【自家製剤加算ギモン解決】特定薬剤管理指導加算3-ロと同時算定は?など
「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
今回は自家製剤加算を取り上げます。
自家製剤加算は算定頻度が多い一方で、算定可否に悩むケースも多く、非常に多くのご質問を頂く点数でもあります。
今回は、自家製剤加算で特に多く寄せられる質問を取り上げて解説していきます。
Q1:錠剤を粉砕しても、散剤が市販されていれば必ず算定不可ですか?
基本的には算定不可ですが、ごく稀に算定可能なケースもありえます。
自家製剤加算の算定要件の一つに、以下があります。
自家製剤加算の算定要件(イ)
算定要件_イ
当該加算に係る自家製剤とは、個々の患者に対し薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った次のような場合であり…
つまり、散剤があるのであれば、「薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応出来ない場合」に該当しないので、算定は不可ということになります。
ただし、ごく稀だと思いますが、散剤では対応出来ずに錠剤を粉砕する必要があるケースもあると思われ、以下のケースなどが該当します。
錠剤を粉砕する必要があるケース
- 散剤よりも錠剤を粉砕した方が服用量を少なくできるため、飲みやすくなる
(例:散剤だと1回1g服用が必要なのに対して、錠剤粉砕だと1回0.5gの服用で良い等) - 散剤が顆粒状であり、錠剤を粉砕して細粒状にした方が服用しやすい
ケースとしては極めて稀だとは思いますが、患者によっては散剤が市販されていても、錠剤を粉砕した方がよいケースにおいては、算定可能と考えられます。
その際は、レセプトに、錠剤を粉砕すべきと判断した理由をしっかりと残しておきましょう。
Q2:成人へ賦形剤や矯味剤を加える場合も算定可能か?
このご質問も非常に多く受けます。
結論としては算定可です。
算定要件上は以下の通りであり、賦形剤や興味剤を加えて算定出来るのは、6歳未満に限られるように読み取れます。
自家製剤加算の算定要件(ケ)
算定要件_ケ ※一部要約
通常、成人又は6歳以上の小児に対して矯味剤等を加える必要がない薬剤を6歳未満の乳幼児に対して調剤する場合において、保険薬剤師が必要性を認めて、処方医の了解を得た後で、単に矯味剤等を加えて製剤した場合であっても算定できる。
この部分は平成24年から変更がないのですが、実は、平成24年の疑義解釈で、成人や6歳以上の小児においても算定可であることが示されています。
平成24年の疑義解釈(問2)
(問2) ※一部要約
自家製剤加算又は計量混合調剤加算については、従来どおり、成人又は6歳以上の小児のために矯味剤等を加えて製剤した場合や微量のために賦形剤・矯味矯臭剤等を混合した場合にも算定できるという理解でよいか。
(答)そのとおり
引用元:厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その8)_事務連絡平成24年8月9日 」
以上のことより、成人や6歳以上の小児に対して、賦形剤や矯味剤等を加えるケースにおいても算定は可能となります。
注意点としては、処方医の了解を得ることはもちろん、患者毎に賦形剤・矯味矯臭剤等の混合が必要かどうかを判断することが求められます。