新薬リベルサス®(セマグルチド)について知ろう!
これまで糖尿病シリーズとして、色々なテーマを取り上げてきましたが、今回は最近発売された薬について取り上げていきたいと思います。
今回取り上げるのは、世界で初めてホルモンであるGLP-1受容体作動薬を内服できるようになったリベルサス®です。
リベルサス®ってどんな薬?
この薬は、オゼンピック®という名前で週1回の皮下注射薬として発売されているセマグルチドというGLP-1受容体作動薬を内服して、その効果を獲得しようと工夫された薬です。GLP-1受容体作動薬の効果などについては、ここでは割愛させていただきますが、その効果や+αで獲得できる効果などについて、色々なエビデンスがそろってきているお薬です。
ホルモンを飲んでなぜ効くの?
そもそもホルモンはタンパク質であるため、通常、ホルモンを内服しても胃などにより消化されてしまい、薬効を獲得することはできないはずです。ところが、リベルサス®は、SNAC(サルカプロザートナトリウム)を一緒に配合することにより、ホルモンであるセマグルチドが胃液中のタンパク質分解酵素(ペプシン等)で分解されにくくし、胃粘膜から吸収することで全身作用としての薬効を確保できているのです。これは本当に画期的なことです。
リベルサス®の内服時の注意点
繰り返しになりますが、ホルモンを内服するために色々な工夫がされていますが、一般的な薬と同じように飲めるわけではありません。特に、食事など胃の内容物の影響を強く受けてしまうため、次のポイントを守る必要があります。
① 必ず空腹時に内服する。
食事の影響を強く受けるため、1日のうちの最初の食事または、飲水の前に空腹状態で内服することとされています。色々なデータを見ると、少なくとも食事から6時間は空けて内服しないと効果を得ることができないため、眠前に内服するのは現実的には難しいかもしれません。