新型コロナ第3波|薬局での対応を改めて見直そう

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がまた国内でも広がりを見せつつある今、薬局でも感染対策の必要性が高まっています。多くの薬局では、既に2020年の春から夏にかけて何らかの対策を打っているものと思われますが、気温も湿度も下がる本格的な冬を迎え、さらに 長期戦も予測されるなか、行う必要のない対策にお金や労力を浪費していないかという観点からも、自店舗の取り組みをいま一度見直しましょう。
「手洗い」の徹底
一般的な感染予防策として、最も効果的なものは流水と石鹸による「手洗い」です。「手洗い」はあまりに初歩的な対策のため軽視されがちですが、清潔な流水を存分に使える日本の上下水道環境があってこそできる感染対策であり、むしろ「手洗い」ほど誰にでも簡単にできて効果的な感染対策はありません。われわれ薬剤師は、いつも患者さんの吸入や注射の手技がだんだんとオリジナルに改変されていないかを確認していますが、それと同じように、従業員の「手洗い」がいい加減なものになってきていないかを確認する必要があります。
なお、冬はお湯を使いたくなりますが、お湯で手を洗うと手の油脂が落ちるため手荒れを起こしやすくなります。手が荒れると手洗いもしづらくなるため、適宜ハンドクリーム等でケアしながら、しっかりと「手洗い」を継続していくことが大切です。
また、患者に向けて「正確な手洗いの方法」を啓発することも、薬剤師の重要な仕事ですが、その際には下記のようなポスターを利用するのが便利です。
厚生労働省の手洗いポスター
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の予防」(多国籍言語のポスターがあります)
「マスク」の着用
マスクは自分から飛沫を広げないようにするために有効なものです。また、人は無意識のうちに目や鼻・口をよく触ることから、着用者にとってもそれなりの予防効果を期待できます。そのため、人と近い距離で話をするときなどはマスクの着用が勧められます。夏場と違い、冬場はマスクが少し寒さ対策にもなる上に、喉を湿気で守ることにも役立つため、煩わしさは軽減されているはずです。
しかしこのマスク着用で注意したいのは、仕事で休憩時間に入ったときや更衣室での着替えの際に、うっかりマスクを外したまま近距離で会話をしてしまうケースが、よく起こるという点です。調剤室や投薬カウンターでは忘れずマスクをつけている人でも、居場所が切り替わったタイミングにこうした油断が生じていないか、改めて施設内での意識を確認してください。
また、実際に感染リスクの高い場所で活動する際には、効果が不確かな布・ウレタンマスクやフェイスシールドではなく、不織布マスクを使うようにしてください(札幌では布マスクで感染者と接触した場合に「濃厚接触者」と判断することがあるという報道もあります)。
(参考)
- 新型コロナウイルス感染症対策分科会「分科会から政府への提言「リスクが高まる5つの場面と感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」