く受け入れている一般の病院ですが、企業内診療所はそれとは違います。社員への福利厚生として会社の建物の中に設置されており、受診できるのは原則として従業員のみです。

企業内診療所には医師や看護師、薬剤師が在籍し、体調を崩した従業員の診察などに対応しています。勤務中に調子が悪くなった従業員も、隙間時間にスムーズに診察を受けることができるのがメリットです。薬も社内で受け取ることができます。

また、予防接種や健康指導を行うこともあり、従業員の健康を総合的にサポートする役割を担っています。

企業内診療所が設置されている企業

企業内診療所は主に大企業や従業員の多い事業所に設置されています。具体的には以下のような企業が挙げられます。

製造業…自動車メーカー、電機メーカーなど
金融機関…大手銀行、保険会社など
IT企業…大手通信会社、ソフトウェア開発企業など
商社…総合商社など
エネルギー関連企業…電力会社、ガス会社など

従業員の多い本社に設置されていることが多いですが、近年は離れた支社からでもオンラインで受診できるようなシステムを整える企業も増えています。

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企業内診療所で働く薬剤師の仕事

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このように通常の病院とは違う面がある企業診療所ですが、そこで働く薬剤師はどのような仕事をしているのでしょうか。

調剤業務

企業内にある診療所であっても、主な役割は病気の社員に対する診察です。
そして、薬剤師は、調子が悪くなった社員が医師の診察を受けた後に、処方箋に基づいて必要な薬を調剤します。調剤業務そのものは一般的な病院と変わりません。

服薬指導

調剤後の処方薬を社員に渡す際の服薬指導も薬剤師の仕事です。薬を服用するときの注意点や副作用についての説明などを行います。
仕事中に受診する社員に対しては、薬による眠気に関する説明も必要になります。

また、健康診断の結果をふまえて長期的に服薬を管理するといったことを行う場合もあります。

社員への健康指導

総合的に社員の健康をサポートするのも企業内診療所の大切な役目です。
風邪やインフルエンザといった感染病への注意喚起、生活習慣病の予防など、従業員の健康を守るためのさまざまな活動を行います。現在ではメンタル面でのケアも重要になっています。

また、企業によっては管理薬剤師として社内で劇薬などの薬品の管理を担当することもあります。

企業内診療所で働く薬剤師の年収

企業内診療所は福利厚生のための施設で、営利目的で設置されているものではありません。患者の数も多くないため、処方箋の数も少なくなっています。

そのため、企業内診療所で働く薬剤師の年収は、一般的な薬剤師の年収と比較してやや低めの傾向にあります。

具体的な金額は企業によって異なりますが、おおよそ500万円前後が相場となっています。
パートの場合は、一般的なパートと同じ時給2000円程度となります。

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企業内診療所で働くメリット

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企業内診療所での仕事内容は、基本的には調剤業務が中心となりますが、それほど忙しいということはありません。
ここからは、そのような企業内診療所で働くメリットについてみていきましょう。

QOLの向上やワークライフバランスの充実

企業内診療所で働く薬剤師の大きなメリットは、ワークライフバランスが取りやすいことです。時間的にも肉体的にも仕事の負担がそれほど大きくないので、仕事と私生活を切り替えやすいといえます。

仕事は仕事できっちりこなし、プライベートでは自分のQOLを向上させる、そのようなライフスタイルが実現できるでしょう。
とくに子どもが小さい人にとっては、仕事と子育てを両立させやすい働き方だといえます。

勤務時間が一般企業と同じ

企業内診療所の勤務時間は、基本的にその企業の就業時間に準じています。つまり、一般的な企業の勤務時間(例:9時~17時)と同じような勤務形態となることが多いです。残業が発生することもありません。

これは、平日19時までだったり、土曜日も勤務があったりする一般的な調剤薬局や病院勤務の薬剤師とは大きく異なる点です。

学校に通っている子どもや、一般企業で働いている家族と時間を合わせやすいのはメリットだといえるでしょう。

福利厚生が充実している

企業内診療所は大企業に開設されているので、福利厚生が充実している傾向があります。
退職金や企業年金なども整備されており、住宅手当などの各種手当も充実しています。
産休・育休や介護休暇制度なども利用しやすくなっています。

