第1回 保存版!改定内容「5つのポイント」
2016年度診療報酬改定内容が3月4日に官報告示された。実施は、4月1日から。今回の改定内容のポイントはどこにあるのか。医薬ジャーナリストの藤田 道男氏が、薬局・薬剤師が把握しておきたい「5つのポイント」を解説する。
調剤は実質マイナス改定
昨年来の調剤批判もあり、「調剤のひとり負け」の懸念が広がっていた。しかし、結果的に調剤報酬本体は名目上0.17%のプラス(医療費ベースで100億円)となり、医科、歯科、調剤の改定比率も1:1.1:0.3が維持されるなど、関係者からは安堵の声が上がった。ただし、大型門前薬局の評価の適正化が“外枠”扱いとされており、実質的には60億円(同)のマイナス。薬価の通常引き下げ、特例の引き下げを含む市場拡大再算定による在庫金額の下落を勘案すれば、ネット(全体)のマイナス幅はさらに大きく、薬局経営に与える影響は少なくない。
16年度改定は医薬分業の完成への一里塚
今回の調剤報酬改定は、薬局機能や薬剤師職能の在り方を根本的に問い直す内容となっている。薬局は分業元年(1974年)以降の取り組みに対する意識改革と行動変容が求められる内容となっている。
改定内容全体を見渡せば、従来の調剤報酬体系からの転換を意図したことが窺える。すなわち、
調剤基本料や調剤料など薬剤師の作業手間(ワーキングフィー)に係る点数を合理化し、薬学的判断(メンタルフィー)の部分を評価する傾向が明確になった。16年度改定は激変を避けるためにソフトランディングとなったが、この傾向は次回、次々回改定でも踏襲される見通し。