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企業薬剤師の転職・年収コラム

更新日: 2025年12月5日 薬剤師コラム編集部

医療機器メーカーで薬剤師資格を生かす!必要なスキルや転職方法は?

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薬剤師の転職先の1つに医療機器メーカーがあります。
医療機器メーカーといっても、どんな仕事をするのか、薬剤師の資格を生かせるような仕事があるのか疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では医療機器メーカーで薬剤師が担う仕事や、必要とされるスキル、転職方法について詳しく解説します。

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医療機器メーカーとは

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医療機器メーカーとは、医療機器を開発、製造し、病院や薬局などに販売する民間の会社のことです。機器の種類は多方面にわたり、医療機器メーカーの市場は年々増加しています。
どのような仕事なのか具体的に見ていきましょう。

医療機器メーカーの事業内容

医療機器メーカーの主な事業としては、医療機器の研究開発や製造、販売などがあげられます。

医療機器とは病気の診断や治療を行うために使う機械や器具のこと。たとえば内視鏡や、CT、MRIなどがそれに当たります。

また、人工関節や人工肛門、ペースメーカーのように、身体の機能や構造に影響を与える機械器具のことも意味します。小さなものではメガネや補聴器、歯に被せる金属、体温計や絆創膏なども医療機器と呼ばれます。

医療機器メーカーではこれらの製品を製造し、病院や薬局に向けて製品説明や販売等の営業活動をします。

さらに、医療従事者からの問い合わせへの対応や、機器の導入後の保守点検、アフターサービスなども一貫して行うのが医療機器メーカーの仕事です。

医療機器メーカーの職種

医療機器メーカーの職種には、製品の開発製造、品質管理やデータ管理、マーケティング、特許申請や薬事関連の事務、DI(医薬品情報業務)、医療機関への販売営業や保守点検等、さまざまなものがあります。

医療機器メーカーの勤務場所

大手の医療機器メーカーは、東京や大阪等の大都市に本社を持ち、各地方に支社を置いていることが多いです。
また、医療機器を製造する工場や物流倉庫も各地にあり、勤務場所は全国にあるといえます。

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薬剤師と医療機器メーカーとの関わり

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薬剤師と医療機器メーカーには、一見何の繋がりもないように見えるかもしれませんが、意外にも薬剤師と医療機器メーカーの関係は深いのです。
理由をみてみましょう。

薬剤師が使う医療機器

薬剤師自身も医療機器を使いながら仕事をしています。
たとえば自動錠剤包装機や散薬監査システム、調剤業務支援ソフトなどは、多くの調剤薬局で導入されており、業務の効率化には欠かせない医療機器です。

また、薬局やドラッグストアなどによく設置されている手指消毒機器や自動血圧計なども医療機器です。
医療機器メーカーから見ると、薬剤師も自社製品の利用客の一人だといえるのです。

医療機器メーカーで薬剤師が必要とされる理由

医療機器メーカーで薬剤師が必要とされるのには理由があります。
医療機器メーカーの営業先は主に病院や薬局です。

営業先で自社製品の説明をする際、医療や薬剤についての専門知識があり、実際に医療現場で働いた経験もある薬剤師のほうが、より説得力のある説明が期待できるでしょう。

医療機器の種類によっては、使用経験者としての薬剤師の意見が研究開発に役立つ場合もあります。

また、医療機器を製造する工場や物流倉庫では、必ず管理薬剤師を配置しなければならないと法律で定められているため、医療機器メーカーも薬剤師を雇用する必要があるのです。

他にもDI業務などの募集は、薬剤師資格を持っていることが応募条件となっていることがほとんどです。
このように、医療機器メーカーでも薬剤師を必要とする場面は多く見られます。

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医療機器メーカーで薬剤師が担う仕事

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医療機器メーカーでは薬剤師はどのような仕事をするのでしょうか。
ここからは、主な仕事について詳しく解説します。

製品開発

製品開発は、新たな医療機器の企画や開発をする仕事です。
会社が持っている製品開発の技術やノウハウを十分に生かしながら、新しい発想で製品を作り出すことが求められます。
そのため機械や設計についての専門知識が必要な場合もあります。

製品の使い勝手や改善点を探るために、実際にその製品を使用する医療従事者とコミュニケーションを取ることもあります。
薬剤師としての知識や医療現場での経験が役に立つ場面も多いでしょう。

営業

営業は、病院や薬局等の医療機関を訪問し、自社製品についての販売活動を行う仕事です。
自社製品の性能を十分に理解し、その特長についてわかりやすく魅力的に説明する営業スキルが必要です。

導入後は医師や看護師への操作説明に加え、定期的なアフターフォローも行うため、医療機器についての幅広い知識が求められます。

また、スムーズに商談を進めるためには、取引先から信頼されるような関係づくりを地道に作っておく必要もあり、高いコミュニケーション能力が求められる仕事といえるでしょう。

品質管理

品質管理とは、医療機器の安全性や機能性、有効性を維持するために、製造から販売後までの全ての工程について検査や検証を行い、品質を保証する仕事です。

原材料の調達からはじまり、製造、出荷等の全工程が、それぞれ決められた手順書の通りに行われ、品質基準を満たしているかを確認します。
もしも製造過程で欠陥や不具合が生じた場合は、原因の究明と再発防止に取り組みます。

DI

DI(Drug Information)は医薬品に関する情報を収集、分析し、医師や看護師等の医療関係者や患者に向けて情報提供をしたり、質問や問い合わせに応じたりする仕事です。
医薬品の効能や安全性、適正な使用法だけではなく、副作用情報や臨床試験のデータ等についても広く収集し、整理や評価を行います。

