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薬剤師のできる災害対応

更新日: 2021年3月16日 薬剤師コラム編集部

調剤薬局が災害発生時のためにやっておくべき準備と対策

薬剤師にできる災害対応のメインの画像1

東日本大震災が起こった3月11日から10年が経ちました。世界の中でも自然災害が多い国「日本」1)において、医療に携わる薬剤師・薬局として、普段から取り組めること、有事の際の備えなど、もう一度確認しておきませんか。

マグニチュード9.0を観測した東日本大震災。これは、日本国内観測史上最大規模、アメリカ地質調査所(USGS)の情報によれば1900年以降、世界でも4番目の規模の地震でした。いつ起こるかわからないのが自然災害です。いざ自然災害が起こった際に対鬼に困らないように、調剤薬局や薬剤師は日頃から備えておきましょう。今回は、日本薬剤師会の「薬剤師のための災害対策マニュアル」に沿って、準備や対策を確認していきます。

薬局として備えておくべきこととは?

構造設備などの備え

大型備品等の固定は、災害規模にもよりますが、被災した後にも設備を使用できるかどうかを左右します。錠剤棚、散剤棚、自動分包機、保冷庫などに転倒防止用金具、突っ張り棒等の耐震器具を使用してしっかり固定しておきましょう。また、見落としがちな照明器具などの落下防止策も確認しておくとよいのではないでしょう。

重要書類の保管を見直す

地震だけが自然災害とは限りません。重要書類は耐火金庫や半密閉式のスライド書架などを利用し、火事や水害に備えることも重要です。また、患者情報等のデータは定期的にバックアップを取り、破損しない場所へ保管することも必要です。

冷暗所保管医薬品への対応

災害時の停電に備えて、冷暗所保管医薬品用の保冷剤などを確保しておくことも必要です。爆発や引火の危険がある物質や、混触発火を起こしやすい薬品類などは、転倒防止などの備えをした場所に他の薬品と区別して保管しましょう。そのほか、麻薬及び向精神薬等は、万一に備えて盗難防止対策を考えておくことも必要です。

関係機関との連携や定期的な研修・教育

災害発生時には、近隣の医療機関との連携も必要です。災害発生時にどのような役割を果たすのか事前に協議しておいたり、取引している医薬品卸業者と緊急時の供給・配送体制について確認したりと、いち早く被災者・患者対応ができるよう体制を整備しておきましょう。
また、断水や停電時に調剤をおこなえるような訓練をしたり、救急救命の技術を習得したりすることも有効です。

薬剤師として日常業務でできることは?

患者さんに「薬識」を持たせるよう努めよう

添付文書を医薬品と一緒に保管する、お薬手帳患者さんの服薬アドヒアランスを高めることは、災害時の限られた医療資源を有効利用することにつながります。

慢性的疾患の患者対応

透析・在宅酸素など特別の治療を受けている患者さんや、服薬継続が必要な患者さん(インスリン、心疾患治療薬、抗HIV 等)をリスト化しておくことも重要です。当該患者さんやそのご家族に、災害時にどこに連絡すれば対処してもらえるのかをお伝えしたり、医療機関や薬局が機能しなくなった場合の対処方法や、緊急連絡先をあらかじめ説明したりしておくことも必要かもしれません。

日ごろから、こういった事を確認しておくことで、突発的に発生した自然災害に、柔軟に対応し、地域医療における薬局・薬剤師の役割を果たすことができるのではないでしょうか。

参考:
日本薬剤師会:薬剤師のための災害対策マニュアル

1)国土技術研究センターの情報による

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薬剤師コラム編集部

「m3.com」薬剤師コラム編集部です。
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