区分変更の場合などの届け出の要・不要は?医療DX推進体制整備加算Q&A

「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
今回は、医療DX推進体制整備加算について、特に多く寄せられる質問に、Q&A方式で解説していきます。
医療DX推進体制整備加算は調剤基本料の加算ですので、薬局経営に与えるインパクトが大きく、漏れなくしっかり算定していきたいところです。
一方で、頻繁に見直しがされており、要件を正しく理解することが難しくなっております。
今回のコラムで、詳細をしっかりと理解していただければ幸いです。
医療DX推進体制整備加算においては、サイバーセキュリティに関する要件もあります。サイバーセキュリティについては、以下のコラムで取り上げています。あわせてご参考ください。
医療DX推進体制整備加算のイメージ図(R7年4月~)

医療DX推進体制整備加算の概要図/筆者作成

医療DX推進体制整備加算の算定ポイント/薬局のアンテナ作成
Q1:電子処方箋の受け付け体制、どこまで整備すれば良い?
本加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。
(4) 電子処方箋を受け付け、当該電子処方箋により調剤する体制を有するとともに、紙の処方箋を受け付け、調剤した場合を含めて、原則として、全てにつき調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録すること。
引用元:「個別改定項目について」の補足説明資料/中医協 総-6-2、7 . 1 . 2 9/厚生労働省
ここで指す「電子処方箋により調剤する体制」とは、電子処方箋を応需できる体制を整えるだけではなく、あわせて、医薬品マスタ設定の点検報告の完了も必要です。
点検報告の詳細については以下よりご確認ください。
参照:【厚生労働省からの重要なお知らせ】電子処方箋システム一斉点検を踏まえた対応について
また、本要件では「原則として、全てにつき調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録すること」が求められています。
具体的には、調剤済みになった日に調剤結果登録を行う必要があります。
この部分は非常に多くの質問を受けますが、調剤結果登録を行うのは、あくまで「調剤済みになった日」です。
処方箋をFAXで受け付けた場合、処方箋の有効期限が切れた場合、処方箋は提出済みだが患者さんに未渡しの場合…などなど、様々なパターンについてご質問を頂きます。
調剤結果登録は、処方箋受付の状況ではなく、「調剤済みになった日はいつか?」という視点で判断しましょう。
参考:事 務 連 絡 令和7年2月28日 医療DX推進体制整備加算の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その1)/調剤報酬点数表関係(医療DX推進体制整備加算)の問1/厚生労働省
Q2:医療DX推進体制整備加算の算定で、必要な掲示物は?
医療DX推進体制整備加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。
医療DX推進体制整備加算の算定要件
(9)具体的には次に掲げる事項を掲示していること。 (前文略)
(イ) オンライン資格確認等システムを通じて患者の診療情報、薬剤情報等を取得し、調 剤、服薬指導等を行う際に当該情報を閲覧し、活用している保険薬局であること。
(ロ) マイナンバーカードの健康保険証利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる保険薬局であること。
(ハ) 電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを活用するなど、医療DXに係る取組を実施している保険薬局であること。(令和7年9月30日まで経過措置あり)
引用元:医療情報取得加算及び医療DX推進体制整備加算の取扱いについて 保医発0820第1号 令和6年8月20日/厚生労働省
この要件については、以下にお示しするポスターの掲示をもって、本加算の掲示に関する施設基準を満たすとされています。

なお、薬局内の見やすい場所に掲示するだけでなく、原則として、薬局のウェブサイトにも掲載が必要とされています(2025年・令和7年5月31日までは経過措置)。
ただし、ホームページ等を持っていない保険薬局は、この限りではありません。ご自身の薬局の状況に合わせて、対応を考えましょう。
Q3:電子カルテ情報共有サービスの活用体制とは?
本加算を算定するには、以下の要件を満たす必要があります。
(5) 国等が提供する電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有していること。
引用元:医療DX推進体制整備加算の施設基準に係る届出書添付書類/厚生労働省
この要件については、令和7年9月30日までは当該基準を満たしいているものと見なされます。(その間は対応しなくても算定が出来るということです)
電子カルテ情報共有サービスは「全国の医療機関や薬局などで患者の電⼦カルテ情報を共有するための仕組み」とされており、その運用は令和7年4月からとされています。
イメージとしては、下記のイラストでご確認いただけます。
現在は、様々な情報が医療機関や薬局で共有されていますが、電子カルテ情報共有サービスとは、それらの情報をデジタルデータで共有するための仕組みと捉えておきましょう。