膨大な量のデータを整理し分析する能力、問い合わせに対して的確な情報を提供できる対応力が求められます。

薬事申請

薬事申請とは、医療機器の製造、販売に必要な承認を取得するため、公的文書による申請手続きをすることをいいます。
医療機器の製造や販売を行う際は、厚生労働大臣の承認が必要です。

この承認申請が通らなければ、製品を販売することができないため、非常に責任の重い、やりがいのある仕事です。
また、医療機器の市場は日本国内に限らず、海外も含まれます。

申請書類の作成にあたっては、海外の企業とやり取りしたり英語の文献を参照したりする場合もあるため、高度な英語スキルが必要とされます。

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医療機器メーカーで薬剤師が働く場所

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医療機器メーカーには、上記のように薬剤師のスキルを活かして働ける業務があります。
では、そのような仕事に就くとどのような場所で働くことになるのでしょうか。

本社

次のような仕事を担う場合は、本社または支社で働くことが多いです。 

  • 自社で開発・製造した医療機器を、医師や看護師、薬剤師などに提案、販売する営業職。
  • 医療機器販売のための承認申請事務を行う薬事申請業務。
  • 医薬品に関する情報の収集、整理と情報提供を行うDI業務。
  • 医療機器の研究や開発、改良を担う研究開発職。
  • 製品開発に伴う品質管理、品質保証業務。

工場・倉庫

医療機器メーカーから出される薬剤師の募集で一番多いのは、工場や倉庫での勤務です。
工場や倉庫には必ず管理薬剤師を配置しなければならないと法律で定められています。
管理薬剤師は主に次の仕事を担うことになります。

  • 医療機器を製造する工場で、製造過程のチェックやデータ分析を行う品質管理業務。
  • 自社製品を保管する倉庫での製品管理や在庫管理。
  • 工場や倉庫に勤務する従業員の監督業務。

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薬剤師が医療機器メーカーで働くメリット・デメリット

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病院や調剤薬局でなく、一般企業で働きたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
ここからは、医療機器メーカーで薬剤師が働くメリット・デメリットについて知っておきましょう。

医療機器メーカーのメリット

医療機器メーカーは一般企業なので、福利厚生の充実は大きな魅力でしょう。
土日が休み、有給が取りやすい、産休・育休制度が充実している等、ワークライフバランスを重視する人にはメリットが大きいのではないでしょうか。

DIや薬事申請、品質管理、営業職など、さまざまな職種で専門的なスキルを磨くことができるのも大きなメリットです。
これらの専門スキルや、医療機器の最先端技術についての知識や経験を活かして、同業他社に転職することもできます。

一般的に、他の業種の薬剤師に比べて企業薬剤師はスキルアップがしやすく、昇給制度もあるため、収入アップにつながりやすい傾向にあります。
努力次第で高収入を得られる可能性があるのは、企業薬剤師の一番の魅力といえるでしょう。

医療機器メーカーのデメリット

薬剤師が医療機器メーカーで働く場合、臨床に携わる機会はほとんどないため、医療現場で直接患者さんと関わることが好きな人には物足りない仕事に思えるかもしれません。

また、医療機器メーカーでは調剤スキルを身につけることはできません。
将来、調剤薬局への転職を考える際は、デメリットになる可能性があります。

加えてほとんどの医療機器メーカーは全国に支社や工場を持っていることが多いため、地方への転勤の可能性も頭に入れておく必要があります。

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薬剤師が医療機器メーカーに転職するには

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医療機器メーカーは薬剤師の資格を生かして働ける職場ですが、募集はそれほど多くはありません。
多くは非公開の募集となっているため、医療機器メーカーの募集を探す時は、薬剤師専門の転職エージェントを利用するほうが効率的でしょう。

その際、注意しなければならないのは年齢制限です。
多くの企業に言えることですが、転職は年齢が若いほうが有利です。
一般的に35歳を過ぎると募集が減り、転職が難しくなってきます。

倉庫や工場勤務の管理薬剤師の場合は年齢制限を設けていないところもありますが、やはり若い方が有利であることは変わりません。
医療機器メーカーへの転職を視野に入れているなら、なるべく早めに決断しましょう。

また、工場や倉庫での募集は、管理薬剤師を求めるものがほとんどです。
管理薬剤師になるために必要な認定薬剤師の資格を、早めに取得しておきましょう。

医療機器メーカーの仕事にはさまざまなものがありますが、仕事の内容によって求められるスキルにも違いがあります。主なものをあげておきます。

製品開発

  • 医学や薬学の専門知識、あるいは医学部や薬学部卒業資格
  • 設計や製造に関わる場合は理系学部の大学院卒業資格や臨床工学技士の資格

営業職

  • 普通自動車免許 
  • コミュニケーションスキル
  • 医療についての専門知識
  • 医療機器の取り扱いや機能全般についての知識

薬事申請

  • 薬機法についての知識
  • 医薬品や疾病に関する知識
  • プレゼンテーション能力
  • 英語力

品質管理

  • 品質管理の基準や国際規格等についての専門知識
  • 分析機器等の操作スキル
  • データ分析力
  • コミュニケーションスキル

DI

  • 膨大な量の情報を処理し分析する能力
  • 情報を整理し、適切にまとめる能力
  • 必要な情報を正確に伝える能力

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まとめ

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医療機器メーカーの仕事には、薬剤師としての知識や経験を生かせるものがいろいろあります。
外資系の企業が多く、今後の成長も十分に見込まれる医療機器メーカーは、薬剤師の転職先として魅力ある職場の1つといえるでしょう。

ただし募集の数が多いわけではなく、年齢制限もあるため、転職を考えるなら早めの行動をおすすめします。
転職エージェントなどを上手に利用しながら、自分のスキルを生かせる職場を探してみてはいかがでしょうか。

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薬剤師コラム編集部

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