【薬局のアンテナ版】算定要件を満たそう!事例でポイント解説

更新日: 2025年4月26日 薬局のアンテナのてっちゃん

電子処方箋の受付から電子署名・調剤結果登録まで、一連の流れを詳しく解説

電子処方箋受付手順を解説、マイナ保険証と健康保険証(資格確認書)の違いのメイン画像

「薬局のアンテナ」のてっちゃんです!
今回は、医療DX推進体制整備加算で運用が求められている、電子処方箋について取り上げます。

電子処方箋については、まだまだ普及しているとは言えない一方で、電子処方箋を受け付けた際の対応に不安を抱いている方も多いのではないでしょうか?

今回のコラムでは、電子処方箋の受付から調剤終了までの流れをお示しします。
電子処方箋に対して、慌てず応需出来るよう、しっかりと準備をしてきましょう。

参考:医療DX推進体制整備加算の施設基準
(4) 電子処方箋を受け付け、当該電子処方箋により調剤する体制を有するとともに、紙の処方箋を受け付け、調剤した場合を含めて、原則として、全てにつき調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録すること。

マイナ保険証or健康保険証(資格確認書)別・電子処方箋の受付

電子処方箋は原本が電子ですので、患者さんが処方箋原本を持ってくるわけではありません。電子処方箋そのものは電子処方箋管理サービスに格納されており、受付の際に薬局のレセコンに取り込まれます。

引用元:そうだったのか、電子処方箋/厚生労働省

引用元:そうだったのか、電子処方箋 /厚生労働省

電子処方箋の場合、原則として患者さんは処方内容(控え)を薬局に提示します。
併せて、マイナ保険証か健康保険証(資格確認書)もご提示頂くのですが、そのどちらを提示頂くかによって、薬局での対応が異なります。
以下にマイナ保険証or健康保険証(資格確認書)での受付方法のイメージをお示しします。

マイナ保険証or健康保険証(資格確認書)での受付方法のイメージ

マイナ保険証or健康保険証(資格確認書)での受付方法のイメージ/薬局のアンテナ作成

画像を拡大する

(筆者作成)
※レセコンメーカーや電子薬歴メーカーによって仕様が異なるため、詳細はメーカーへご確認ください。

上の図のとおり、マイナ保険証での受付の場合は、処方内容(控え)は不要であり、マイナ保険証だけで電子処方箋を取得できます。

健康保険証(資格確認書)での受付の場合は、処方内容(控え)に記載されている引換番号をレセコンに入力する必要がありますので、処方内容(控え)を一旦お預かりします。引換番号を入力したのちに患者さんへ返却します。

処方内容(控え)は患者さんのものですので、患者さんの了解があればコピー等を取らせて頂き、調剤時の参考にすることは問題ありません。

また、患者さんからの申し出があれば、薬局で破棄することも可能ですが基本的には患者さんに返却するものと理解しておきましょう。

電子処方箋の場合の処方監査

処方監査が薬剤師の責任において行われることは、電子処方箋でも変わりありません。ただし、電子処方箋管理サービスの中には、過去の処方・調剤情報が格納されており、今回処方と自動で併用チェックをかけることができます。これにより、薬剤師の処方監査の負担を減らすことが出来ます。

電子処方箋管理サービスの重複チェック機能のイメージ/薬局のアンテナ作成

画像を拡大する

(筆者作成)

引用元:そうだったのか、電子処方箋/厚生労働省

引用元:そうだったのか、電子処方箋 /厚生労働省

重複チェックにおいては、患者さんに顔認証付きカードリーダーで「過去のお薬情報の提供」に同意頂くことで、より正確にチェックをかけることが出来ます。
患者の同意の有無の違いについては、以下の図が参考になります。

口頭同意の案内/厚生労働省
口頭同意の案内/厚生労働省
口頭同意の案内/厚生労働省

引用元:口頭同意の案内 /厚生労働省

※患者さんが「同意しない」を選択したり、健康保険証(資格確認書)での受付の場合であっても、調剤時に口頭で同意を取得する事で、過去の処方・調剤内容を確認することが可能です。
メーカーにより仕様が異なりますので、詳細はレセコン(薬歴)メーカーへご確認下さい。

電子処方箋の調剤から服薬指導

調剤から服薬指導までの業務については、電子処方箋と紙処方箋でルール上の違いはありません。ただし、実務上の違いは出てくるかと思います。

これまで、紙処方箋(orコピー)を手元に置きながら調剤をされている薬局が多いかと思いますが、電子処方箋の場合は、処方箋が電子なので手元に紙がありません。
よって、どのように調剤するのか、どのように服薬指導するのかは別途考える必要があります。

この部分は薬局毎に運用状況も異なりますので一概には言えませんが、必要に応じて電子処方箋の処方内容を印刷するなど、薬局毎に工夫が必要となります。

電子処方箋の電子署名・調剤結果登録

紙処方箋と異なり、電子処方箋は紙ではないので、調剤日や調剤をした薬剤師名を電子的に記録(電子署名)する必要があります。
併せて、電子処方箋管理サービスへどのように調剤したのか記録する「調剤結果登録」も行います。

電子署名・調剤結果登録の具体的なイメージは以下のとおりです。
(メーカーの仕様により異なります)

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薬局のアンテナのてっちゃん
やっきょくのあんてなてっちゃん

4年生大学を卒業後、薬局・ドラッグストア・企業での勤務を経験。当初より人前に立って話すことに苦手意識があったため、それを克服するために研修担当を志願し、経験を積む。その中で「人に伝える・教える」ことにやりがいを感じるようになる。 現在はフリーランスとして、薬局向けに各種研修や経営アドバイス、資料提供などを行っている。 「薬局のアンテナ」の名称でYouTubeチャンネルとLINE公式アカウントを運営中。薬局に関わる全ての方に役立つ情報発信を行っている。

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