新しい薬を知ろう!3~ルムジェブ®とフィアスプ®~

さて、今回は、超速効型インスリンの立ち上がりをさらに早く持続時間を短くした2つの製剤、いわば「超々速効型インスリン」をご紹介したいと思います。
ルムジェブ®は、日本イーライリリーが販売しているヒューマログ®に微量の添加物(トレプロスチニルとクエン酸)を加えることで血中濃度の立ち上がりを早くした製剤です。同じようにフィアスプ®は、ノボノルディスクファーマが販売しているノボラピッド®に添加物(ニコチン酸アミドとアルギニンなど)を加えることで血中濃度の立ち上がりを早くしています。今までの超速効型インスリンは、食直前(食事開始前15分以内)で投与することとなっていましたが、新しいルムジェブ®やフィアスプ®は、血中濃度の立ち上がりが早くなったため、食事開始2分以内、もしくは食事開始後20分以内の投与が認められています。食事開始前の投与時間の差は、特に1型糖尿病患者で大きな差を示す可能性があり、食後打ちが可能になったことに関しては、シックデイ時、食事が摂れるかどうかが分からない時のbolus投与に大きな融通性を示す可能性があると思います。この投与タイミングの差や血中濃度の立ち上がりの違いがどのような効果を示すかについて、それぞれの製剤で様々な臨床試験が行われていますが、今回はルムジェブ®でのデータをご紹介したいと思います。