調剤薬局が災害発生時のためにやっておくべき準備と対策

東日本大震災が起こった3月11日から10年が経ちました。世界の中でも自然災害が多い国「日本」1)において、医療に携わる薬剤師・薬局として、普段から取り組めること、有事の際の備えなど、もう一度確認しておきませんか。
マグニチュード9.0を観測した東日本大震災。これは、日本国内観測史上最大規模、アメリカ地質調査所(USGS)の情報によれば1900年以降、世界でも4番目の規模の地震でした。いつ起こるかわからないのが自然災害です。いざ自然災害が起こった際に対鬼に困らないように、調剤薬局や薬剤師は日頃から備えておきましょう。今回は、日本薬剤師会の「薬剤師のための災害対策マニュアル」に沿って、準備や対策を確認していきます。
薬局として備えておくべきこととは?
構造設備などの備え
大型備品等の固定は、災害規模にもよりますが、被災した後にも設備を使用できるかどうかを左右します。錠剤棚、散剤棚、自動分包機、保冷庫などに転倒防止用金具、突っ張り棒等の耐震器具を使用してしっかり固定しておきましょう。また、見落としがちな照明器具などの落下防止策も確認しておくとよいのではないでしょう。
重要書類の保管を見直す
地震だけが自然災害とは限りません。重要書類は耐火金庫や半密閉式のスライド書架などを利用し、火事や水害に備えることも重要です。また、患者情報等のデータは定期的にバックアップを取り、破損しない場所へ保管することも必要です。
冷暗所保管医薬品への対応
災害時の停電に備えて、冷暗所保管医薬品用の保冷剤などを確保しておくことも必要です。爆発や引火の危険がある物質や、混触発火を起こしやすい薬品類などは、転倒防止などの備えをした場所に他の薬品と区別して保管しましょう。そのほか、麻薬及び向精神薬等は、万一に備えて盗難防止対策を考えておくことも必要です。
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