高齢者糖尿病について詳しくなろう7

第7回目の今回は、前回の続き。高齢者糖尿病患者さんの薬物治療2をお送りしたいと思います。
⑤DPP-4阻害薬(血糖依存性インスリン分泌促進系)

血糖依存的にインスリン分泌を促進、グルカゴン分泌を抑制することで血糖値を改善するお薬です。血糖降下作用が血糖依存的であるため、高齢者でも低血糖を起こしにくい安全な薬とされています。また、血糖改善に際して体重増加が起こりにくいということもメリットの1つとして挙げられます。ただし、SU薬などと併用する場合には、低血糖には注意が必要となりますし、意外にこの薬が原因で食欲が落ちてしまう高齢者も報告されていますので、注意して経過を観察しましょう。また、多くはありませんが、DPP-4阻害薬による水疱性類天疱瘡の報告があり、皮膚症状が生じた場合には鑑別が必要となります。