また、大企業は、夏季や年末年始が長期休暇となっていることが多いです。
このように、金銭的な待遇以外でもメリットが多いことが働きやすさにつながっています。

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企業内診療所で働くデメリット

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では、企業内診療所で働くことにはデメリットはないのでしょうか。ここで確認しておきましょう。

やりがいが感じにくい面がある

企業内診療所では、対象となる患者の数が限られています。また、基本的に発熱などの軽症の患者が対象となります。

季節によっては患者が少なくなるので、薬剤師としての仕事のやりがいが感じにくい面があります。

また、重症度の高い症例に遭遇する機会が少ないため、薬剤師としての専門性を十分に発揮する機会も限られます。

一般の薬局や病院と比較すると新しい薬剤や治療法に触れる機会が少なく、最新の医療情報から遠ざかってしまう懸念があります。スキルアップには向かない職場かもしれません。

ある程度の経験が必要

企業内診療所では、限られたスタッフで幅広い健康管理業務をこなす必要があります。
スタッフを育てるような環境ではないこともあり、自分で状況を判断して動くことが求められます。ある程度の経験を持つ薬剤師に適した職場だといえるでしょう。

高年収が望みにくい

企業内診療所の薬剤師の年収は、前述の通り一般的な薬局や病院勤務の薬剤師と比較してやや低めの傾向にあります。特に、経験を積んでも年収の上昇幅が限られていることが多く、高年収を目指す薬剤師にとってはもの足りない面があるかもしれません。

また、企業内診療所では管理職などのポストが少なく、キャリアアップの機会が限られていることも、年収の上昇を抑制する要因となっています。

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企業内診療所が向いている薬剤師とは

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このように、企業内診療所には一般的な病院や調剤薬局とは違う特徴があるため、実際に働くかどうかはしっかり検討しておく必要があります。
企業内診療所はどんな薬剤師に向いているのでしょうか。

子育て中のママ薬剤師

仕事をセーブしながら子どもとの時間を確保したいママ薬剤師にとって、企業な診療所は働きやすい職場だといえます。

調剤スキルをキープしつつ、ストレスなく働くことができます。また、産休・育休制度や育児時短制度などが整っていることもメリットです。

ワークライフバランスを重視する人

仕事と私生活をきっちり切り替えて、プライベートを充実させたいと考えている人にとっても、企業内診療所は負担の少ない働き方となっています。
企業内診療所は比較的都市部にあることもうれしいポイントかもしれません。

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企業内診療所に転職するには

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大企業の福利厚生施設である企業内診療所は、非常にレアな求人となっています。
企業内診療所で働きたいと考える人は、まず自分の住む地域に企業内診療所が設置されている企業があるかどうかを調べてみましょう。

企業内診療所への転職を考えている薬剤師は、まず薬剤師専門の転職サイトや転職エージェントを利用することをおすすめします。募集の少ない企業内診療所の求人は、一般的な求人サイトには掲載されない非公開求人であることも多くなっています。企業内診療所からの求人が出た場合に、すぐに情報をキャッチすることができます。

また、企業の採用ページで募集されるパターンもあります。希望の企業がある場合は、その企業の採用ページを定期的にチェックし、求人情報を見逃さないようにしましょう。

企業内診療所では一定の経験が求められることが多いため、転職であっても不利になることはありません。求人が出たときに備えて、一般の薬局や病院で経験を積んでおきましょう。

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まとめ

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企業内診療所で働く薬剤師は、従業員の健康管理に重要な役割を果たしています。安定した勤務時間や充実した福利厚生など、ワークライフバランスを重視する薬剤師にとっては魅力的な職場環境といえるでしょう。

一方で、キャリアを積んでいきたいと考える人には向いていないかもしれません。
企業内診療所への転職を考えている薬剤師は、自身の強みや希望を見極めつつ、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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薬剤師コラム編集部

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